社会

2026年1月30日 21:19

【衆院選】「意見が極端化」するSNS 情報収集その前に 専門家が向き合い方を解説

【衆院選】「意見が極端化」するSNS 情報収集その前に 専門家が向き合い方を解説
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選挙の情報源として、多くの人が活用することになった「SNS」。一方で、情報が偏りやすく、向き合い方には注意が必要です。投票を前に注意すべきことを、国際大学の山口真一准教授に聞きました。
(テレビ朝日社会部 小林香梨)

偏りやすい情報 反対意見知る機会失う

SNSやネット上の情報と向き合う上で知っておくべき特性はどんなものがあるのでしょうか。

山口真一准教授
「ネットの特性として非常に情報が偏りやすいということがあります。どういうことかと言いますと、『フィルターバブル』という現象があります」

「フィルターバブル」とは、SNSや検索エンジンが、ユーザーの過去の行動履歴を分析し、その人が見たい情報を優先的に表示する仕組みのことです。

山口真一准教授
「SNSのタイムラインの上の方とか、私たちが見たいであろうものがいっぱい出てくるようになっているわけですね。その結果としてすごく偏った一部のコンテンツに触れ続けるというようなことが起こります。
『エコーチェンバー』も似たような現象で、人は自分の考えに近い人が好きなんです。その結果として、誰かをフォローする、コミュニティに参加するという過程で、自分と近い人ばかりとつながってしまうというようなことが起こる。ネット上には色んな人がいるし、色んな意見があるのは事実です。しかし私たちがその中で見ているのは切り取られた自分好みの一部の世界に過ぎないということなんですね」
エコーチェンバーとは

「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」は、選挙時に有権者にどんな影響を与える可能性があるのでしょうか。

山口真一准教授
「視野が狭くなってしまう、そして意見が極端化するということがあります。色んな人の投稿を見ているつもりでも、実は自分好みのものばかりである。反対の意見に出会うことがすごく少なくなってしまうわけです。でも、この反対の意見を知るということは、実は政策とか投票先とかを考える、極めて重要なことですので、その機会を失ってしまうということが言えます。自分と同じような意見の人ばかりと議論したり、そういう情報収集ばかりすることによって意見が極端化してしまう」

自信たっぷりな人ほど騙されやすい傾向

山口准教授は、自分の好む意見が目につきやすかったり、思い込みやすかったりする人ほど、フェイク情報を信じてしまい、拡散する傾向にあると話します。

山口真一准教授
「意見が極端化すると何が起こるかというと、『人は自分の信じたい情報を信じる傾向』があります。その状態だと、応援しているAという政党に有利なフェイク情報、あるいはその他の政党に不利なフェイク情報というのには飛びついて、すぐ信じて拡散しがちになるのが人間なんですね。『自分は批判的思考態度が取れていて大丈夫なんだ』というふうに、自信たっぷりな人ほどフェイク情報に騙されやすいという傾向が見えてきています」

偽画像や動画 AIの発達で加速

選挙時には、なぜ多くの偽情報やフェイク動画が出回るのでしょうか。

選挙中のフェイク
山口真一准教授
「フェイク情報とか偽の画像・動画というものが作られる理由は主に3つあります。
1つ目が政治的動機。誰かを勝たせたい、あるいは負かしたい。あるいは世論操作するとかですね。
2つ目が経済的な動機です。目立って閲覧数をいっぱい稼いで、お金を、広告収入を得る。日本全国が注目する国政選挙では、みんなが情報やコンテンツを見てくれる。その中に目立つ情報、フェイクでもいいから、とにかく出してやろうというもの。
3つ目は動機がいたずらとか、あるいは『いいね稼ぎ』とか、承認欲求的な話。これが生成AIの発達によって、気軽に見せる動画とか偽画像を作れるようになって加速しています」

AIの急速な進歩は、偽の画像や動画にも大きな影響を与えているといいます。

山口真一准教授
「去年の参院選の時期は、AIによって画像は結構作れたんですけど、動画を作るというのがそこまで簡単ではなかった。クオリティも今より低かったんですね。まだそんなに経ってないですけど、この間にものすごく技術が向上していて、誰でも簡単にパッと見では見分けがつかない」
山口准教授

多くの情報が出回るSNS。選挙ではどういう付き合い方をすればいいでしょうか。

山口真一准教授
「キラリと光るような素晴らしい情報もあれば、ものすごいフェイク情報もあるわけです。嘘もいくらでも作れるしAIに限らず過去の映像の切り抜き画像で持ってくるなど、いろんなことでいろんなフェイクが作れてしまう。だからこそ一呼吸を置く、一度立ち止まって情報源、一次情報を見る。そういったことをするのが大事かなと思います」

山口准教授は、投票することでどんなことが起こるか、冷静な目を持ち、自分で政党や候補者の情報を取りに行くことが重要だと指摘します。

山口真一准教授
「SNS上では、対立構図とか怒りの感情とか、そういうセンセーションで目立つところばかりが拡散されるという傾向があります。
短くて強い言葉は拡散されやすい。人はついそういうのに惹かれがちです。しかしながら、それに惹かれて投票したところで、その結果いい政策が返ってくるかというと、必ずしもそうではない。やっぱり自分たちに返ってくる政策は何なのか。この人に投票することで何が起こるのか。こういったところに冷静に目を向けることが大切です。SNSというのは、少し冷静というところと相性が悪いんですね。
政策のことを考えるために、ボートマッチング(政策マッチング)を使ったりとか、あるいは各政党とか候補者のウェブサイトを見に行って、何をこの人は重視しているのだろうという所を見に行く。そういったことで工夫してほしいなというふうに思います」
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