社会

ABEMA TIMES

2026年1月18日 13:15

相続税ってどんな税制?格差是正or一般家庭の負担増?資産1億円を持つ当事者「死に物狂いで働いた。これが奪われると思うと心苦しい」

相続税ってどんな税制?格差是正or一般家庭の負担増?資産1億円を持つ当事者「死に物狂いで働いた。これが奪われると思うと心苦しい」
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 国税庁は12月、2024年の相続税に関するデータを発表した。それによれば、誰かが亡くなった場合に約1割のケースで相続税が生じたという。この数字は過去最多で、申告税額も3兆2446億円と過去最高額となった。

【映像】8年で資産1億円…くらま氏の毎月の貯蓄額(詳細)

 しかし、すべての人に税金がかかるわけではなく、「3000万円プラス法定相続人1人あたり600万円」の基礎控除額があり、それを超えた場合に相続税が課される。相続額が大きいほど税率が高くなる相続税だが、2015年の改正で基礎控除額が引き下げられたことや、土地の高騰、少子高齢化に伴う相続人の減少などで、納税義務が発生している人が増加している。中には、税金を払うために家や土地を売却しなければならない人もいる。

 Xでは「遺産がほとんど残らないから相続税をなくしてほしい」「本当の富裕層からだけ高額にしてとるべき」といった声が上がっている。財産の再分配という意味合いが強い相続税。そのあり方について、資産1億円を持つ当事者と考えた。

■「性欲も睡眠欲も食欲も…すべて遮断して死に物狂いで働いた。これが奪われると思うと心苦しい」

くらま氏

 1億円の資産を築いた節約系クリエイターのくらま氏は、「8年間、節約だけを考えて生きてきている。性欲も睡眠欲も食欲も、すべての欲求を遮断して、死に物狂いで働いて貯めた結果の1億円だ。これが奪われると思うと心苦しい」と吐露する。

 現在の税制では、3000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)が基礎控除額となる。例えば、親の資産1億円を子供2人で相続する場合、4200万円が控除され、残りの5800万円に対して計770万円の相続税がかかる計算だ。

 税理士の奥村眞吾氏は「1億円なら手取りは9230万円になるが、2億円になると税金は3340万円に跳ね上がる。問題はその財産がいかなる財産かということだ。預貯金なら払えるが、自宅や中小企業の株式だった場合、どうやって現金3300万円を払うのか。これが相続税の悲劇だ」と指摘。

 さらに「今回の高市内閣の税制改正で、富裕層が徹底的にいじめられている」といい、現状の税制を批判した。

■働く意欲を削ぐ税制か、格差を埋める再分配か

塚崎公義氏

 経済評論家の塚崎公義氏は、不公平是正の観点から相続税の必要性を主張する。塚崎公義氏は「お金持ちの子供にたまたま生まれて豊かな生活をするのは不公平だ。一生懸命働いて得た所得には高い所得税がかかるのに、相続税の方が低いのはおかしい。せめて相続税と所得税は同じ税率であるべきだ。どっちかというと相続税の方が高い方が望ましい」と述べた。

 これに対し、くらま氏は猛反論した。「日本の相続税は世界的に見ても高い。カナダやオーストラリアには相続税がなく、アメリカは控除額がはるかに高い。行き過ぎた平等思想は非常に怖い。人を出し抜いて豊かになろうという反応は正常であり、それが株価に反映されて社会は良くなる。出口を厳しく抑圧するのは、個人の財産権の侵害になりかねない」と述べた。

 パックンは「相続税がないと、相続を受ける子供がお金持ちのままで働く必要がなくなる。頑張る人を増やすのは相続税ではないか」と投げかけたが、くらま氏は「お金持ちになる道を閉ざしているとも考えられる。通貨の価値が落ちる中で資産の評価額だけが上がり、全く現代に合っていない」と応じた。

■時代に即した税制へのアップデートは可能か

解決策は?

 議論は、現金を一括で納めるという支払い方法の柔軟性にも及んだ。塚崎氏は「家を売らなければ税金が払えないのは問題だ。例えば、家の所有権の半分を政府に渡し、家賃を払って住み続ける。あるいは企業の株を半分政府に物納し、配当も払うが社長は続けさせてもらう。現金で払えという制度を変えて、物の柔軟な納付を認めれば、多くの問題は解決する」と提案した。

 また、「子供がいない人が兄弟姉妹や甥、姪に相続させる際は、税率を極端に言えば50パーセントでも90パーセントでもいい。そうすれば50年後にはものすごい税収が入る。誰もものすごく困る人がいなくて、税金がたくさん入る現実的な解決策だ」との持論を展開した。

 奥村氏は「個人の金融資産は2400兆円あるが、財務省から見れば相続税の大きな財源だ。準備が周到に出来ていて財務省も準備できている話だが、今の基準はインフレ率を加味しておらず、据え置いていること自体が実質的な増税になっている」と分析した。

 今後について問われたくらま氏は「自分が損をしていないのに、相手を引きずり落として損をさせようとする考え方で社会ができるなら、僕は節約をやめて今から浪費する」と語った。

(『ABEMA Prime』より)

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