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2026年1月29日 21:35

ブランド品買い取り店長を殺害 32歳の女が強盗殺人を否認 無罪の元ホストが心中語る

ブランド品買い取り店長を殺害 32歳の女が強盗殺人を否認 無罪の元ホストが心中語る
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 男性を殺害し、貴金属など7000万円以上を奪った罪に問われている女の初公判。奪った金を使用していたというホストクラブの男性に、私たちは話を聞くことができました。

強盗殺人を否定

無罪が確定した元ホストクラブ従業員
小山直己さん

「すごい子に出会っちゃったな。俺の立場から被害者の遺族の人に何か言うことはできないと思う。ちゃんと正当に判断されたらと思う」

 検察側が明らかにしたのは、強盗殺人の罪に問われた被告が母親に送った「阿部さんを殺害して奪うしかない」「犯罪者の家族になる」というメッセージでした。

 2023年11月、名古屋市のマンションのクローゼットから、ブランド品買取店の店長・阿部光一さん(当時42歳)の遺体が見つかった事件。

部屋のドアには外側から粘着テープで目張り
部屋のドアには外側から粘着テープで目張り

 阿部さんの遺体は毛布にくるまれた状態でクローゼットに隠され、手首にはロープ、部屋のドアには外側から粘着テープで目張りがされていました。

 この事件で逮捕・起訴されたのが、阿部さんの店で働いていた内田明日香被告(32)です。

 内田被告は阿部さんを殺害したうえ、ブランド品買取店から現金やおよそ7400万円相当の貴金属を奪ったとして起訴されています。

 また、亡くなった後もSNSで阿部さんになりすまし、「近々実家に帰る」などといったメッセージを親族に送り、阿部さんの生存を偽装するような行動をしていたと指摘されています。

注目の初公判
注目の初公判

 動機は何だったのか。注目を集めた初公判、内田被告はグレーのパーカーに白いマスクで出廷しました。

内田被告
「強盗殺人に関しては、全面否定でお願いします」

 内田被告は、死体遺棄の罪は認めたものの、強盗殺人の罪について否認しました。

 検察側は冒頭陳述で…。

検察側
「内田被告は、ホストをナンバー1にしたいと考えていた」
約4400万円をホストクラブで遊ぶ費用にあてた
約4400万円をホストクラブで遊ぶ費用にあてた

 ホスト通いをしていたという内田被告。検察側は事件当日、内田被告が阿部さんの首を絞めて殺害した後、ホストに「金を用意する」とメッセージを送り、奪った指輪を換金したと指摘しました。

 また内田被告は、阿部さんから奪った貴金属1381点を換金し、そのうち1000万円ほどをブランド品の購入にあてたほか、約4400万円をホストクラブで遊ぶ費用にあてたといいます。

 一方、弁護側は…。

弁護側
「内田被告と阿部さんの間には過去にもトラブルがあったが、関係は続いていた」

 また、貴金属の半分と現金は生前に阿部さんからもらっていたもので、強盗は成立しないとしました。

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共犯疑われた元ホスト心中語る

裁判で無罪となった
裁判で無罪となった
無罪が確定した元ホストクラブ従業員 
小山直己さん

「通報のタイミングで、そういう目で見られるのは分かっていたが、さすがに逮捕されるまでは想定していなかった」

 こう話すのは、元ホストの小山直己さんです。この事件で、死体遺棄の共犯として逮捕・起訴されましたが、裁判で無罪となっています。

 小山さんにとって、内田被告はいわゆる「太客」でした。

小山さん
「お金持っている子、箱入り娘みたいな。典型的なそういう感じ。実際こんな子おるんやみたいな。これだけお金があっても、常に不安そうな印象」
 時系列
時系列

 そして事件が起きたのは出会ってからわずか3カ月後のこと。2023年9月29日です。

 論告によると、内田被告は事件翌日に小山さんに「阿部さんが死亡したかもしれない」と伝え、その翌日から2人は旅行していたとされています。

 小山さんは内田被告とともに、事件があった部屋へ。そして…。

小山さん
「警察に話したほうが絶対いいし、部屋に行ったことがあるなら余計にそう。警察ならちゃんと調べてくれるよと。内田被告は『やっていない』という話だった。今話さずに逃げたら怪しくなるという話をずっとしていた。心が決まっていない、心の準備ができていないからまだと1日ぐらい延ばされて。でも、らちがあかない。内田被告に内緒ですと、1人になって電話をかけて上司と相談。内田被告のいる場所を警察に伝えて、自分たちは警察署に行って」

 上司と相談して通報したという小山さん。その後、内田被告が逮捕され、小山さんは週に3回ほど警察の捜査に協力していたといいます。

 しかし、警察の態度が一変。

小山さん
「急に警察が7〜8人入ってきて、令状を見せられて読み上げられて。『内田明日香と共犯で』(逮捕)みたいな。パニック、もちろん、意味が分からない。『何の冗談ですか』って言って。証拠があるんですかと」

 内田被告が阿部さんの遺体をクローゼットに隠すのを手伝った死体遺棄の疑いで逮捕されました。その際、警察官から言われた一言が…。

小山さん
「『おれは刑事の勘で分かる』と。『長年の刑事の勘で分かる』と言われた」

 警察から、“ある証拠”を突き付けられます。

小山さん
「1回しか(事件があった部屋に)行っていないと言ったが、(警察は)『防犯カメラのデータに2回行った記録がある』と」

 しかし…。

小山さん
「見たところ、全然自分じゃない」
「元データは体形から服装から、誰が見ても分かるような違い」

 小山さんは警察から突き付けられたデータを見て、違和感を感じていました。無罪の小山さんが、なぜ逮捕されることになったのでしょうか。

 さらに証拠の一つとされたのは、内田被告の供述。

内田被告の供述(判決から)
「一緒に行くと言ってくれた。遺体が重くて動かせないと相談したところ、少し考えた様子で手伝うことを了承した」

 小山さんは、捜査への不信感を口にします。

小山さん
「なぜ起訴されたかはずっと謎だったので、(弁護士の)先生といっぱい話しあったが、『よっぽど内田被告が自分(小山さん)のことを言ったんやろうね』みたいな。ホストは当時、世間的にもイメージがすごい悪くて、『ホスト=悪』というのがあったと思う。やっていないなら証拠は出ないので、変に言わずに『証拠だけで判断してもらうのが一番ベストかな』と言われ、しっくりきた。やってないことだけは事実。それは絶対だった」
裁判では一貫して無罪を主張
裁判では一貫して無罪を主張

 小山さんはマンションに行ったことは認めましたが、死体遺棄には関わっていないと裁判では一貫して無罪を主張しました。

小山さん
「無罪確定までの間は、心がめっちゃ揺らいでいたが、自分が自分を信じなかったら、誰が信じるの」

 判決で小山さんに下されたのは「無罪」。

 名古屋地裁は、内田被告の供述が変遷していると指摘しました。

内田被告の供述が変遷していると指摘
内田被告の供述が変遷していると指摘
名古屋地裁(判決から)
「捜査段階の当初は、『知らない男と一緒にやった』と述べたり、『自分一人でやった』などと述べるなど変遷を繰り返している」

 また内田被告の供述についても指摘

名古屋地裁(判決から)
「自分が逮捕されてつらいのに小山さんだけ外で“のうのう”としていることに納得がいかない気持ちがあった。小山さんが警察にリークしていると思ったなどと述べていて、小山さんを無実の罪に引っ張り込んだ可能性がないとは言えない」
小山さん
「20日勾留だったが、約20日本当に一睡もできなくて。20日以上かな、本当に寝られていなかった。まず感謝の気持ちが大きかった。支えてくれた親。親も週1で来てくれていた」

 そして29日、内田被告の初公判を迎えます。

小山さん
「すごい子に出会っちゃったな。俺の立場から被害者の遺族の人に何か言うことはできないと思う。ちゃんと正当に判断されたらと思う」

(2026年1月29日放送分より)

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