埼玉県八潮市の道路陥没事故から1年。原因とされる「下水道管の老朽化」は、いまや全国的な問題です。事故を受けて始まった全国調査からみえてきた課題とは…(サタデーステーション1月31日OA)
本格復旧まで“5〜7年”周辺では影響続く
31日、陥没事故が起きた埼玉県八潮市に向かうと…
「この先、通行規制していますね、あちらの一般車両も左に曲がっていきます」
事故から1年が過ぎた今も現場付近では通行止めや下水道管から発生する異臭が続いていました。去年1月、下水道管の老朽化により道路が陥没。トラックが転落し、運転手の男性が死亡した事故。復旧工事は進められていますが、完了するには5年から7年かかる見通しです。現在行われているのは、通行止めを解消するための暫定道路の整備です。4車線ある県道のうち、片側2車線に仮の桟橋をつくり、4月中には車が通れるよう工事が進められています。
「暫定的なものでもいいから交互通行になってくれるってことは、とてもありがたい」
新築戸建&新車なのに…住民・事業者への補償は?
長期化する復旧工事。周辺住民にも影響が続いています。
「悲しいですよ。切ないし…」
私たちが出会ったのは、現場からおよそ120メートルの場所に一軒家を購入した女性。まず、悩んでいたのは「異臭」
「日当たりも良いから洗濯物も外に干せるねって言って家を買ったので、もう本当に残念な気持ち」
実は、陥没事故の1週間前に引っ越してきたばかり。新車も購入しました。わずか1年でこんな悩みも…
「車のメッキ部分の錆びと、宅配BOXのカギの部分、自転車のベルのところがすごい錆びていますね」
下水道管から発生する硫化水素による影響か、至るところで「錆び」が確認されました。さらに…
「顔面痛にような、まぶたの上が痛くなったりします。本当にこの先ずっとここに住んでいいのかって、やるせない気持ちですね」
陥没現場が目の前の「家具工場」でも…
「地面を見て分かるように、これだけ段差がついてしまったり、ここは平らな状態であったんですけど」
建物のひび割れや車の錆びなど影響が出ていました。県は、交通規制区域内、または陥没事故現場から半径200メートルの人を対象に金銭的な補償を行い、金属のサビなどの事故後に起きた損害についても補償するとしています。また、事業者には損失した売上なども補償されます。こちらの工場では営業補償や家屋補償などを申請しましたが、まだ受け取れていないといいます。
「(工事で)駐車場が使えないので、空いているところをお借りしている状況、家屋補償については、工事が終わってみないと、どこにどういう影響が出ているのかが詳しく分からないんですね」
長期化する工事にどこまで補償されるのか不安を感じています。
“下水道危機”4万キロが耐用年数超え
八潮市の陥没事故を受けて、国土交通省は全国の自治体に下水道管の重点調査をするよう要請。対象になるのは、設置から30年以上が経過している直径2メートル以上の下水道管です。下水道管の標準的な耐用年数は50年とされ、全国のおよそ7%にあたる4万キロが耐用年数を超えています。