過去に犯した罪に苦しみ続ける人がいる。2024年のデータでは、再犯率が46.2%を占めている。当事者の問題もある一方、世間の風当たりの強さもまた元受刑者を追い詰める要因の一つとも言われる。「ABEMA Prime」では、かつて罪を犯した当事者たちが、犯罪に至る背景や出所後の過酷な現実について議論を交わした。中でも、元レディース暴走族の総長という過去を持ち、現在は元受刑者の雇用支援に尽力する廣瀬伸恵氏の言葉は、更生の難しさと社会の厳しさを浮き彫りにした。
【映像】廣瀬さんが経営する会社 9割が元受刑者(実際の様子)
■「見栄とプライド」が招いた転落の果て

廣瀬氏は、10代の頃にレディース暴走族の初代総長を務め、その後、覚醒剤の営利目的の所持と使用により2度の収監を経験した。なぜ、そこまで深く犯罪の道へ足を踏み入れてしまったのか。そこには、組織のリーダーとしての歪んだプライドがあったという。
「10代の時にレディースの初代総長として、見栄やプライドがあった。後輩を連れて飲みに行くのにも、特攻服に刺繍をたくさん入れるにもお金がかかる。そういう時、暴力団のケツ持ちがいて、薬物を気軽に入手できた環境があった。安易に薬物を売買するようになって、稼いだお金はほとんど後輩とか見栄とかのために使ってきた。私の場合は月に200〜300万は稼いでいた」。
この告白に対し、同じく暴走族に身を置いた経験を持つ武井勇輝氏は、当時の特殊な力学を補足する。「自分らみたいな暴走族の人たちは、子どもの時にそういう世界にいたら、まず金を持ってない。ケンカが超強いやつはいるが、金がなければたぶん一番上には立てない。上にいるのは金も持っていてケンカも強いという前提がある」。
かつての廣瀬氏にとって、組織内での地位を保ち「カッコつける」ための資金源として、薬物売買は手っ取り早い手段になってしまっていた。
■差し伸べた手と、拭いきれない再犯の現実
2度の服役を経て、廣瀬氏は現在、建設請負会社「大伸ワークサポート」の代表を務めている。従業員43人のうち約9割が元受刑者という異色の会社だ。廣瀬氏の元でリフォーム作業にあたる元暴力団員の上村さんは、社会復帰の難しさを現場から訴える。
「自分のことを隠しながら(仕事をする)というのも大変。うちの社長はそれを受け入れてくれるから、その方が気も楽になる。(この職場がなかったら)また同じことを繰り返しているかもしれない。結局(刑務所から)出てきたばかりで金がない。一般の生活に戻るまでにお金がかかるから、お金を作れない人間は、また再犯する。『もういいや』って。それの繰り返しだ」。
しかし、居場所を提供したからといって、全員が更生できるわけではない。廣瀬氏は経営者としての苦渋の現実を吐露した。「ほとんどというか、10人中1人、2人がうまくいけばいい方。その残りは飛ぶ(姿を消す)か捕まるか。特に薬物や窃盗は難しい。ギャンブル依存症や薬欲しさに泥棒して、去年は3人ぐらい、うちの会社から再犯が出た」。信念を持って受け入れても、再び鉄格子の向こうへ戻ってしまう仲間がいる現実に、彼女は今も直面し続けている。
■社会からの拒絶、そして「セカンドチャンス」への願い
更生を誓い、真っ当に生きようとする者たちの前に立ちはだかるのは、再犯の誘惑だけではない。実社会やネット上からの、容赦ないバッシングだ。
「私もテレビ出れば『なんで笑うんだ』『反省してないだろ』とか、アンチの書き込みがすごい。一度でも罪を犯すと笑っちゃいけないんだと。失敗が許されない」。
過去の罪は消えない。しかし、一度失敗した者に二度と日の目を見ることを許さない社会の風潮に対し、廣瀬氏は切実な祈りにも似た思いを語った。「社会から排除しようという風潮がずっと続いている。なので、もう少しセカンドチャンスに目を向けてくれたらいいな。社会の目は厳しいが、本人はちゃんと反省して、リセットして(刑務所を)出てきている」。 (『ABEMA Prime』より)