社会

2026年1月2日 17:00

釈放後の「立ち直りの砦」が存続の危機 入所者の高齢化や物価高騰などで予算不足 

釈放後の「立ち直りの砦」が存続の危機 入所者の高齢化や物価高騰などで予算不足 
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刑務所などから釈放された人たちに食事の提供や職業訓練を行う「立ち直りの砦」がいま、存続の危機に瀕しています。
(社会部 福田雄大)

すぐに自立が難しい人に眠る場所や食べ物を

熱々の味噌汁に、焼き鮭や副菜。栄養バランスの取れた料理が提供されているのは、約20人が暮らす更生保護施設です。

更生保護施設とは、刑務所などから釈放され、すぐに自立や更生をすることが難しい人たちに対して一定期間、宿泊場所や食事を提供する民間の施設です。

生活指導や職業訓練、さらに退所後には定期的に面談や自宅訪問を行い、“立ち直りの砦”として、様々な支援を提供しています。

この日、施設を訪れたのはおよそ1年前に入所していた50代の男性です。

■更生保護施設職員
「とりあえず生活に困らない分(貯金)はあるけども、どんどん稼いでいかないとまた…」
■50代男性 薬物依存で六回の服役
「なくなっちゃいますよね」
■更生保護施設職員 
「最初からフルにやるとかじゃなくて、ちょっとずつ、アルバイトとか、そういうのもね」

これまで覚せい剤取締法違反などで6回服役してきたという男性。

■50代男性(薬物依存で6回の服役)
「よほど金がないと、生活は苦しいと思いますね」
「(施設は)同じ罪を繰り返さないためのストッパーといいますか」
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「赤字経営が続いている」

再犯を防ぐ重要な役割を担う更生保護施設。全国102カ所ある施設は、そのほとんどが国から委託される形で運営されています。そんな中…

■更生保護施設「清心寮」 清水義悳・理事長
「赤字経営が続いていると、これ乗り越えるのは大変だなってっていう施設も少なくない」

施設の維持にある危機が起きています。それは…

■平口洋・法務大臣
「更生保護委託費については(中略)年度末に不足額が生ずる見込みとなりました」

国から支払われる「委託費」が、当初の予算だと、今年度末に2億6000万円以上不足する試算だと判明しました。

食事提供の日数を減らす通知も

■更生保護施設「清心寮」 清水義悳・理事長
「このままでいくと(赤字が)1000万〜1100万ぐらいになる」
「経営上は大きな課題ではある」

清心寮では、入所者の高齢化による滞在日数の増加や、物価・水道光熱費の高騰などで予算がひっ迫。“委託費問題”は、施設に大きな影響を及ぼしかねません。

■更生保護施設「清心寮」 清水義悳・理事長
「国の方からは非常に縮めた日数で委託せざるを得ないということで」
「食事が付けられる期間は30日と言われています」

これまで清心寮では、入所者に、60日分の食事を提供するよう委託されていましたが、予算の問題から日数を減らすよう通知があったといいます。今年度に関しては、補正予算案が可決し、委託費不足は解消される見込みとなりました。ただ来年度以降の予算は不透明で、”最後の砦”を維持していく必要性を清水理事長は訴えます。

■更生保護施設「清心寮」 清水義悳・理事長
「社会に居場所を作っていく力のない人たちが増えているという意味では施設の役割は大きくなっているんじゃないかなというふうに思います」
「最低限必要な予算はぜひ確保していただきたい」
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