社会

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2026年1月30日 16:00

日本の家なぜ寒い?低体温症の死者 年1000人超 8割が室内 上下の温度差に注意

日本の家なぜ寒い?低体温症の死者 年1000人超 8割が室内 上下の温度差に注意
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寒波が再びやって来て、厳しい寒さとなっています。

この寒さで気をつけたいのが、国内で毎年1000人を超える人が亡くなる低体温症です。

日本の冬の家の寒さのリスクについて見て行きます。

■低体温症 発症の8割が室内 多くは高齢者 加齢でリスク高

今シーズン、低体温症で搬送されたケースです。

90代女性です。
毎日夜間、トイレに行きますが、ある朝方、同居する息子が、トイレの前で倒れているのを見つけました。

女性は救急搬送されましたが、体温は20℃台で、意識がもうろうとしていて、低体温症と診断されました。
その後、約1週間入院しました。

低体温症で搬送された、2つ目のケースです

80代男性です。
毎晩、食後に台所で一人晩酌をしていましたが、ある朝方、家族が床で倒れているのを見つけました。

男性が倒れた原因は、部屋の暖房がついていなかったため、低体温症になったことでした。
その後、約1週間入院しました。

低体温症というのは、臓器などの深部体温が35℃以下になることです。

低体温症になりやすい状況です。

イギリス保健省によると、
暖房の行き届いていない住宅は、大きな危険があります。古くて断熱性の低い住宅は、寒さに対する防御力が大幅に低下します。
室内温度5℃は低体温症のリスクが高まります

屋外だけでなく、屋内でも注意が必要です。

低体温症の程度です。

深部体温35〜32℃は軽度で、体が震える、呼吸数が増加する、心拍数が増加するなどの症状が出ます。

深部体温32〜28℃は中等度で、震えはなし、呼吸数の低下、心拍数の低下などの症状が出ます。

深部体温28℃以下は重度で、筋硬直、呼吸停止や心停止することもあります。

低体温症・熱中症による死者数です。

オレンジが熱中症、青が低体温症による死者数ですが、年によっては、低体温症死者数の方が多いこともあります。

過去10年の合計では、低体温症の死者数が熱中症よりも多くなっています。

低体温症の発生場所は、屋内が79.7%、屋外が20.3%で、圧倒的に屋内が多いです。

低体温症の搬送者の年齢は、65歳以上の高齢者が85.3で、高齢者の方は特に注意が必要です。

なぜ、高齢者が多いのでしょうか?

住環境と健康の関係が専門の、東京科学大学の海塩渉助教によると、
「高齢者は加齢によって、
1、基礎代謝が低下し、熱を生み出しにくい
2、温冷感が鈍くなり、寒さに気がつきにくい
からだということです。
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■日本の家なぜ寒い?約8割が断熱性能満たさず

日本の家は寒いです。
WHO・世界保健機関が推奨する冬の部屋の温度は、健康を保護するための安全かつバランスの取れた室内温度として、18℃以上を推奨しています。

室内を暖めることで、心疾患などのリスク低下につながる可能性もあります。

2190世帯を対象に行われた調査によると、日本の冬の室内の平均室温はリビングが16. 8℃と、WHOが推奨する18℃には、約6割の世帯が達していません

また、寝室は平均12. 8℃、脱衣所は平均13℃となっていて、こちらは約9割以上の世帯で18℃を下回っています

日本の家の断熱等級というものが、7段階あります。

数字が大きいほど断熱性能が高くなっています。

冬の時期の東京の場合、
等級4で概ね8℃を下回らない、
等級5で概ね10℃を下回らない、
等級6で概ね13℃を下回らない、
等級7で概ね15℃を下回らないということです。

日本の家は、既存住宅の約8割が等級3以下で、断熱性能を満たしていません。

日本の家は寒いです。

そこで、政府は、建築物省エネ法を改正し、2025年4月以降に新築されるすべての住宅において、断熱等級4以上とすることを義務化しました。

日本の家の断熱性能は、世界におくれを取っています。

こちらのグラフの上の方、数字の少ない方が断熱性能が高くなります。
日本の家の断熱性能は0. 87です。
イタリア、アメリカのカリフォルニア州、スペイン、韓国よりも、日本の家の断熱性能は低いです。

東京科学大学の海塩助教です。
「日本は地震大国であるため、地震対策に力を入れ、断熱は後回しになってしまったのでは」ということです。
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■暖房つけても寒い『コールドドラフト現象』 対策は窓の断熱

暖房をつけているのに、部屋が「寒い」と感じたことは ありませんか?

実は、リビングの中でも温度差があります。

築35年以上の家で、暖房24℃に設定した部屋を見てみると、天井付近では22. 0℃、床周辺は14. 7℃と、同じ部屋でも上下で7. 3℃も差がありました。

なぜ部屋の中で、温度差があるのでしょうか?

東京科学大学の海塩助教によると、
「住宅の断熱性能が低く、床面が冷えやすいことに加え、コールドドラフト現象が原因ではないか」といいます。

コールドドラフト現象とは、室内の暖かい空気が冷えた窓ガラスに触れて冷やされ、冷気となって床面を伝い、足元へ流れ込むことです。

コールドドラフト現象が続くと、床が冷えるため、体も冷えます。
すると、血管が縮み、血圧も上昇して、血圧の急変動や、最悪の場合、脳梗塞を発症するリスクもあります。

コールドドラフト現象が起こりやすい家の特徴です。

1つ目は、窓の断熱性が低い家です。
屋外が寒いと窓の表面が冷たくなり、窓の表面で空気が冷やされ、床面に流れ込んでしまいます

2つ目は、吹き抜けやリビング階段がある家です。
部屋に開放感は出ますが、冷たい空気が1階にたまりやすくなります

コールドドラフト現象対策を海塩助教に聞きました。

対策1つ目は、暖房器具を窓の近くに置くことです。
窓の下で暖かい空気を発生させることで、窓の表面温度が上昇して、部屋全体がより暖かく快適になります

対策2つ目は、サーキュレーターや扇風機などを回すことです。
部屋上部にたまった暖かい空気を攪拌させることで、上下の温度差がなくなります

対策3つ目は、窓に気泡緩衝シートを貼ることや、厚手で床まで届く丈の長いカーテンに変えることです。
窓によって空気が冷やされるのを防ぎ、窓付近の下降気流を抑制できます

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年1月30日放送分より)

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