北海道の八雲町で、隈研吾氏がデザインを監修した新庁舎の計画が白紙になりました。町は23日、住民説明会を開いて1億9000万円の設計費が無駄になることを謝罪しました。
役場の新庁舎建て替え問題
23日に住民説明会が開かれ、住民からは厳しい追及の声が上がりました。
「皆さんのお怒りも十分理解しております」
「抑えているんですよ。今ここでね、つかみ合いのけんかになるぐらいだと思ってますよ」
北海道南部の町、八雲町。人口はここ半世紀で、3万5000人から1万5000人まで減少しました。
そんな過疎化が進む町で今、役場の新庁舎建て替え問題が起きています。町長が新庁舎の事業計画を白紙に戻す方針を固めたのです。
現在の庁舎は築64年で老朽化が進んでいます。他の行政施設も同じく老朽化が進んでいることから、八雲町は一つにまとめて新設することにしました。
八雲町役場の新庁舎の建設予定地が旧国立病院の跡地です。当初の予定では、2027年度の完成を目指し、計画が進められていました。
新庁舎は空に向かって開く、木造の屋根が特徴的な建物。鉄骨造り3階建て、延べ床面積は6150平方メートルです。役場庁舎の他に、公民館や保健福祉施設も併設され、建設予定価格はデザイン設計費およそ1億9000万円を含む、およそ33億円です。
デザイン監修は隈研吾氏
この新庁舎のデザイン監修を手掛けたのが、国立競技場をデザインした、隈研吾氏(71)です。
町がデザイン設計費を示したうえで、公募で選ばれましたが、その後資材の高騰などで建設費が膨らんでいきました。
「最初から別の業者を頼んで格好つけないで、普通にやればいいんじゃないかなと思います」
「地元の人(設計士)だったら、こういう雪の多いところだから、雪にも強い地元の建築会社さん、設計する人。そういう人を使ってやってほしいなと思います」
隈研吾氏の事務所は、番組の取材に対し…。
「町からの正式な連絡がないためコメントは控えさせていただきます」
事業計画を白紙に戻す理由
事業計画を白紙に戻す理由、それは33億円の建設費が当初から9億円膨らみ、42億円になったことと、入札に参加した事業者がゼロだったことです。
これについて、八雲町の関口正博議員はこう話します。
新庁舎の建設には、国の補助金を使う予定ですが、2030年度までに完成させることが条件だといいます。計画を練り直せば順調に行っても完成が2年半はずれ込むとみられ、2030年の完成予定と、工事の遅れが許されないギリギリのスケジュールとなります。
しかも、これまでかかった設計費、およそ1億9000万円は無駄になります。
町長「再検討する」
計画を白紙に戻すことの是非を問う、23日の住民説明会には、1部・2部合わせて178人の町民が参加しました。町民から出た意見は…。
「役場庁舎は、美術館や芸術会館とは違います。職員が利用しやすいランニングコストが安価なシンプルな建物であるべきだと思います」
「実質やっぱり身の丈に合ったものを作るというのが、行政の進むべき道ではないかなと思います」
ゼロから計画をし直すことに賛成する人が多数でした。しかし、設計費およそ1億9000万円が無駄になるという部分については、納得がいかないようです。
「議員が賛成したから、こういうふうになってんでしょ」
「ブレーキが利かなかったんだわ。ほんとに」
「私だって1億9000万円、税金を納めている方に申し訳ないと思っています。少しでもシンプルに安く建てたいという思いですから、今回こうやって立ち止まってやり直そうという方向性を切りたいというのが、私の思いでございますので、そこはご理解いただきたいというふうに思っています」
計画をし直すにあたって、萬谷町長はこう述べました。
(2026年1月24日放送分より)










