社会

ABEMA TIMES

2026年1月31日 16:30

元交際相手からストーカー被害「別れを切り出したら、途切れなくメッセージが…」「付き合ってた人と警察沙汰ことにハードル」

元交際相手からストーカー被害「別れを切り出したら、途切れなくメッセージが…」「付き合ってた人と警察沙汰ことにハードル」
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 大みそかの夜に、水戸市のアパートでネイリストの女性(31)が刃物で刺されるなどで殺害された事件で、警察は28歳の会社員の男を殺人容疑で逮捕した。男は被害女性の元交際相手だった。

【映像】元交際相手の容疑者が車に乗っている様子(実際の映像)

 2人を知る飲食店スタッフは、「2024年だと思う。付き合ってすぐに『初めてできた彼女だ』と自慢しに来た」と語る。しかし女性はその年のうちに交際を解消。容疑者は連絡を続けていたが、女性は去年夏ごろにSNSをブロックし、別の男性と結婚した。

 そんな被害者周辺では、異変が起きていた。被害女性の知人は「女性の夫の知人から『女性がストーカーに悩まされている』と聞いたことがある。去年の年末ぐらい」と振り返る。警察によると、被害者の男が去年10月ごろから、被害女性の居場所を知人らに聞き回っていたという。

 さらに事件数日前には、被害女性の実家にぬいぐるみが置き配のように届けられた。その後、被害女性のアパートで保管されていたが、その中に位置情報がわかる発信器が仕込まれていたことが判明した。ぬいぐるみの送り主は不明だが、警察は容疑者本人が実家に置いた可能性があると見て捜査している。

 そして女性は事件の4日前、警察に「元カレからのストーカーみたいなものを相談しに行くとしたら、どの課に行けばいいか」と電話で相談していた。その「元カレ」が容疑者の男を指していたかは不明だが、この時、女性は名前を名乗らず、警察は切迫した様子もなかったとしている。今回の事件について、逮捕された男は容疑を否認している。

 警察庁によると、ストーカー事案の約4割が、交際相手か元交際相手によるものだ。交際相手がストーカー化した場合は、どうすればいいのか。『ABEMA Prime』では当事者や専門家とともに考えた。

■元交際相手からのストーカー被害にあった当事者

内澤旬子

 文筆家の内澤旬子さんは、過去に元交際相手からのストーカー被害にあった経験がある。「警察への相談は、相手が『警察に素行についてタレコミをする』と言ってきたため行った。実際の被害だけでは、相談に行かなかっただろう」。

 警察には「相手が警察に言うかもしれないため、その前に相談に来た」と伝えたが、「相手の名前と住所を聞かれたが、『その住所に、そんな名前の人はいない』と言われ、そこで初めて偽名を使っていたと判り、怖くなった」と振り返る。

 ストーカー行為に至った経緯は、「お見合いサイトで知り合い、半年ほど交際したが、『無理だ』と思って別れを切り出した。すると、寝ている時以外、途切れなくメッセージが来るようになった。『やり直したい』『会いたい』と、私の言い分を聞いてくれない状態が続き、ストーカーに近い状態になったため、『警察に相談する』と言うと逆上した。『お前の素行を警察に言い付ける』『友達を週刊誌に売る』などと脅迫的な文言が増え、それで警察に相談した」と語る。

 相手が脅してきた内容については、「私は猟銃の所持許可を取って、散弾銃を持っている。許可にあたっては身元調査をされるが、それを相手が逆手に取り、警察に『猟銃所持の資格がない』とたれこむと言ってきた。許可を取り消されるのは嫌だったため、先に警察に相談したが、それがなければ、付き合っていた人と警察沙汰になるのはハードルが高く、相談しなかっただろう」と話す。

■「いかにそのハードルを越えるかが大事」「SNSの問題は結構深刻」

川畑直人教授

 警察と連携してストーカー加害者へのカウンセリングも行っている、公認心理師で京都文教大学の川畑直人教授は、「内澤さんの気持ちは、多くの人が感じるところだろう。『簡単に警察に売っていいのか』と思うのが自然で、危機を感じた時に、いかにそのハードルを越えるかが大事だ」と指摘する。

 現代社会の弊害として、「SNSの問題は結構深刻だ。出会う時はすぐにつながり、切る時は着信拒否でバッサリ切る。利便性はあるが、利便性があるゆえに、加害者の方は『拒絶された』と強く感じる副作用がある」と警鐘を鳴らす。

 しかし、「ストーカー行為と、それに類似する行為の範囲は非常に広い。大学生が恋愛でこじれて、メールを送る関係でも、警察が介入すれば“ストーカー事件”になる。裾野が広いため、どこまで警察が介入すべきかは難しい」と考えている。

 モデルでタレントの西山茉希は、「入口を探せばキリがないが、ストーカー行為は、殺害のように突然変異してしまう。『まだだ』と言っているうちに、取り返しが付かないことになる。段階がわからないため、『見極めて』ではないが、何人かで視野に入れるのが大事だ」との考えを示した。

(『ABEMA Prime』より)

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