町内会の存続危機について、これまで何度かお伝えしてきましたが、その影響が年末年始の行事にも出ています。
町内会の解散で、新年の行事などが縮小している地域があります。
前回の放送を見て、番組に手紙を送って下さった現役の町内会長に町内会の実情や存続させる対策について伺います。
■初詣&除夜の鐘 支える町内会 役員減り負担増 消滅の危機
年末年始の町内会の役割です。
初詣です。
千葉県松戸市の紙敷中内薄浦町会では、無人の神社の初詣を、町内会の役員が手伝っています。
この神社には、元日に約200人の地元住民が参拝します。
大晦日の31日午後10時半から、役員6人が、甘酒やお守りの授与所の準備を始めます。
元日1日の午前0時〜1時ごろまで、初詣の参拝客に甘酒の提供、お守り授与などの手伝いをします。
午前2時ごろ片付けをし解散ですが、一部の役員は朝まで神社で待機をします。
「イベントなどを手伝う役員が年々少なくなってきている。役員の気持ちが切れると、町内会が消滅するリスクが高い状況」と話しています。
こちらの町内会では、約10年前までは役員が20人以上いたそうですが、70代以上の高齢者がほとんどだったそうです。
そこで、50代を中心としたメンバーの入れ替えを行いました。
役員は若返りましたが、仕事などを理由に町内会の活動に参加できる役員が10人以下に減ってしまいました。
結果、一部の役員に負担が集中しているということです。
年末年始の町内会の役割、除夜の鐘です。
東京都中央区の小伝馬町一の部町会では、毎年大晦日に、江戸時代から残る『石町時の鐘』をつく『除夜の鐘撞き』という行事を開催しています。
こちらの行事には、今回400人以上が参加したということです。
大晦日の31日午後1時〜3時まで、町内会の役員など約10人で照明などのイベントの準備を始めます。
一旦解散し、午後9時ごろ再び集まり、イベントで販売される年越しそば300食の調理を始めます。
この時人手が足りず、隣町の青年会から応援も来るそうです。
そして、午後11時45分から除夜の鐘撞きが始まり、午前2時ごろ最後の参加者が鐘をついて終了し、片付けをして解散ということです。
「大きい行事なので、若い人の手が欲しいが、若い世帯は賃貸に住んでいて出入りが激しい。このままでは、段取りなど分かる人がいなくなる。将来的には、付近の町内会と合併しなければ、行事ができなくなるかもしれない」と話しています。
■町内会が解散 神社に影響 初詣手伝えず みこし巡行なし
町内会が解散したことで、行事に影響が出ているケースです。
神奈川県内の町内会が、2025年、高齢化による担い手不足と加入率の低下で解散しました。
解散した時の町内会の加入率は、7割程度だったということです。
「次の会長の担い手もいなく、住民としては、解散に賛成ではないが、仕方がないというのが本音」だったと話しています。
町内会の解散で、地元の神社に影響が出ました。
こちらの町内会では、氏子として地元の神社の神事の手伝いを行い、町内会長が氏子の総代として神事のまとめ役を担っていました。
しかし、解散したことで、2026年度から氏子の総代が不在になります。
「神主さんから、伝統を守るため、どうしても続けてほしいと言われたが、個人の力ではどうしようもない」と話しています。
町内会が手伝っていたのは、初詣だけでも、消防と協力してかがり火をたいたり、電気工事の会社を手配しちょうちん飾りを設置したり、元日には町内会の役員などが甘酒を提供していました。
ただ、町内会が解散したので、2026年の初詣から町内会による手伝いはなくなり、有志による手伝いになったということです。
そして、おみこしも、こなくなります。
会長だった男性と神社の運営側との話し合いの中で、解散したことで氏子費が払えなくなることを伝えると、2026年10月に行われる秋祭りで、解散した町内会の地区だけ、おみこしの巡行がなしになったということです。
「これまで神社と関わってきた人間としては、神社が存続するために人手とお金が必要なのは理解できるし、みこしの巡行がなくなることも仕方がない」と話しています。
「伝統を守りたい人もいれば、どうでもよい人もいる。お金以上に労力を出すことが難しい時代になっている。愛好会のような形にするのも手なのでは」
■未加入者 ゴミ捨て“タダ乗り”問題 現役町内会長の解決策
前回の放送で、家庭ゴミの回収、ゴミ置き場、防犯灯について取り上げました。
家庭ゴミの収集や処理は、市区町村など自治体が実施する公共サービスです。
町内会に加入している・いないで、サービスを受けられないことは原則ありません。
一方で、掃除など、ゴミ置き場の維持・管理は、多くの場合、町内会がしています。
そして、防犯灯の維持・管理も多くの場合、町内会でしていて、月々の電気代などは、町内会費から支払われています。
つまり、町内会に入っていない人は、会費を負担せずに、こういった設備を利用していることになり、故意的ではないとしても、結果的に『タダ乗り』の状態になっています。
こうした状況に対して、視聴者の皆さんからの意見です。
この前回の放送を見て、福岡県北九州市内の町内会の会長を務めている朝隈さんが、番組宛に手紙を送ってくれました。
朝隈さんは、福岡県北九州市内の町内会で、2023年から、町内会長を務めています。
会長になるきっかけは、前の会長が病気の治療で退くことになり、後任を頼まれ就任しました。
朝隈さんの町内会は、12組に分かれています。
町内全体では、約350世帯ありますが、町内会に加入しているのは、2025年3月末時点で、約240世帯でした。
町内会費は、年4800円です。
朝隈さんの町内会の困りごとです。
町内会の加入率は、年々低下する一方で、物価高騰で防犯灯などの維持・管理費は増えて、町内会費の値上げをせざるを得ない状況でした。
そこで、2024年度から、未加入者に『受益者負担金』をお願いすることにしました。
1、ゴミ置き場と防犯灯を利用する世帯は、年4920円。
2、アパートなどに住んでいて、アパートのゴミ置き場を利用する場合などは、防犯灯だけの利用になるので年2400円。
3、『受益者負担金』を支払わない場合は、自分でゴミ置き容器を設置してもらい、防犯灯は利用しないようお願いしました。
どうやってお願いしたのでしょうか。
町内会に加入していない全世帯に、『受益者負担金』導入について、導入の背景(町内会費での運営が厳しくなっている現状)などを書いたお知らせを、朝隈さんが一軒一軒回り、投函しました。
この時に『受益者負担金』の導入を受けた、町内の人の意見です。
「今まで、いいのかな?と思いつつ、ゴミ置き場に置いていたが、これからは堂々とゴミを出せる」
「ゴミ置き場や防犯灯は、市が管理しているものだと思っていた」
といった声があったと言います。
朝隈さんは、ゴミ置き場や防犯灯を町内会が管理していることを知らなかった町内会未加入の人が、約半数ほどいたのではないかと感じているそうです。
「これまで町内会加入者と未加入者の差にモヤモヤがあったが、不公平感が縮小し納得できる」
といった声もあったといいます。
『受益者負担金』をお願いした結果、町内会に新たに加入したのが約20世帯、『受益者負担金』を支払ったのが約60世帯あり、元々の町内会の加入者と合わせると320世帯で、支払い率は9割超になりました。
「町内会費値上げの危機は、かなり先送りになった」と話しています。
朝隈さんは他にも改革をされています。
1つ目、行事の削減です。
歩こう会、盆踊り、餅つき大会など、他の団体の行事とかぶるものは廃止しました。
2つ目、役員の就任基準の明確化です。
子育て、介護、仕事などで忙しい、80歳以上の場合など、役員を辞退できる要件を明示しました。
3つ目、寄付集めの廃止です。
これまで、組長が1軒ずつ訪問し集金していたのをやめ、回覧板でお知らせするようにしました。
そして、寄付する人は、組長に持参してください、としました。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年1月6日放送分より)















