社会

ABEMA TIMES

2026年1月11日 11:00

6人に1人が「2週間会話なし」高齢男性の一人暮らし 孤立化の背景に“雑談力の欠如”

6人に1人が「2週間会話なし」高齢男性の一人暮らし 孤立化の背景に“雑談力の欠如”
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 日本国内で高齢者の一人暮らしは急増し、その数は過去最多を更新している。中でも深刻なのが「男性シニア」の孤立だ。「ABEMA Prime」では、この現実に直面する当事者と専門家を招き、独居男性が抱える「雑談力の欠如」という問題について、社会学的な視点から考えた。

【映像】1年ぶりに人と話した大岡さん(74)の生活

■「1年ぶりの会話」に追い詰められる当事者のリアル

大岡さん

 番組が取材した大岡さん(74)は昨年、熟年離婚によって家族を失い、近隣住民との交流も一切ない。「(会話は)1年ぶり。一切誰とも口を聞くことない。本当の一人ぼっち」と語る。人恋しさからか「次に宗教の勧誘の人がきたら誘い込んじゃおうかなと。30分、1時間しっかり話してくれるから」と、“話し相手”を求めていた。

 シニア生活文化研究所代表理事の小谷みどり氏は、独居男性の6人に1人が「2週間に1度も会話をしない」というデータについて、その背景にあるコミュニケーションスタイルを指摘する。「昔、『男は黙ってなんとか』というフレーズが流行った。今のシニアの男性は、おしゃべりはよくない、寡黙な男がいいというイメージがある」。

 小谷氏によれば、現役時代の仕事を通じて培われた「簡潔にしゃべる・余計なことは言わない」という姿勢が、退職後の生活では裏目に出るという。「おしゃべりは本当に『雑談力』だと思う。どうでもいいことをしゃべる能力があるか。そういう意味では、男性の方が(女性より)劣っている方が多い」。

 友人関係の築き方についても、「肩書き」に依存する男性の危うさを指摘する。「自分の話をしないと仲良くなれない。どこかの会社の部長をやっていましたみたいな話ではなく、自分の趣味であるとか、興味を持っている話とか、そういう話をいかにできるか」だと説明。「肩書きがなくなった時に、自分は何者なのか、自分自身がどういう人間なのかをいかに自己開示できるか。それが雑談の第一歩だ」とした。

■男性に乏しい「雑談力」

高齢男性の雑談力

 雑談が苦手な男性をどう社会に連れ出すべきか。番組では、目的意識の強い男性特有の性質を逆手に取った海外の事例も紹介された。SEKAIA株式会社CEOの薄井シンシア氏は、欧米における「男性の社交場」の重要性を語る。「男性の場合は、おしゃべり会といっても来ないらしい。アメリカの場合は『会議があるから来てください』という。目的がないと男性は来てくれない」。

 シンシア氏は「目的」がなくとも自然に会話が生まれる場所として、イギリスのパブやアメリカのダイナーが果たしている役割に注目した。「イギリスの場合はパブ。何にもない時にとりあえずパブに行って、バーテンダーと話ができる。アメリカの場合はダイナー。朝からファミレスみたいなところに行って、ウェイトレスとしゃべっている。それが男性にとっては唯一の社会との繋がりだったりする」。

 小谷氏は、孤独死という最悪の結末を避けるためには、元気なうちからの「訓練」が必要だと説く。「元気なうちに、自分がどう生きたいのかという意思を持って、助けてと言える人を見つける。訓練をしないといけないと思う」。

 また、社会との接点を持ち続ける手段として、金銭を伴う仕事に限定せず、地域や周りのために自分の能力を使うことも推奨。「人のために役に立つ、感謝されるという実感が、生きている実感と人との関係性を生む」と述べた。 (『ABEMA Prime』より)

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