岡山県で中学3年生が行方不明になって3年たち、新事実が判明した。
2022年から行方不明になっているのは、岡山県倉敷市の当時中学3年生、梶谷恭暉(かじたに・みつき)さん(17)だ。2025年12月に『ABEMA的ニュースショー』が、この謎の失踪を特集したところ、Xであわせて2000万以上の表示という大きな反響があった。
母親は「何か手がかりがほしいと、チラシを配って声をかけて回っていたけど、いつか帰ってきてくれるだろうと思って待つしかないかな。もう手がかりが何もない」と嘆く。母親とのLINEでは帰宅する時間を伝えていたが、その後の返信に既読はつかなかった。
行方不明となった翌日、自宅から約90キロ離れた広島県の生口島で、恭暉さんのスマホと漫画が発見された。海上保安庁が3日間、捜索したものの発見には至らず、「海への転落の可能性は極めて低い」との見方が有力視されている。
鍵を握るのは、残されたスマホだ。しかし母親は、「いくら親が契約者であっても、子どもが使っているものの中身の開示はしてくれなかった。事件だったら警察から開示ができると思うが、事件でないので手がかりが携帯の中にあるかもしれないのに、中身が見られない」と話す。
恭暉さんは、いったいなぜ、一度も行ったことのない島に渡ったのか。海への転落の可能性が極めて低いなら、なぜ橋の上で、スマホと漫画が発見されたのか。そして、最大の謎が「恭暉さんはなぜ消えたのか?どこへ消えたのか?」だ。
母親は「捜査も行方不明じゃ事件の扱いにならないので、自分で、恭暉が通った道にありそうな防犯カメラを全部確認して、警察から防犯カメラのチェックをお願いしてもらって、地道な作業をしていました」と明かす。
2022年11月13日午後2時半ごろ、「塾に行く」と言って家を出て以来、行方がわからなくなっている。実は恭暉さんは、塾に持っていっていたカバンは、家に置いたまま出かけていた。塾には行かなかった恭暉さんの姿を捉えていたのは、JR倉敷駅周辺の防犯カメラだった。
「カバンも持ってない」と話す母親。「持って行ったのは、お財布と携帯電話と、『ワンピース』の当時の最新刊と文庫本」と説明する。
恭暉さんはJR倉敷駅で午後2時49分の在来線に乗り、午後4時3分に三原駅に到着した。母親によれば、三原は土地勘がなかったという。「各駅停車で(午後4時3分に)三原駅について、午後5時の(船の)出発までブラブラして、5時の出発に合わせて戻ってきた」。
三原港で最後に防犯カメラに映っていた時刻は、午後4時3分から、船が出航する午後5時までの間。母親は「船も(恭暉は)船酔いするので乗らない。自分でお金を出して、わざわざ船に乗ったりしない」と話す。
恭暉さんが乗ったとみられる船は、午後5時28分に生口島の港に到着。人口およそ8000人の島だ。
元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は、恭暉さんのスマホと漫画が発見された橋の上で、“現場検証”を始めた。母親は「説明があったのは、ここ(橋の欄干)に足跡があるって言われた。『息子さんは死んでいると思いますよ、お母さん』って(地元警察に)言われた」「足跡もあるし、(ここから飛び込んだのではないか)みたいな」と話す。
橋の欄干に付いた足跡は、恭暉さんの足跡なのか。秋山氏は実際に欄干を跨ぎ、「普通はこういって、絶対両方(足を)つけないとあかん」と推測する。「1カ所しかなかった。指摘されたのは」と母親が証言。
行方不明となった当日、恭暉さんが履いていたサンダル。同じものの靴底を確認した秋山氏は、「(靴底の模様は)ひし形のブロック。現場にあったのは横線。そもそも裏底が違う。これは大きい進展。恭暉さんが橋を乗り越えたのではない」と推理する。
となれば、橋の上に置かれたスマホと漫画は、どういうことなのか。橋は港から徒歩15分の距離で、車のほか、歩行者なども通行できる。秋山氏は「『犯人が置く』はあまり考えられない。バレてしまう、発信記録で。となったら息子さんが、車で拉致されてここ通るときに『やばい』と思って、SOSで捨てたのではないか」と考える。
母親によれば、恭暉さんのスマホは元々ひび割れていたが、返却されたスマホに新たな傷は見当たらなかったという。「わかった、本に挟んだんだ。漫画本にスマホを挟み、車から捨てたら、そんな傷もないし、(本とスマホが)分かれて。ちょうどこのくらいの(距離感で)。そういう可能性もある」(秋山氏)。
鍵を握る、恭暉さんのスマホだが、中身を開示することは認められていない。しかし12月の放送の後、事態は動いた。「(恭暉の)携帯をもう1回預からせて下さいということで、倉敷警察署にこれから出す」と明かす母親に、秋山氏は「解析した段階で謎は解けると思う。間違いなく」と返した。
さらに、今回の取材で明らかになったのが、恭暉さんは行方不明になる前日、複数人にXを通じて、コメントを送っていたということ。誕生日を報告している投稿者には「おめでとうございます。これからも応援しています〜」、国内を旅する様子を配信している投稿者には「中国地方に来て下さい」という別の人のコメントに合わせて、「同じく来て下さい」と投稿していた。
「『これからも応援します』というのは、『これからも』って将来のこと。やはり死ぬってことは考えられない。未成年者誘拐、未成年者略取の容疑、監禁罪。こういう事件性の可能性はあると感じた」(秋山氏)
恭暉さんには、2歳下の妹がいる。今はもう、行方不明になった当時の恭暉さんと同じ、中学3年生になった。妹は「今は生きているか生きてないかぐらいは知りたい。お兄ちゃんもお兄ちゃんで思うことがあったから、今の状況になっているのかな。帰ってきたら、ちょっと怒りますけど、話がしたいことはたくさんあります」と語った。
「誰かが『おいで』って言って出て行ったとしか。人を信じてしまうようなところもあるので、言葉巧みにメッセージをして、呼び出されて。ずっとそう思って、3年間手がかりを探していた」(母親)
情報提供 倉敷警察署(086-426-0110)
(『ABEMA的ニュースショー』より)