鳥取と島根で最大震度5強を観測した地震。この地震では長周期地震動の「階級4」も発表されました。高層階を大きく揺らす長周期地震動。もしも大都市で起きたら…検証しました。(1月10日サタデーステーションOA)
震度5強から5日目 影響続く
地震発生から10日で5日目、鳥取県南部町にある給水所では。
「飲料水の無料配布が行われています」
地震による断水は全て解消されましたが。
住民「夕べからちょっと(水が)濁っていて お風呂がもうちょっと黄色くなって」
こちらのご夫婦は、蕎麦店を営んでいますが蕎麦作りに必要な水が濁って使えず、おとといから休業中です。
島根県東部を震源とするマグニチュード6.4、最大震度5強を観測した地震。5県で合わせて15人がケガをしました。
長周期地震動とは?「階級4」の揺れを検証
翌日、現地調査に入った専門家は今回の地震について。
「震源が山中でかなり地盤が固い山間部だったということと、住宅もそこまで多くなくて(外から見る分には)大きな被害はない印象」
ただ今回の地震では、能登半島地震以来およそ2年ぶりとなる長周期地震動の「階級4」という数字もあわせて発表されました。
「階級4ぐらいの地震動だとマグニチュード6以上になると出やすい特徴がある」
長周期地震動とは大きな地震で生じる周期の長いゆっくりとした大きな揺れのことで、低い建物では揺れにくく高層ビルでは高層階ほど大きく揺れやすくなります。気象庁では揺れの状況に応じて4つの階級に分類。「階級4」は立っていることができない、揺れに翻弄されるとされています。
どんな揺れなのでしょうか。長周期地震動の「階級3〜4」相当の揺れを体験できる装置で検証しました。高層ビルの1階と30階を想定し、揺れの違いを比較します。まずは1階にいる場合の揺れです。
「結構揺れますね、それでもまだ慌てるような揺れではありません。しっかり行動できるような揺れに感じます」
次は、30階にいる場合の揺れです。始まりは1階にいる場合とあまり変わらないような揺れかと思われましたが。
「揺れ幅が大きいですね、揺れ幅が非常に大きいです。ゆったりとしているんですけど、揺れ幅が大きいので座っていても怖いですね」
改めて2つの揺れを並べてみると、揺れ幅が大きく異なることがわかります。
「もう別物でしたね。1階の場合は小刻みに揺れていたんですけど、30階だと揺れ幅が大きくて、立つのはもうかなり難しいなと感じました」
警戒しなければいけないのは、この長周期地震動が震源から遠く離れた場所で起きる可能性もあることです。東日本大震災のときには、東京都心にある複数の高層ビルで長周期地震動が起きていたことが確認されています。大きな被害に繋がりかねない東京では、どのような対策が行われているのでしょうか。
都心の超高層ビルの対策は?
訪ねたのは東京・新宿区にある地上54階建ての超高層ビル。これは東日本大震災当日に、このビルの47階から撮影された映像です。向かいにある高層ビルが大きく揺れている様子がとらえられていました。
「結構ずっと長い時間揺れていた」
こちらのビルでもまさに長周期地震動による揺れが起きていたとみられますが。
「53階に当時レストランがあったんですけれども、そこのレストランの皿も割れてないという風なことだったので…」
ビル内の被害はほとんどなかったといいます。効果をもたらしたのは東日本大震災前に設置していた制振装置。
「この固いブレスが上の階と同じ動きをして下の階と間にオイルダンパーをいれてうまく動かして吸収する」
中にあるオイルダンパーが左右に動くことで、地震のエネルギーを吸収します。その後の調査では揺れる大きさを2割ほど、揺れが収まるまでの時間を半分ほどに抑えたことがわかったといいます。
近年制振装置が設置された高層ビルは増加する中、この技術を応用した新たな装置も登場しています。ビルの屋上に取り付けたおもりが建物の揺れと逆方向に動くことでエネルギーを吸収、揺れを軽減させるというものです。既に使用されているビルでも補修工事が最小限で済むこともメリットだといいます。ただ建物の耐震化だけでは被害が防げないのが実情です。
「やっぱり室内環境。大きく揺れればそれだけ物は倒れやすくなってくるし、物が落下しないようにする家具の固定はすごく大事な対策だと思います」