今、東京都が検討している東京23区の「家庭ごみ有料化」が議論を呼んでいる。小池百合子知事は、あと50年ほどで満杯になるとされる最終処分場の延命と、都民の「行動変容」を促すための減量化が不可欠であると強調する。
先行導入された多摩地区の自治体では、40リットルの指定ごみ袋を75円〜80円程度で販売し、大幅なごみ削減に成功した実績がある。しかし、この施策には「物価高の中で負担が重い」「23区の住環境には合わない」といった賛否様々な意見が上がっている。
『ABEMA Prime』では、有料化で本当に家庭ごみは減らせるのか、賛成&反対の議員らとともに考えた。
■「50年後にはごみが溢れる」

東京23区の家庭ごみ有料化について、江東区議会議員の中島雄太郎氏は、「東京都が潤沢な税収があるのにお金を取るのかといった議論があるが、税収が欲しいわけではない」と語る。
有料化議論の背景には、深刻な埋め立て地の問題がある。現在、東京湾にある「新海面処分場」に最終的なごみが埋め立てられているが、ここは「これ以上は増やせない、最終最後の埋め立て地」だという。中島氏は「あと50年ぐらいしか持たないということが現実に見通せる段階になってきた。私たちの子供、孫の世代には、街中に処理できなかったごみが溢れてしまう」と危機感を露わにする。
また、先行して有料化を実施している多摩地区等の実績を挙げ、「先行自治体では1割から3割ぐらいごみが減ったというデータがある。23区の1000万人がひと月で1.4袋分削減できれば、毎月1400万袋のごみが減る」と有効な手段であることを強調した。
■「不法投棄や衛生悪化、管理人の負担増などデメリットの方が大きい」

一方、有料化に反対の立場を示す、東京都議会議員のさんのへあや氏は「23区の住環境と有料化の仕組みが全く合っていない」と主張する。
また、「多摩地区は一戸建てが5〜7割だが、23区は約7〜8割が集合住宅。個別収集を前提とした有料化を23区に当てはめるのは非現実的だ」と指摘。自身のごみ収集体験を踏まえ、「マンションの集積場では、1つ1つの袋が有料の袋かどうかを判断して回収を分けるのは困難。不法投棄や衛生悪化、管理人の負担増などデメリットの方が大きい」と述べた。
さらに、23区の家庭ごみは既に減少傾向にあることや、先行して有料化されている事業系ごみの不法投棄が増えている事実を挙げ、「まずは23区全体で分別の底上げを図るなど、意識づくりを優先すべきだ」と訴えた。
■「問いの立て方が違う」安部敏樹氏が指摘する構造的問題

アクティビストの安部敏樹氏は「問いの立て方が違う」と、行政のコスト構造に疑問を投げかけた。
安部氏は「東京23区の事業系一般廃棄物の焼却費用は、多摩地区の半分以下の安さ。これは税金が投入されすぎているからだ」と指摘。また、「焼却よりもリサイクルのコストが高ければ、事業者は安い焼却に流す。償却費用への補助金を減らして価格を適正化すれば、インフラ設計として勝手にリサイクルが進むはずだ」。
その上で、一般市民に負担を強いる有料化の議論を優先することに対し、「政治的資源をそこに投じるのはナンセンス。教育などの『お花畑の世界』に行くのではなく、行政でしかできない焼却費用の税金の使い方を変えるべき」だとの見方を示した。
(『ABEMA Prime』より)