「ライス食べ放題のシェアは本当にお辞めください」「ダメです。私にも家族がいます」この悲痛な叫びが540万回表示され、反響を呼んでいる。
投稿したのは横浜市上大岡にある家系ラーメン店「いんなみ家」の店主。オープンは2025年3月、席数は10席。ウリは、醤油とんこつのちょっと濃いめの家系ラーメン(らーめん900円)だ。店主の印南裕司さんは28歳。大学卒業後、5年間、他店で修行し、去年念願の自分の城を構えた。
印南さんは「家系ラーメンだとラーメンライス(の組み合わせ)が多い。半分くらいのお客様がラーメンライスを注文する」と語る。家系といえばライスと一緒に味わうのが定番。味の濃さはライスをおいしく頂けることを計算してのものだ。
「こちらはライス用のニンニクで、これでライスをたくさん食べる人が多くて。ライス食べ放題100円なんですけど、ご飯もどんどん進むように卓上の調味料をたくさん用意しています」。ライス100円で食べ放題。一杯1000円が常識となったラーメン、せめてライスだけは安くお腹いっぱい食べてほしい。それが印南さんの願い。
しかし困った事態が発生した。年末年始あたりから、親子連れやカップルなどが100円の食べ放題のライスをシェアしはじめたという。「2人で来て、ライス食べ放題の券を1枚しか買わず、食べ放題を2人分してしまうケースがありました。ドリンクバーを1人分しか頼んでないのに2人分飲んでしまうみたいな感じ」。
さらに「ずっと物価が上がってきているので、これ以上ルール違反されるとサービスが続けられなくなってしまう」と訴える。通常の計算なら、家賃、材料費、人件費などの諸経費を考えると、ラーメンとライス一杯でギリギリ採算が合うところを、コメ価格高騰の中でも100円食べ放題を貫いていた。
印南さんは独立して気づいたことがあった。それはわずか10円でも利益を出すのに、どれだけ努力が必要なのかということ。その積み重ねこそがアルバイトに時給を出し、店を継続させ、家族を養うことできる。
「1月から社員やアルバイトも増えました。家族もいて養っていかなければならない。ルール違反をされてしまうとお店が潰れてしまう。そうすると、社員や家族が途方に暮れてしまう」
100円のライス食べ放題は、提供する側にとっては命懸けの食べ放題サービスだった。そのためSNSで訴えたのだという。
投稿のおかげでシェアはなくなったというが、一方でこんな声があることも知った。「ライス食べ放題は人数分でないと注文できないように変更されては?子供は半額とかに設定して」「そもそも食べ放題・飲み放題系は同席の客全員が注文しないといけないシステムじゃないんですか?客の良識に委ねるのではなく、はなから不正をさせないシステム作りをしないと店側の負担が増える一方ですよ」(SNSの声)
独立から1年、3月からは夫婦で切り盛りをすることになっている。印南さんは「今(妻は)別の会社で働いているんですけど、今年3月から奥さんも自分の会社で働きます。腹くくっているので、私が背負っていくじゃないですけど、駄目だったら奥さんが、私バイトでも何でもするからって言われているので」と語る。
「私自身結構食べる方なので。やっぱりお客さんの笑顔も見たいし、お腹いっぱいになってもらいたい。自分がされて嬉しいことをやりたい」
(『ABEMA的ニュースショー』より)