社会

ABEMA TIMES

2026年1月18日 12:00

「顔採用」いまだ存在?採用担当者の“本音”とルッキズムの境界線 研究者は「顔というよりコミュ力採用」「面接官は似た人を選びがち」

「顔採用」いまだ存在?採用担当者の“本音”とルッキズムの境界線 研究者は「顔というよりコミュ力採用」「面接官は似た人を選びがち」
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 就職活動において、度々物議を醸す「顔採用」。ルッキズム(外見至上主義)への批判が高まる現代において、今なお外見を合否の基準に据える企業はある。採用担当者からすれば、実際に「顔採用」した社員が入社後に優秀な成果をあげているなどの実体験がある。「ABEMA Prime」では、企業の元採用担当者や専門家の知見から、その是非を検討した。

【映像】上司から“顔採用”と言われたみかなさん(20代)

■「成績が跳ね返ってくる」現場が求める“ルックスというスキル”

顔採用はメリット大?

 番組では、実際に2つの会社で採用担当として「顔採用」を行った経験を持つコジマ氏が、その生々しい実態を伝えた。コジマ氏によれば、特に販売職においてはルックスがダイレクトに成果に繋がっていたという。「販売職の採用をやっていた時は、顔(の影響)で成績がすごく跳ね返ってきた。ルックス重視というか、パッと見た目で『かわいい』『きれい』『かっこいい』方々は、ポイントが高いという前提で面接をしていた」。

 コジマ氏は、顔が良いことを「1つのスキル」と捉えており、そのメリットは売上だけではなく、入社後の教育現場にも波及すると主張する。「顔採用の方々がすごく活躍してきたシーンもかなり見てきたし、1つのスキルとしてすごく重要。人事をやっていると採用した後がなかなか関われず、後は現場に任せっきりにもなるが、顔のいい方だと先輩社員も乗り気で積極的に教えてくれたり、優しく接してくれて現場が動いてくれる」と、他の社員にも好影響が出るとした。

 これに対し、大物マダムタレント・アレン様は「飲食店や販売店で、担当を外見で選んだことは一度もない」と疑問を呈す。「むしろ優しいとか、よくしてくれるとか、そういうところ。この人がかわいいから通いつけるというのは、水商売ならあるかもしれないが、一般職でこの人がかわいいとか、その子が働いている会社だから取引先の1つにしようとなるのか。顔採用が果たして本当に貢献してるのかは疑問だ」。

■脳と心理学から見た「顔」の正体

得する顔・損する顔

 顔が人に与える影響を研究する中央大学の山口真美教授は、「顔採用」という言葉で一括りにされている現象を、科学的な視点で解体した。「表情と、いわゆる見た目の顔は別物。それを一緒くたにして『顔採用』と呼んでいるが、実はコミュニケーションであって『コミュ力採用』『表情採用』ではないかな」と述べる。

 山口教授によれば、人間には「自分たちの社内の平均的な雰囲気を持った顔」を好んで選んでしまうバイアスがあるという。「採用面接では、面接官が自分たちの基準で、『うちの社風に合うね』と、社内の平均的な雰囲気を持った平均的な顔を、ついつい私たちはそれを好んでしまう。なんとなく自分に似た顔の方が馴染んでいて、それを基準に見てしまっている」。

 番組VTRでは、前職を辞める際に上司から「顔採用だよね」と言われ、傷ついた20代女性の事例も紹介された。本人は努力して合格した自負があったが、「自分の努力がなかったことにされた悔しさとか、顔だけしか取り柄がないっていう風に思われてるのかなって…」と苦悩を明かした。

 これを受けてkelluna.代表・前川裕奈氏は、社会に蔓延する価値観の強制を危惧する。「セルフラブ(自己肯定感)で大事ではあるが、『自分を愛する』ことを実践するのはすごく難しいことでもある。ルッキズムはあってもいいが、自分を愛するためにはルッキズムは最小限化していく必要がある」と訴えた。

 一方で、EXIT・兼近大樹は、自身の経験から「見た目のバイアスは絶対にあると認めるしかない」と語る。「職業によっては損をする。僕は最初、損してると思いながら、ずっとお笑いをやっていた。同じボケ、似たようなボケを言っても、僕が言うよりも僕の見た目ではない人が言った方が盛り上がるし、ウケる。『俺の方が面白いこと言ってんのにな』と思いながら生きている時期もあった。見た目のバイアスは絶対ある。それはもう認めるしかないし、では自分はどう生きていくかでしかない」。

 「顔採用」の代替策として、アレン様が解決策として提示したのは「選考側の多様性」だった。「結局、採用担当が男性で縛られちゃうと、自分の好みが入ったりする。だから採用担当を老若男女、いろいろな年代の男性・女性を混ぜたら、好みの顔とかによらない」と提案。この意見には脳科学者・茂木健一郎氏も「多様性が大事。見る側が男性目線だけに縛られるからいけない」と強くしていた。 (『ABEMA Prime』より)

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