皆さんが過去に注目した出来事、大ニュースになっていたこと、今はどうなったのか、意外と知らないこと多いのではないでしょうか。私たちは忘れっぽいですからね、そもそもそんなニュースがあったことすら忘れてしまったりもします。今回はそのあたりを解説してまいります。
ワーキング・ホリデー
ちょっと前、新型コロナが収まってきた頃にオーストラリアなど海外では時給が日本より高いからたくさん稼げる!とたくさんの若い日本人がいわば出稼ぎのような形で海外に働きに行っているというニュース、ありましたよね。実際、当時仕事をやめて海外に渡った若者がたくさんいました。その後ワーキングホリデーブームはどうなったのでしょうか。
そもそもワーキング・ホリデーとはその国で旅行など休暇を過ごすためのお金を稼ぐため、就労が可能となる制度。年齢制限や原則1年など決まりはありますが、たくさんの日本人が参加しています。
以前は語学習得のため、などという人が多かったのですが最近では海外の時給の高さから、出稼ぎのような形で渡航する人が増えている、とニュースにもなりました。
では最近のワーキング・ホリデー事情はどうなっているんでしょうか。実は今も過去最高を記録するほど人気なんです。現在ワーキング・ホリデーとして渡航可能な国や地域は31にものぼり、過去最高です。
今人気の行き先をランキングで見てみましょう。
昔と変わらず今も1番人気はオーストラリアです。次いでカナダ、ニュージーランド、と続いています。やっぱり英語圏は人気がありますね。オーストラリアは世界でもトップクラスの高時給国で、現在ワーキング・ホリデーの最低賃金は3000円を超えています。さらに日本人に対してはビザの人数制限なし、滞在期間も最大で3年可能ということで人気が高いんです。その他、カナダやイギリスもワーキング・ホリデービザの要件が拡大されてきて人気となっているんです。
ただ、最近は3年前とはだいぶ事情が変わってきているんです。以前はオーストラリアでは高時給の仕事があふれていました。飲食店や工場などですぐに仕事を見つけることができました。でも今は世界中からたくさんの若者が高時給のオーストラリアに殺到しています。となると当然採用の基準が上がります。すると英語があまり自由に使えない日本人はなかなか採用されない、となってしまいます。なので現地に行ってみたものの仕事がない、そんな人たちがたくさんいるんです。
そこで今はまずはフィリピンなど費用の安い国で英語をまず勉強し、その後オーストラリアで高時給の仕事、と2か国に行くことが流行っているのだそうです。
「公社」民営化
皆さんは昔3公社というものがあったこと、ご存じでしょうか。電電公社、専売公社そして国鉄です。昔は電話は電電公社だけ、たばこや塩は専売公社が扱っていました。
それが1985年には電電公社がNTTに、専売公社はJTになりました。
1987年には国鉄もJRへと形を変えたんです。民営化した主な理由はコスト削減による経営の効率化や民間企業との競争によるサービス向上のため。特に国鉄は大きな赤字を抱えていたためその解消が大きな目的でした。では民営化当時、国鉄はいくらの赤字を抱えていたのか、皆さんはご存じですか?
その金額はなんと37兆円。そして1987年の民営化から30年以上がたった2023年の段階でもなんと15兆円もの赤字が残っています。この赤字は今もJR各社などが返していますが、それ以外に皆さんが収めるある税金が返済に使われています。人によって払っている人と払っていない人がいる税金ですが、わかりますか?正解はたばこ特別税です。
たばこにはたくさんの税金がかけられていますが、そのうちたばこ特別税は国鉄の借金返済を目的として作られたものです。なぜたばこ?と思うかもしれませんが、たばこというのは税金をかけやすいんですね。愛煙家からしたらたまったものではないかもしれませんが、「イヤなら吸わなければいいじゃない」ということのようです。
成田闘争
1966年から成田空港周辺で続く成田闘争、昔よくニュースになっていました。空港周辺の住民と機動隊、そこに活動家も加わって、火炎瓶を投げるような映像をたびたび目にした方も多いかと思います。
この成田闘争のそもそもの発端となったのは、成田空港の建設です。
1960年代、日本から海外への渡航者が増え、国内線とともに国際線の就航が急増、羽田空港がパンク状態となってしまったのです。そこで1966年に新国際空港の建設を千葉県の三里塚に決定、住民の合意も得ないまま計画を進めたために大きな抵抗運動が起きたのです。
それでも1978年には成田空港は開港します。そして国内線は羽田空港、国際線は成田空港、という「内際分離」という形がとられたのです。2015年3月まで成田空港には見送りや迎えに行くだけでも身分証明書を提示し、荷物検査を受けることが必要でした。これはこうした激しい反対運動があったからなんです。
でも今では成田空港を巡る激しい反対運動のニュースを見ることはほぼなくなりましたよね。前ほどニュースにはならなくなりましたが、まだ反対運動は続いているんです。実際成田空港のターミナルから滑走路に出るとき、やたら遠回りをするな、と思った方もいるのではないでしょうか。まだ反対派の土地があるために、そこをよけてぐるっとまわって滑走路まで行っているんですね。当時に比べて反対派の方の数は減ってきているといわれています。でも去年、空港内の農地を明け渡せ、との地裁判決がでたんですが、住民は控訴、まだまだこの問題の終わりは見えていません。
もともと国際線用の空港として作られた成田空港でしたが、今は東京から海外に行く場合、羽田空港を使う人も多いですよね。2010年、羽田空港に新滑走路が完成したのをきっかけに、羽田空港にも国際線をたくさん飛ばそう、そう方針が変わったんです。ほかの国には「ハブ空港」という国際線・国内線両方の乗り換えに便利な空港があるのに日本にはない、羽田を世界に通用する空港にしよう、というわけです。
海外の人にしてみれば、成田空港に降りたのに、羽田空港まで移動して国内線に乗る、というのはあまりにも不便です。同じ空港で乗り換えができるようにしていこう、としたわけですね。もともと大きなニュースになっていた成田闘争が、なかなかニュースにならなくなった背景にはこういった変化も関係しているのかもしれません。
(1月31日放送「池上彰のニュースそうだったのか!!」より)
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