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グッド!モーニング

2026年2月28日 17:00

鎌倉大仏に隠された“知られざる秘密”とは 国宝の謎と祈りのかたち

鎌倉大仏に隠された“知られざる秘密”とは 国宝の謎と祈りのかたち
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 鎌倉といえば鎌倉大仏です。ということで、高徳院にやってきました。見たことがある人も多いと思いますが、知られざる秘密をお伝えしていきます。

 教えてくれるのは、去年8月に東京・目黒区にある目黒不動尊の解説をしてくれた、仏教・仏像に詳しいMr.tsubakingさんです。

鎌倉大仏と“国宝ミステリー”のはじまり

荒井理咲子アナウンサー
「大きいですね!」
Mr.tsubakingさん
「とにかく、まずはサイズですよね。それから後ろの木々とのコントラストがやっぱりすごいですね」
荒井アナ
「きょうは天気良いから本当に良く映えますね」
Mr.tsubakingさん
「雲一つない大仏日和って感じですね。後ろで鳥が飛んでいるのもいいですね」
荒井アナ
「鎌倉で外だからできる風景ですよね」

 高さ約11メートル、重さはなんと121トンもある鎌倉大仏。いつも観光客でにぎわっていますが、意
外と知らないことも多い存在です。

Mr.tsubakingさん
Mr.tsubakingさん
Mr.tsubakingさん
「鎌倉大仏っていうのは、あくまで通称でして、正しくは国宝銅造阿弥陀如来坐像っていうんですね」
荒井アナ
「今おっしゃっていた、国宝なんですね?」
Mr.tsubakingさん
「そうなんです、国宝なんです」
近くまで行ける国宝
近くまで行ける国宝
荒井アナ
「とっても近くまで行ける国宝というのも、なかなかないですよね」
Mr.tsubakingさん
「そうですね。貴重ですよね」

 そのうえ、数々の謎にも包まれています。大仏の謎に迫っていきましょう。

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鎌倉大仏 作者は誰?

歴史書「吾妻鏡」
歴史書「吾妻鏡」

 歴史書「吾妻鏡」には、今から770年以上前の1252年に釈迦如来像の鋳造を始めたとありますが…。

Mr.tsubakingさん
「元の形、(大仏の)原型を誰が造ったかというところも含めて、いろんなことがまだまだ分かっていない。鎌倉最大のミステリーと言えるような像なんですよね」
荒井アナ
「なんで造られることになったんですか?」
Mr.tsubakingさん
「これもはっきりと何か記されているわけではないんですが、研究者の人たちがいろいろ調べるところによると、また推測によると、まず一つが鎮護国家と言いまして」
鎮護国家とは
鎮護国家とは

 鎮護国家とは、聖武天皇が社会や民衆の不安を取り除くため、仏教の力で国を守ろうとした政策です。その一つとして、奈良の大仏でおなじみ、東大寺を始め、各地に寺院の建てるよう推進しました。さらに…。

民衆の安寧を願って造られたとも
民衆の安寧を願って造られたとも
「もう一つが、民衆の安寧を願って造られたとも考えられていて、この鎌倉の大仏ができる直前まで鎌倉幕府のトップだったのが北条泰時っていう人なんですけれども。この人が旗印にしていたのが『撫民(ぶみん)』といいまして、民衆を慈しむ心っていうので、阿弥陀如来が民衆を守ってくれるようにという思いから造られたという説がいくつか言われています」
荒井アナ
「時の政治にしても、時の人々にとっても安らかな気持ちになれるようにというような願いが込められているんでしょうか」
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「露座」の大仏誕生まで

 続いてのミステリーへ……と、その時。

野上慎平アナウンサー一家
野上慎平アナウンサー一家
荒井アナ
「あれっ!野上さん?え〜っ!」

 なんと、偶然にも野上慎平アナウンサー一家と遭遇。これもまた、ミステリーかもしれません。

 では、本題に戻りまして…この鎌倉大仏、ちょっと不思議な姿勢だと思いませんか。

前傾姿勢は…
前傾姿勢は…
Mr.tsubakingさん
「やや実は前傾しているんですね」
「こちらに傾いてきています。これは一応造形としては、参拝者と向き合うようにとも言われていたりするんです」
荒井アナ
「ほっぺたも、ふっくらしていますね」
Mr.tsubakingさん
「そうですね。横に来ると、それがはっきり分かりますね」
荒井アナ
「とてもこう温かく受け入れてくれているような表情が分かりますね」
Mr.tsubakingさん
「そうですね。これ本当に造られた当時、ほぼそのままのお姿なんですね。外にいるのにその姿っていうのはすごいですよね」

 造られた当時から変わったところもあるそうです。

「実は、元々金ピカに輝いていました。金箔(きんぱく)が張られて金色だったんですね」
金色の名残も
金色の名残も

 ほほの辺りをよく見ると、その名残も確認できます。ここまで巨大で、しかも金色。その作者が不明となると、まさにミステリーですが、さらなるミステリーが…。

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元々大仏殿があった?

Mr.tsubakingさん
「この大仏様いろんな災害の憂き目にもあっていまして。実は、今こうやって外に座ってらっしゃいますが、元々、大仏殿が囲っていて、お部屋の中にいらっしゃった仏様なんですね。それが、その台風ですとか地震によって大仏殿が倒壊してしまって」
礎石
礎石

 その痕跡が境内に点在している石です。これは礎石(そせき)といって柱の下に設置した土台、台座です。

 「太平記」には1334年と69年の大風によってお堂が損壊した様子も描かれています。

 災害のたびに建て直されましたが、「鎌倉大日記」には、1495年ごろに大地震と津波が発生。水の勢いが大仏殿のお堂を破り、溺死は200人余りを数えたとの記述が。その後、幾度となく再建計画がありましたが、実現には至りませんでした。

「それで今このような露座。表に座っていらっしゃる露座という形で祀(まつ)られている状態になったんですね」

 露座となった後、一時、荒れ果ててしまったそうですが……。

「その後、江戸時代になると東京の芝にあります、増上寺のお坊さんだった祐天上人というお坊さんが、荒廃した鎌倉大仏をもう一度きれいにして復興し直すという歴史があるんですよね」
祐天上人
祐天上人

 増上寺のトップだった祐天上人は、怨霊を成仏させ、江戸のゴーストバスターとも言われた高僧です。
以前、このコーナーで取り上げた東京目黒区の祐天寺は、祐天上人の遺命を受けた弟子が建立した寺。こちらの墓所で祐天上人は眠っています。

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造形に秘められた意味

 大仏の細かい部分に注目していきます。

瞑想で半眼微笑
瞑想で半眼微笑
荒井アナ
「目が少し開いているのが分かりますね」
Mr.tsubakingさん
「そうなんですね。瞑想(めいそう)で半眼微笑っていうのが仏様の表情とされているので、その半眼、目が少し開いているということですね。瞑想をしているので、実はどこも見ていないというような表現です。さらに、おでこに点がうってあります。あちらは白毫(びゃくごう)といいまして、これ長い1本の毛なんですね」
白毫
白毫
荒井アナ
「毛なんですね」
Mr.tsubakingさん
「そうなんです。よく見てみると渦巻いている毛だということが分かると思います。その他にも首元。首元には3つの横の線が入っていると思うんですね。これ三道(さんとう)いいまして、これも仏様の特徴ですよね」
荒井アナ
「どんな意味があるんですか?」
大きい耳たぶ
大きい耳たぶ
Mr.tsubakingさん
「それぞれ意味は超人的であるという表現をするための意味として造られているようなんですね。大きい耳たぶもそうです」
荒井アナ
「本当だ。耳たぶ垂れていますね」

 さらに、目には見えませんが…。

Mr.tsubakingさん
「口の中にある舌。これ大きさが、出すと生え際まで届いてしまう」
荒井アナ
「かなり長いですし、普通の人間ではできないところで超人的ですね」
Mr.tsubakingさん
「しかも造られないところまで規定していくっていうのが、かなり魂がこもっているなって感じますね」

 他にも、手にはこんな秘密が。

「これ私たち人間よりも、いわゆる水かきが大きく出ているように見えませんか」
荒井アナ
「確かにそうですね。親指と人差し指の間」
水かきが大きい意味
水かきが大きい意味
Mr.tsubakingさん
「これも一つの特徴で、これ水かきが大きいのは私たちを漏らさず救いたいですよというような意味が込められているんですね」
荒井アナ
「隠された所にメッセージが」
Mr.tsubakingさん
「そうなんです」
荒井アナ
「そのメッセージもまさにこの鎌倉大仏ならではというか、造られた経緯もそうですし、やっぱりみんなのためっていうところがポイントになってくるんですね」
Mr.tsubakingさん
「本当にそうですね」

(2026年2月5日放送分より)

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