社会

ABEMA TIMES

2026年2月23日 15:30

「死にたい」と言われたら…どう声かけ?公認心理師が助言 まずは「なんで死にたいと思っているの?」

「死にたい」と言われたら…どう声かけ?公認心理師が助言 まずは「なんで死にたいと思っているの?」
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 死にたいという思いを抱える人たちが集まり、語り合うイベント「死にたいバー」が、いまSNSなどで話題になっている。

【映像】「死にたいバー」に集まる人たちの様子(実際の映像)

 「10歳から死にたかった」「20歳で死んでいるつもりだった」といった参加者が集い、「毎日寝る時に『明日事故に遭いますように』(と思っている)」などと語り合う。明るく話してはいるものの、その会話には自殺未遂など重い内容もある。

 そもそも、なぜ死にたいと考えるようになったのか。20代の参加者は「あまりに仕事ができず、上司に怒られて自殺未遂もした。発達障害だと診断され、夫とその親族からバッシングを受けて離婚することになった」と明かす。

 悩む理由はさまざまだが、彼らはこの場に「共感」を求めているという。「死をテーマに話すのは普通できないが、ここでは受け入れてくれる」「『死にたい』と口に出せたのが気持ちいい。友達に言ったらキレられて、『隠さないといけない』と思うのがつらかった」。

 一方で、死にたいバーには「医療従事者や福祉がやるべきことだ」「トラブルが目に見えている」との声もある。主催者のひるねさんは、参加者に注意事項を伝えるなど、気を配っているという。

 “希死念慮”と言われる死にたい思いに、どう向き合えばいいのか。『ABEMA Prime』では当事者や専門家とともに考えた。

■「死にたいバー」の参加者

まーかさん

 20代大学生のまーかさんは、死にたい思いを抱え、バーにも参加している。「家では毎晩泣き、真っ暗な気持ちで『死にたい』と感じる。死にたいバーに行くと、『同じ気持ちで、何でも肯定してもらえる』という安心感から、みんなで盛り上がれる」。

 参加したきっかけは、「初参加するまでの約1カ月、うつがひどかった。毎日『死にたい』と思っていたところ、東京開催の告知を見て、『どうせ死ぬんだし行ってみるか』と自暴自棄と興味本位から、軽い気持ちで行った」と振り返る。

 実際に訪れると「参加者の名前も年齢もわからないが、入った瞬間から『ここにいる人たちは、みんな同じ気持ちなんだ』『ここでは死にたい気持ちが受け入れられて、共感してもらえる』という安心感があった。そして『また次も行きたい。開催される日まで生きとこう』という気持ちになった」という。

■主催者「『死にたい気持ち』の人々を楽にできるようなイベントを開きたい」

ひるねさん

 主催者のひるねさんは、「私自身も死にたくてつらい気持ちを抱えていたが、人生とともに元気になれた。死にたい人の気持ちもわかるし、元気にイベントを企画できる。ならば『死にたい気持ち』の人々を楽にできるようなイベントを開きたいと、“死にたいバー”を始めた」と説明する。

 運営にあたっては「活動が知れ渡るにつれて、最悪のケースは考えないといけないが、それを恐れてやらないのも違う。それほど意義を感じている活動だ。目の届く範囲内でのみ広がるように、誰かが模倣イベントをやらないよう気をつけるなど、対策しながら続けていこうと考えている」とした。

 参加者からは「『死ぬぞ』という気持ちで来たが、話したらそうでもなくなった」という声が出ているそうだ。「話すことにより、死にたい気持ちが逆に解消され、元気になっていく。その後も通い続けてくれてもうれしいが、長い目で見ると、来なくても大丈夫な状態になるのが一番いい」。

■「死にたさとともに生きていく」

みたらし加奈氏

 臨床心理士で公認心理師のみたらし加奈氏は、死にたいバーについて「いい取り組みだ。死にたい衝動は理論上、一定期間を過ぎるとピークアウトしていく。その際に居場所を作ることは良い」と評する。一方で「個人的に心配なのは、ひるねさんが自分をケアする道筋を見つけられているか。自分自身がつぶれてしまえば、すべてがつぶれてしまう」と気づかう。

 これにひるねさんは、「双極性障害を抱えていて、元気な時と、落ち込んでいる時がある。今は元気だが、落ち込んだ時の対策がバッチリできているとは答えづらい。通院はしているが、運営を手伝ってくれる仲間とともに、1人で抱え込みすぎないようにするしかない」と返した。

 カンニング竹山は「『死にたい』にも程度がある。落ち込んでいる時も、少し明るくなっている時もあるが、一番大切なのは、ちゃんと話を聞いてあげること。誰かに言いたいが、身内には言えないこともある。それを1つずつ吐き出させてあげると、少し変わるかもしれない。一度ではなく、ずっと聞いてあげることが大切なのではないか」と考えている。

 みたらし氏は「しんどい気持ちを抱えている人は、人の顔色に敏感だ。『死にたい』と勇気を出した時に、動揺した相手の顔を見ると、『言っちゃいけないんだ』となる。そこで『なんで死にたいと思っているの?』と聞けば、重たいものを一緒に持ってもらっている感覚になるため、試してみてほしい」とアドバイスする。

 そして、死にたいバーの存在意義として、「死にたさとともに生きていく。人生のしんどさや重さと一緒に生きていく。その余白を作るためには、いろいろな場所があっていい。ただ時に、脳内ホルモンの影響で認知がゆがめられ、死にたい方向へいくこともある。その場合は、適切に専門機関に渡してあげよう」と語った。

(『ABEMA Prime』より)

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