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安倍元総理が銃撃された事件で、殺人などの罪に問われている山上徹也被告(45)に無期懲役の判決が言い渡されました。
田中伸一裁判長
「銃器を用いて、被害者の隙を狙い、背後から被害者を襲撃するなどした犯行は卑劣であって、極めて悪質というべきである」
「銃器を用いて、被害者の隙を狙い、背後から被害者を襲撃するなどした犯行は卑劣であって、極めて悪質というべきである」
検察側の求刑通りの判決に、身動きせずに聞いていた山上被告は、特段の変化を見せず、裁判長に一礼しました。
これまでの裁判で、安倍元総理に対する殺人罪について認めていた山上被告。
争点の一つとなっていたのは、手製のパイプ銃が銃刀法などで規制される“砲”にあたるのか。裁判所は、その構造などから該当するとして、“発射罪”の成立など、起訴内容すべてを認定しました。
弁護側は、母親の高額な献金など、旧統一教会への信仰が事件につながったと主張。生い立ちは、量刑判断で最も重要視されるべきと、懲役20年以下の判決を求めていました。
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田中伸一裁判長
「父が自死し、兄が重病を抱えるなどの不安定な家族環境のなかで、旧統一教会に入信した母の各種言動や、これを原因とする家族間の激しい諍い(いさかい)。被告は、家庭内で安息の場所を得ることができなかった。旧統一教会や、その関係者に対し、激しい怒りの感情などを抱いたとしても、現実に殺人行為によって、他者の生命を奪うことを決意し、銃の製造を計画して実行する意思決定は、大きな飛躍があるといわざるを得ない」
「父が自死し、兄が重病を抱えるなどの不安定な家族環境のなかで、旧統一教会に入信した母の各種言動や、これを原因とする家族間の激しい諍い(いさかい)。被告は、家庭内で安息の場所を得ることができなかった。旧統一教会や、その関係者に対し、激しい怒りの感情などを抱いたとしても、現実に殺人行為によって、他者の生命を奪うことを決意し、銃の製造を計画して実行する意思決定は、大きな飛躍があるといわざるを得ない」
山上被告の生い立ちは「不遇な側面が大きい」とする一方、「事件に大きな影響を及ぼしたと認めることはできない」としました。生い立ちが犯行に結びついたとする主張を飛躍と指摘。そのうえで、こう述べました。
田中伸一裁判長
「『人を殺してはならない』という社会規範は、被告の不遇な生い立ちなどを踏まえても、社会の一員として、当然かつ十分に身につけることが可能なものであった。さらに、安倍元総理を襲撃対象としたことについてみると、被告は『旧統一教会に一矢報いる』という目的のため、当初は、旧統一教会の幹部等の襲撃を計画していたが、『本筋ではない』と理解しつつも、安倍元総理の生命を奪うことを決意したと認められる。経済状況がひっ迫し、襲撃の実行をこれ以上待てないなどという、自身の都合を優先させて、襲撃を決意したものにほかならない。このような、被告の短絡的で、自己中心的な意思決定過程についても、生い立ちの影響は認められない」
「『人を殺してはならない』という社会規範は、被告の不遇な生い立ちなどを踏まえても、社会の一員として、当然かつ十分に身につけることが可能なものであった。さらに、安倍元総理を襲撃対象としたことについてみると、被告は『旧統一教会に一矢報いる』という目的のため、当初は、旧統一教会の幹部等の襲撃を計画していたが、『本筋ではない』と理解しつつも、安倍元総理の生命を奪うことを決意したと認められる。経済状況がひっ迫し、襲撃の実行をこれ以上待てないなどという、自身の都合を優先させて、襲撃を決意したものにほかならない。このような、被告の短絡的で、自己中心的な意思決定過程についても、生い立ちの影響は認められない」
遺族への謝罪の言葉を述べていることを踏まえても、悪質性や危険性などを考慮すると、無期懲役が相当な事案としています。
判決後、山上被告は、いつも通り静かに法廷を後にしました。
安倍元総理の妻・昭恵さんが判決後にコメントを寄せました。
安倍昭恵さんのコメント
「本日の判決により、突然の夫の死からの長かった日々に、一つの区切りがついたと感じています。被告は、自分のしたことをきちんと正面から見つめ、私のかけがえのない家族である夫の命を奪い去った罪を償っていただきたいと思います。私は、これからも、前を向いて、夫の遺志を紡ぎ、日々を大切に生きて参ります」
「本日の判決により、突然の夫の死からの長かった日々に、一つの区切りがついたと感じています。被告は、自分のしたことをきちんと正面から見つめ、私のかけがえのない家族である夫の命を奪い去った罪を償っていただきたいと思います。私は、これからも、前を向いて、夫の遺志を紡ぎ、日々を大切に生きて参ります」
去年10月から始まり、16回にわたり開かれた裁判。
審理に参加した裁判員が、会見で山上被告の印象を語りました。
裁判員
「自分の言葉で発言しているのが印象的。自分に不利になるような証言でも、ちゃんと受け答えしていた。能力の高い人物だと思った。高い能力を、犯罪という方向でなく、もっとほかの方向に生かせていれば。すごく残念」
「自分の言葉で発言しているのが印象的。自分に不利になるような証言でも、ちゃんと受け答えしていた。能力の高い人物だと思った。高い能力を、犯罪という方向でなく、もっとほかの方向に生かせていれば。すごく残念」
裁判員
「宗教2世として不遇な幼少期・青年期を送っていると強く思った。そういった境遇がなければ、持ち前の頭の良さで、大成されていたのかなと思った」
「宗教2世として不遇な幼少期・青年期を送っていると強く思った。そういった境遇がなければ、持ち前の頭の良さで、大成されていたのかなと思った」
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