各地で渇水が相次ぐなか、水道水の異臭に悩まされている地域があります。渇水と異臭にはどんな関係があるのか、その原因をたどりました。
首都圏の水がめ渇水
雪深い山あいにある湖。2日、ドローンで撮影された映像です。
関東最大の総貯水量を誇る群馬県の矢木沢ダムです。大都市・東京の水道水源にもなっていて、“首都圏の水がめ”と呼ばれています。しかし今、渇水の危機に直面しています。
矢木沢ダムがあるのは、関東を流れる利根川の最上流部。標高およそ850メートルです。
ダムの貯水率が96.4%の時の映像です。ダムの最上部の辺りまで、水が満ちています。満水時の水位は850メートルの地点ですが、2日の水位はおよそ20メートル低い831メートルの地点まで下がっています。
この時期、平均の貯水率は62%です。しかし現在は36%にまで渇水しています。
矢木沢ダムの近くには、同じ利根川水系の奈良俣ダムがあります。実は、このダムも貯水率が大幅に下がっています。
3日、番組の取材班は、群馬県みなかみ町へ。ダムは雪深い場所にあり、冬は閉鎖されています。
利根川上流総合管理所
佐藤隆徳副所長
「ダムが見えています」
管理所の職員が週に1度ダムに向かい、水位の状況などを確認しています。
関越自動車道の水上インターチェンジから、車でおよそ1時間。今回、職員の現地調査に同行させてもらいました。
ダムの管理所から、湖の水位を確認できます。
奈良俣ダムの水位は、この時期としては過去4番目に低い値になっていました。
「ダムが満水に近い時の写真」
満水時の水位は888メートルの地点で、水面から出ているダムの堤はわずかです。
ところが3日は、水位が859メートルで、およそ30メートルも低くなっています。この時期、平均の貯水率は61%ですが、3日は47%。なぜ、ダムが渇水しているのでしょうか?
「この時期は関東地方は雨が少ないことから川の水が少なくなります。水道用水の取水ができなくなるので、ダムから下流の河川に向けて補給を行っていることによって、ダムの貯水が最近はちょっとずつ低くなっている」
渇水の原因は、利根川の下流域で雨が極端に少ないことにあるといいます。
水道水を確保するため、日々ダムから河川に放水を続けているため、水位が減っていたのです。
職員はドローンを使い、上空からの映像も記録しています。ダムの貯水量は今後回復するのでしょうか?カギを握るのは、“雪解け水”だといいます。
「例年だと3月中旬から山の雪が溶け、川の水量が増えてくる。川の水が増えるとダムは貯留に入り、満水に向けダムをためる操作となる。満水になることを願っている」
原因は川?「魚の焦げた臭い」
関東の別の地域では、渇水の影響で“ある異変”が…。
生活に欠かせない水道水。見た目は普通ですが、問題は「におい」です。
「うがいをする時に鼻に近づけるとくさい。生臭い、カビっぽいにおい」
数週間前から、水道水がくさいことに気付いたといいます。
「子どもが『湯船のお湯が、魚が焦げたようなにおいがする』と」
茨城県水戸市の住人は、自宅の洗面所や風呂場で水道水を出すたびに異臭を感じていました。
「子どもに影響が出ないか心配。においが気になるので、早く取り除いてほしい」
原因は川だった?現場を取材
水道水に何が起きているでしょうか。水戸市役所を取材すると、水道水についての問い合わせがおよそ40件あるといいます。
水道水の異臭は那珂川流域の水戸市や、ひたちなか市で起きています。
においが発生している原因について、水戸市は「水戸市の水道水源である那珂川流域では降水量が非常に少ないことから、河川流量が減少した状態が続いています」とし、原因は雨不足で川の水が減ったことにあるといいます。
水戸市では、1月に雨が1ミリも降っていません。これは、84年ぶりの異常事態です。
川の水位低下 なぜ水道水くさくなる?
水道水に詳しい専門家は…。
「普段、雨が降っている時には川の流れのスピードは一定。雨が降らなくなってしまうと川の水位が低下して流れが遅くなる。川に水が溜まってしまう場所ができたり、水の流れが入れ替わらない場所ができてしまって、そういった場所で藻が発生する。この藻がカビ臭の原因物質を作る」
水道水の安全性について水戸市は、「毒性はなく健康に影響はない」としており、水道水は飲むことができるといいます。
(2026年2月3日放送分より)








