社会

ABEMA TIMES

2026年2月19日 11:15

スマホを届けた男が逮捕…「当然の権利だ」報労金目当ての窃盗か その巧妙な手口

スマホを届けた男が逮捕…「当然の権利だ」報労金目当ての窃盗か その巧妙な手口
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 スマホを拾って届けた男が逮捕された。しかもこれまでに60回以上も落とし物を警察に届けてきたという。

【映像】中井容疑者(57)逮捕直後の様子(実際の映像)

 逮捕容疑となった事件は2025年10月、とある飲食店で起きた。机にスマホを置いたまま、席を外した男性客。しかし席に戻ると、置いてあったスマホがなくなっていた。その間わずか1分程度だったという。

 男性の元に数日後、幸運なことにスマホが見つかったという知らせが。警察から聞いた拾得者の男に連絡すると「すぐに報労金がほしい」と、謝礼にあたる「報労金」を要求してきたという。

 報労金は法律で定められていて、遺失物法 第二十八条では「物件の返還を受ける遺失者は(中略)報労金を拾得者に支払わなければならない」とされている。

 スマホを落とした男性は拾ってくれた男と話し合い、5000円を渡した。しかしここで「落とさないようにスマホはちゃんとカバンにしまったほうがいい」という、思いがけない一言が。

 「なぜスマホがなくなる直前のことを知っているのか?」と疑問に思った男性は、スマホを拾ってくれた男の顔に見覚えがあることに気づいたそう。それはスマホを無くした飲食店で見せてもらった防犯カメラの映像で、スマホを手にしていた人物が目の前にいる男によく似ていたという。

 スマホを盗み、報労金を騙し取ろうとした窃盗・詐欺の疑いで逮捕されたのは無職の中井三義容疑者(57)。「自分は落ちていたものを拾って交番に届けただけで、報労金を受け取るのは当然の権利だ」と供述。これまでに60回以上落とし物を届け、14人から報労金を受け取っているといい、警視庁が余罪を捜査している。

 今回の事件は盗まれたものだが、実際に落とし物をしてしまったら届けてくれた人に謝礼はいくら払うべきなのか。法律事務所三ツ星の中川みち子弁護士は「遺失物法という法律がありまして、それによると(落とした)物の5パーセントから20パーセントを払わなければならないと法律で定められているので、払う義務がある」と説明して、「遺失物法にはいろいろなことが定められている。例えば、本来の所有者が出てこなかった場合、3カ月経ったらその所有権は拾った方に移るとか、届けるのは発見してから7日以内に届けないといけない」と続けた。

 さらに中川氏によると、違法薬物のような法的に認められていないものや、免許証やクレジットカードなど本人でなければ持っていても使えないものなどは、所有権が移ることはないという。

 中川氏は「別に報奨金目当てで拾うわけではない。なくして困った方にちゃんと戻ればいいと思っている方が多いと思うので、『権利だ! 権利だ!』と報奨金を請求するのはあまり聞かない」とコメントする。

 もしも報労金の支払いを拒否したらどうなるのか。過去にはこんな裁判も。ある日池で釣りをしていた男性がカバンを拾うと、そのなかには株券が。裁判記録によれば株券の当時の時価総額は1400万円以上。男性はこの株券を届け出たが、報労金の支払いを拒否されただけでなく、「カバンを盗んだ犯人」扱いされたため提訴。大阪高裁は株券の価値は時価の70パーセント、その内10パーセントを報労金で支払うよう判決を下した。

 警視庁のデータによれば2024年中の遺失物取扱状況 携帯電話類受理点数は拾得届は14万7368点、遺失届が22万7337点。携帯を紛失しても、その6割以上見つけた人が届けてくれる親切な国、日本。最近では落とし主に自分の名前を伝えないでほしいと、匿名を希望する拾得者も多いという。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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