社会

ABEMA TIMES

2026年1月10日 11:00

人と話すのは「1年ぶりです」高齢男性のひとり暮らし なぜ孤立化?男性特有の“プライド”背景に

人と話すのは「1年ぶりです」高齢男性のひとり暮らし なぜ孤立化?男性特有の“プライド”背景に
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 現在、高齢者の一人暮らしは急増し、その数は過去最多を更新している。中でも特に孤独に陥りやすいとされるのが「男性シニア」だ。仕事一筋で歩み、会社外での人付き合いを疎かにしてきた影響が、退職後に「社会的な孤立」として出ている。ある調査では高齢男性の6人に1人が、2週間で1度も会話をしないという。「ABEMA Prime」では、この現実に直面する当事者と専門家を招き、打開策を徹底議論した。

【映像】たった1人、キッチンで立ったまま食事する斉藤さん(78)

■宗教の勧誘も“話し相手”極限の孤独

斉藤さん

 番組が取材した大岡さん(74)は昨年、長年連れ添った妻から熟年離婚を突きつけられ、子どもとも音信不通になった。「隣の近所の人と仲良くしたいと思っても、顔を見ても知らん顔してなかなか声もかけづらい。隣の人は顔をチラッと見せると窓を閉めてしまう。だから一言も口聞いていない」。取材した番組スタッフに「(人と話したのは)1年ぶり。一切、誰とも口を聞くことがない。本当に一人ぼっち」。それゆえに、人恋しさからか「この間考えたのは、次、宗教の勧誘の人がきたら誘い込んじゃおうかなと。30分、1時間しっかり話してくれるから」と、宗教の勧誘すら話し相手と考えた。

 斉藤さん(78)も、一人の気楽さを理解しつつも、若い頃の後悔がある。「やはり若い時に友人を1人、2人と作っておいた方がよかった。ずっと話し合っていけるような友だちを作っておけばよかったなと。一人の方がいいと思うのは若い時」だとこぼした。

 なぜ男性はこれほどまでに孤立するのか。シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏は、男性特有のコミュニケーションスタイルの弊害を指摘する。「昔、『男は黙って』というフレーズが流行った。今のシニアの男性は『おしゃべりな人はよくない』『寡黙な男がいい』というイメージがすごくある。女性に比べるとコミュニケーションができない。仕事でも簡潔に話す、余計なことは言わないことを訓練されている」。

 さらに、その孤立を深めるのが「プライド」だ。「ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会」の野崎ジョン全也氏は、その危うさを警告する。「特に現役ですごく頑張ってこられた方はプライドもあるだろうし、具合悪くなってせっかく病院行ったのに、いざドクターの前に出ると『大丈夫、大丈夫』みたいな強がりを言ってしまって、本当に必要なサービスを受けられなくなる」。

 当事者の斉藤さんも、この指摘に同意する。「お世話にならなきゃならない時期が来たら、なるべくその時間を短くしてさっとどこかに行っちゃいたい。この歳になって変なプライドもあるし、自分自身そうなるともう今までの努力はどうなったのか情けなくなる」。

■孤独はどうやって解決すべきか

独居シニア男性の会話量

 この孤独に対し、番組内では現実的な提言が相次いだ。小谷氏は、公助に頼る前に必要な「自助」の重要性を説く。「孤独は、自分がなんとかしないといけないと思う。自助努力も必要だ。(元気なうちに)自分がどう生きたいのか意思を持って、助けてと言える人を見つける。訓練をしないといけない」と語った。

 SEKAIA株式会社CEOの薄井シンシア氏は社会構造と個人の意識、双方の転換を求めた。「高齢者1人1人がマインドチェンジしなくてはいけない。自分の家で死にたいとか、それはもう贅沢。よほどのお金がない限り、自分の家で死ぬとは考えない方がいい。元気なうちにどこかに行って集団生活した方が効率がいい」。

 また2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は、「何らかしら集団で住むのが当たり前の社会にした方がケアもしやすくなるし、高齢の方で同じような状況の人がいやすいので、友だちも作りやすい。社会システムをそろそろ変えないと」と、コミュニティの再構築を提案していた。

 さらに他人とコミュニケーションを取り、生きがいを持つためのこととして、小谷氏は「人のために役に立つ、感謝されることが生きがいにつながる。金銭を伴う仕事である必要はなくて、地域や周りの方のために自分の時間や能力、体力を使って何かすることで関係性も生まれる」と述べていた。 (『ABEMA Prime』より)

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