今年の干支(えと)、馬にちなんだ生き物は水の中にもたくさんいます。水族館で調査してきました!
「海の馬」意外な“馬”コンビとは
福島県いわき市にある「アクアマリンふくしま」は、日本近海の豊かな海を丸ごと表現することを目指していて、展示されている生き物は約800種類と日本有数の展示数を誇ります。
そんな水族館で出会える馬にちなんだ生き物。まずは、この「海馬」という漢字、皆さん読めますか?
正解は「トド」です。今回、案内してもらうのは飼育員の吉田光輔さんです。
「アクアマリンふくしまでは2頭のトドを飼育しているんですけれども、こちらはオスのライくん」
「でも、どうしてトドが馬に関連する生き物なんですか?」
「実は漢字で書くと、このように『海』の『馬』と書きます」
「毛の色とか、大きな姿から、海の馬と書いてトドと書きます」
そのまま「うみうま」と読むと、他の生き物を指す言葉になるんです。
「セイウチとかアザラシとか?」
「惜しくはないです…」
答えは「タツノオトシゴ」です。
「え?タツノオトシゴ?『うみうま』とも呼ばれているんですか?」
「そうなんです。英語の読み方だとシーホース。海の馬と書くんです。そのままですね」
「確かにお顔がそっくりですね」
タツノオトシゴには、こんな変わった生態もあります。
「メスではなくて、オスが子ども(卵)を育てて子どもを産むんです。メスがオスに卵を渡して。オスのおなかに育児嚢(のう)という特別な部屋があり、そのの中で孵化(ふか)をして、オスが子どもを産む」
オスが受精卵を孵化させるのは、動物界全体を見渡してもタツノオトシゴの仲間だけ。とっても珍しい生態を持っているんです。
さらに、人間の脳にある「海馬」は、形がタツノオトシゴに似ていることから、そう名付けられたとも言われています。
“馬面”の魚 青い血を持つ生き物
そして、次の「馬」を探しにやってきたのは大水槽です。ここからは城倉昴飼育員に案内してもらいます。
「アクアマリンふくしまで一番大きな水槽の『潮目の海』という場所です」
この水槽では、暖かく流れの速い黒潮と冷たく栄養豊富な親潮、2つの海流が出会う「潮目の海」を表現しています。そして、親潮側にいるのが…。
「上にいるお魚たちは名前をウマヅラハギと言います。名前のごとく顔が少し長いので、馬の顔に似ていることからこの名前がつきました。おちょぼ口をしていると思うんですけど、この口がとても器用。この口を使って海藻の間に隠れている生き物をついばんだり、水を噴き出して、砂の中に隠れている生き物を探して食べたりしています」
「器用なんですね、この口」
「馬面といえば、もう1種類紹介したいお魚がいます」
「ウマヅラハギになんだか似てますね」
「こちらはマトウダイというお魚で、一番馬の顔に近づく瞬間が餌(えさ)を捕らえる瞬間。ここが口なんですけれども、餌を食べる瞬間ににゅーんと伸びます」
「この伸びた瞬間がとても馬の顔に似ていることから、馬の頭のタイという名前がついています」
見た目のインパクトが強いマトウダイですが、味も抜群です。
「実はとってもおいしくて。海外ではムニエルにして高級魚として食べられていたりとか、実際に私も食べたことがあるんですけど、身がふわふわでうまみが詰まったお魚です」
「日本でも食べられるんですか?」
「日本にもいまして。ただ、まだ食べ親しまれていないので、未利用魚として」
「もしこの味が皆さんに知れ渡ると、日本でも高級魚になるかもしれないです」
カブトガニの血液は250万円!?
馬つながりは魚だけではありません。こんな意外な生き物もいます。
「カブトガニ?」
「そうですね。アメリカカブトガニというカブトガニの仲間です。英名でアトランティックホースシュークラブという名前で呼ばれています。ホースシューというのは馬がヒヅメにつけている蹄鉄のことを言います」
「確かにUの形していますね、蹄鉄だ」
「あと、名前にクラブと付いているんですが、実はカニの仲間ではなくて、クモとかサソリなどの生き物に近い仲間なんです」
昆虫は3つの部位に分かれていて、胸から脚が生えているのに対し、クモやサソリは頭胸部と腹部に分かれていて、脚は頭と胸が一体になった頭胸部から生えています。
そして、カブトガニも、クモやサソリと同じように頭胸部から足が生えていることや、鋏(きょう)角と呼ばれる共通の器官を持つことから、近い仲間と考えられているんです。
「ハサミがカニに見えたから」
「『クラブ』とついたのかなと思います」
このカブトガニ、実はすごい特徴も持っています。
「カブトガニたちの血液は実は青色。医療機器の検査のチェックや、私たちに利用するワクチンのチェックなどで使用されることがあるようです」
なんと、この青色の血液には毒素に反応する成分が含まれていて、毒素があると血が固まるという特性があります。その貴重さから、1リットルあたり250万円ほどの価値があるといわれているんです。
「私たち人間にも結構関わりのある生き物たちです」
七福神と縁起物の魚で運気アップ?
ここからは、見るだけで運気が上がりそうな縁起のいい魚を紹介します。まずは、七福神にちなんだ名前を持つ魚たちからです。
「かわいらしいですね」
「このお魚の名前はホテイウオと言います。七福神の布袋様の名前が入っているお魚なんです」
布袋のおなかのように丸く膨らんでいる見た目から名付けられたそうです。
「泳いでいないホテイウオもよく見ていただくと、その場でじっとしている」
「おなかが吸盤状に変化していて、海藻や岩などにピタッと張り付いて波に流されないように、その場にとどまることができるんです」
「名前も縁起がいいですし、かわいいですし。いいですね」
七福神はここにもいます。
「こちらの魚はエビスダイといいます。一説にはあの恵比須様が持っている鯛ではないかという話もあります。名前にタイとついているんですけど、タイとは全く違う種類のお魚です」
実は、深い海に生息するキンメダイの仲間で、浅い海に生息するタイとは全く違う特徴を持っているんです。
お次は、その見た目から縁起がいいとされている魚です。
「このハデハデな胸びれを持っている子、ホウボウというお魚です。何が縁起が良いかというと、頭が大きいので、この魚を食べると人の長になれるということで。昔は、お殿様に献上品として食べられていた」
美しい胸びれを持つホウボウですが、胸びれにはまだまだすごい特徴があります。
「地面に着いた後の動きを観察してみると…6本の足みたいな胸びれが生えています」
「これもヒレなんですか」
「ヒレなんですよ。ヒレが変化したもので、海底を歩いたり、あとは砂の中に隠れている餌を探すのにも使ったりしています」
実は、この足のような鰭には餌を探すだけではなく「味蕾(みらい)」と呼ばれる味を感じる細胞がついているとも言われているんです。
(「グッド!モーニング」2026年1月9日放送分より)













