東京・日野市の「浅川」は、川底が見える状態になっています。全国で雨不足による深刻な渇水が問題となっています。
“川底”散歩する人も
“むき出し”になった川底。白く乾いた石は両端いっぱいまで広がり、川の流れが途切れる「瀬切れ」という現象が起きています。
東京・日野市を流れる「浅川」。都民の水源である多摩川へと合流する一級河川です。
夏になると地元の子どもたちが水遊びや魚釣りを楽しむ場所として親しまれています。それが、今、水が完全になくなっています。本来は水が流れている場所ですが、川という感じが全くしません。
“雨不足”により、水の流れが途切れてしまった「浅川」。川底はひび割れ、土はボロボロに崩れてしまうほど乾ききっています。
その異様な光景に…物珍しさからかでしょうか、川底を散歩する人の姿が多く見られました。
「30年ぶりくらいの渇水みたいなことを言っていたので、ちょっと見てみたいなと思って」
「珍しいので、真ん中まで行ってみた。僕ら引っ越してきてからは見たことないですね」
中には、こんな地元の中学生もいました。
「(Q.何か見つけました?)釣りとかの針と糸」
川干上がり…“飛び石”も必要なし
さらに、この場所からおよそ11キロ離れた支流でも、深刻な事態になっていました。
川全体が干上がってしまった「南浅川」。
南浅川が流れる八王子市では、23日までの30日間の降水量が平年のわずか13%程にとどまっています。
普段は穏やかな流れが続く川ですが、今はすっかり水がなくなり砂利道が広がっています。そのため、川を渡るための“飛び石”も今は必要ありません。
「(雨は)ほとんど降っていませんね。ここまでカラカラはないですね、今まで」
姿見せた“沈んだ町”
渇水の危機は「多摩川」でも…。多摩川上流にあり、東京に水道水を供給する「小河内ダム」。
まず、目を引いたのは水位です。通常時は水位が95メートルほどありますが、23日は66メートルまで落ち込み、貯水率も40%を切っています。
こうした状況を受け、東京都は先月下旬から節水を呼びかけています。
一方、深刻な渇水が続いていることで、いつもより人が集まる場所もあります。
神奈川の“水がめ”の1つ、「津久井湖」です。現在の貯水率は、なんと12%。そのため、至る所で地面がむき出し状態に。普段見えないものを見ようと、多くの人が見物に訪れていました。
見物する人が見つめていた先には、車の残骸。その周りには、写真を撮ろうとする人の姿もあります。他にも鳥居と思われる跡や、階段などが露出していました。
「こんなに歩けることがまずないので、この神社跡も初めて見ましたね。びっくり、(水が)こんなに減るんだと思って」
「(遺構が)50年代ぐらいの国土地理院の地図に載っていて。ガードレールとか残っていて。見られたのは発見というか驚きでした」
津久井湖で資料館を運営する館長は、次のように話します。
「(見物人の数は)極端に何十倍っていうレベルで来ていますね。びっくりも何も…言葉に表せないぐらいの驚きを持っています」
「風呂入れない」節水の影響は?
“30年に1度”の記録的な少雨の影響で、非常事態に陥っている地域もあります。
愛知県東部、豊橋市や豊川市などに水を供給する重要な水がめ「宇連ダム」です。
貯水率は23日午後5時時点でわずか1.76%。ダムが枯渇しないよう、川の下流の水を特別に汲み上げ生活用水などにまわす緊急対策が行われています。これは1995年以来の非常事態です。
満水時には豊かな湖面が広がっていますが、今は水位が50メートルほども下回り、砂漠と化しています。かつてこの地にあった集落の橋まで姿を現すほどです。
ダムの底が見えるほどの渇水状態に、3連休もあいまってか、駐車場は満車になり、道路脇に車を止めるほど人が訪れていました。
ダム湖は立入禁止になっていますが、進入する人たちもいました。
変わり果てたダムの姿を目の当たりにした人は、水不足への危機感を募らせていました。
「このままいったら、本当にお風呂入れなくなったり、生活に支障が出てくるし。現実見ちゃうと、やっぱり恐ろしいですよね」
市民の“憩いの場”も利用休止に
この記録的な渇水が、すでに暗い影を落としているところもあります。
豊川市が運営する入浴施設では、9日から節水のため利用休止に。サウナや露天風呂もあり、1日500人ほどが訪れる市民の“憩いの場”でしたが、今は利用者が激減しました。
外山和明所長
「再開のめどは、全く立っていないですね。ここまで先の見通せない節水というのは初めて。雨が降らないと何ともならないですが、元通りのにぎやかな施設になってほしい」
豊川市の隣、新城市の公園でも一部のトイレや手洗い場の水を使用中止。節水が呼びかけられています。
また福岡県では、14の自治体で給水量を抑える「減圧給水」を実施。一部地域では「断水」も現実味を帯びています。
農作物に影響 対処困難なワケ
冬の間の雨が極端に少ないことで、農業への深刻な被害も長期化しています。都内の農園からは悲鳴が…。
「外の葉っぱから黄ばんできちゃってるんで、処分しなくちゃいけなくなるかも」
青々としたみずみずしい葉っぱが魅力のリーフレタスですが、乾燥で変色。中には、完全に枯れてしまったものもありました。
さらに、ダイコンも水分が足りず成長がストップ。
「乾燥しちゃってるので、30、40センチ下まで全然水がない状況。だから、ちょっと硬めのダイコンにもなってしまいますよね」
サイズ、品質ともに悪く、規格外になってしまいます。
他にもブロッコリーやネギが生育不良になり、1月〜3月の生産量はおよそ4割も減少したといいます。
「最後に60ミリ以上の雨が降ったのが、ハロウィンだったんですよ。渇きすぎちゃってますよね。17年間(農家を)やっていて初めてかもしれないです。農家泣かせの天気が続くって感じですかね」
長引く水不足。対処しようにも冬特有の問題があります。
「人工的に水をまくと、均等にまけない状況があるんで。多くまいたところだと、翌日に凍ってしまう恐れも」
東京にも雪を降らせた寒波の中、凍結を避けるため水まきができなかったといいます。
そして、野菜が大きくならないまま、春の暖気が到来。変色や花が咲いてしまうため、処分せざるを得ない状況に。
さらに、これから育てる野菜にも影響があるといいます。
「春に(向けて)まく予定なんですけど、水分が少なすぎてパサパサすぎて。種まきとか定植ができない状態なんですね。種まきする作業が遅れるということは、収穫も遅れるので。まとまった雨に期待したいです。祈っています」
(2026年2月24日放送分より)













