太平洋戦争後にフィリピンに残された残留2世の女性が、日本政府の支援で日本に一時帰国することがわかりました。テレビ朝日の取材で、生き別れた日本人の父の親族が鳥取県で見つかっています。
(報道局 松本健吾)
フィリピン・ダバオに住む残留日本人2世のカンバ・ロサリナさん(95)は、27日に訪日し、日本人の父の故郷である鳥取県伯耆町を訪れる予定です。
ロサリナさんは、戦前にフィリピンに移住してきた日本人の父とフィリピン人の母との間に生まれました。
戦前の国籍法では父が日本人の場合は子どもも日本国籍になりましたが、ロサリナさんは太平洋戦争の混乱期に両親の婚姻記録や父子関係を証明する書類が消失するなどして、無国籍状態となりました。
ロサリナさんは日本国籍の回復を求め支援団体に調査を依頼。
支援団体によりますと、ロサリナさんが覚えていた父の名前「カンバ・リタ」をもとに戦前の資料を調べたところ、鳥取県出身の「神庭利太」という人物のパスポートの発給記録が見つかりました。
また、戦後にフィリピンから日本に強制送還されていたこともわかりました。
テレビ朝日ではフィリピン残留2世の無国籍問題を4年にわたり継続取材し、ロサリナさんにも2024年、インタビュー取材を行いました。
そして、ロサリナさんの父に関する身元調査を進めたところ去年7月、鳥取県伯耆町で「神庭利太」さんの親族が見つかりました。
利太さんがフィリピンに渡航していた事実を確認し、生前の写真も入手、ドキュメンタリー番組で伝えました。
ロサリナさんは2024年、日本国籍の回復を家庭裁判所に申し立てましたが、両親の婚姻関係の証拠が不十分だとして却下されています。
今後、身元調査で新たに見つかった証拠や証言などを追加し、再び申し立てを行う予定です。
フィリピンには、ロサリナさんと同様に日本国籍の回復を希望する残留2世が約50人残されています。
その平均年齢は84歳を超え、去年も国籍回復が間に合わず、2人が亡くなっています。


