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2026年2月19日 19:20

元看護師の女「入所者殺人」ノートに記した“ピンクの印”

元看護師の女「入所者殺人」ノートに記した“ピンクの印”
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 2人の入居者を続けて殺害した罪に問われた「元看護師の女」の裁判。犯行を否認するなか、検察が注目したのはノートに書き込まれた「ピンク色の印」です。

手書きノートに“被害者の死因”

 殺人などの罪に問われた元看護師の女が19日、証言台に立ちました。

 事件は2020年、茨城県古河市の介護施設で起きました。死亡したのは、入所者の鈴木喜作さん(当時84)、吉田節次さん(当時76)です。

 入所者2人を殺害した罪などに問われているのが、看護師などとして施設で勤務していた赤間恵美被告(40)です。

 19日の法廷では、被害者らの死因と被告の接点を示す証拠として、あるものが示されました。

赤間被告と死因の“接点”を示す証拠
赤間被告と死因の“接点”を示す証拠

 検察側はこれまで、被告が被害者らの点滴用チューブにシリンジで空気を注入するなどし、殺害したと主張。被害者らは血管に空気が入って塞がれる「空気塞栓(そくせん)」により死亡したとしています。

 19日の裁判で検察側が提示したのは、被告の自宅で見つかった「被害者らの死因」に関わる記述でした。

 それは、被告の「実習ノートNo.2」内にありました。

被告の「実習ノートNo.2」
被告の「実習ノートNo.2」

 ノートには手書きで「輸液セットの設置法」の記述が。「空気が血管に入ると空気塞栓を起こす」と書かれた箇所は、ピンクのマーカーで囲ってあったといいます。

 「空気塞栓」は検察が主張する被害者らの死因です。

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2つの目撃証言

 検察側は被害者らが死亡した日の2つの目撃証言についても示しています。

証言(1)
証言(1)
証言(1)※検察側の冒頭陳述
「午後3時20分に、被告人が鈴木さんのいる102号室に入るのを、別の介護士が目撃した」

 鈴木さんの容体が急変したのはこのおよそ10分後だったということです。

証言(2)
証言(2)
証言(2)※検察側の冒頭陳述
「吉田さんの死亡後、以前から不審に思っていた介護士が、被告のトートバッグを確認したところ、中からシリンジが2本出てきた」

 これは吉田さんが死亡した日の証言です。また、19日に確認されたのは、鈴木さんへの犯行時間帯、他の職員がどう行動していたかということ。

検察官
「事件当日の午後3時から3時半ごろまではどこで何をしていた?」
証人 介護職員
「1階デイサービスのエリアで、送迎の声掛けやおやつの食器の片づけなどをしていた」
検察官
「鈴木さんの部屋に行っていないと言える理由は?」
証人 介護職員
「私はパートで、当時はコロナだったので2階の入所者のスペースには入れないよう仕切りがあった」

 赤間被告は、吉田さんが死亡した当日に施設を自主退職。働き始めてから2カ月あまりのことでした。

働き始めてから2カ月あまりで自主退職
働き始めてから2カ月あまりで自主退職

 また、施設で勤務していた当時、被告がメンタルクリニックで医師に話した内容が読み上げられました。

被告を診察した医師(カルテ読み上げ)
「(赤間被告から聞いた話として)初めてで、不慣れで、いろいろ注意され話を聞いてもらえない。新しい施設に異動したらと言われた。仕事はまだ2カ月だし、今やめたら社会に復帰できないと、なんとか続けたいと思ってきょう来院した」
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「殺人事件ではない」対立

 一方の弁護側はそもそも「殺人事件ではない」という主張です。

弁護側の主張「殺人事件ではない」
弁護側の主張「殺人事件ではない」
弁護側
「鈴木さんの急変は事件性がないものとして扱われていた」(冒頭陳述から)

 鈴木さんの遺体は司法解剖されていないなど、証拠が乏しいと指摘します。

 被告は「被害者らを殺害していない」と殺人について、無罪を主張しています。

弁護側と検察側の主張が真っ向から対立
弁護側と検察側の主張が真っ向から対立

 弁護側と検察側の主張が真っ向から対立するなか、19日は赤間被告への「被告人質問」が予定されていましたが…。

弁護士
「これからの被告人質問についてどうしますか?」
「すべての質問に対して黙秘権を行使します」
「すべての質問に対して黙秘権を行使します」
赤間被告
「すべての質問に対して黙秘権を行使します」
弁護士
「個々の質問に対して判断するのではなく、すべてについて黙秘しますか?」
赤間被告
「はい、すべて黙秘します」
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同様の裁判 ポイントは?

 「被害者の正確な死因が分かっていない」など、弁護側が証拠の乏しさを指摘する今回の裁判。同様の裁判では一般的に何がポイントになるのでしょうか?

若狭勝弁護士
若狭勝弁護士
元東京地検特捜部 副部長
若狭勝弁護士

「最近は被告人が犯行を否認する。防犯カメラ、映像などがなく、目撃者もおらず状況証拠だけで殺人罪の有罪を立証しようとしていることが増えてきている。そのなかで検察としては、状況証拠だけで有罪に持ち込めるように裁判を進めるというスタンスになる。状況証拠の質が問われるところである」

(2026年2月19日放送分より)

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