社会

ABEMA TIMES

2026年2月27日 07:15

神奈川県警の不正な交通取り締まり発覚…にしたん社長が怒り「国民をなめている」「わずか9000円でも裁判をやって抑止力に」

神奈川県警の不正な交通取り締まり発覚…にしたん社長が怒り「国民をなめている」「わずか9000円でも裁判をやって抑止力に」
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 神奈川県警の不正な交通取り締まりが明らかになった。不正を主導した巡査部長は「事故に直結する悪質な違反を排除したかった。今思えば間違った正義感だった」と話しているという。巡査部長は「経験豊富な取り締まりのプロ」と評され、表彰されたこともあった。

【映像】にしたん社長が怒りをあらわにした瞬間(実際の映像)

 関係者によると、通常スピード違反をパトカーや白バイが追尾する場合、一般道では約30mの車間を保ち、約100m並走。高速道路では約50mの車間で、約300m並走し速度を測定しなければならない、とされているという。

 しかし今回の場合、例えば、追尾距離が約20m程度しかなかったにも関わらず、調書には「追尾測定距離約100m」と記載するなど、反則切符に実際より長く記入し、虚偽の事実を記載するなどしていた。また、現場に行っていないにも関わらず、実況見分を実施したかのように装い、調書などを作成する行為が常態化していた。

 発覚したきっかけは、車間距離不保持で取り締まりを受けた運転手からの相談だった。運転手は「現場で受け取った告知書の車間距離と、後日届いた通告書の車間距離が違う」と訴えた。

 警察庁の楠芳伸長官は「信頼を損ないかねない重大な事案」と、異例の謝罪を行った。

 神奈川県警は2716件の交通違反を取り消し、反則金約3500万円を返還すると発表。また警察庁と県警は、あわせて24人を処分し、不正を主導した巡査部長を免職とした。

 不正を主導した巡査部長は「1件でも多く交通取り締まりを行いたいので、実況見分の時間を取り締まりに回せばよいと思った」と供述している。

 元埼玉県警交通機動隊隊員などで、8年にわたり白バイ隊員を務め、現在はペーパードライバー専門の教習所、フレスタ安全運転教習所を運営する矢久保真氏は、「もともと僕も白バイに長年乗っていた。一緒にやっていた仲間は、本当に誠心誠意やっていた仲間が多かった。こういう報道が一度出てしまうと、非常に残念だなという思いと、絶対に許されない行為だったとすごく思う」と語る。

「例えば(時速)40〜60kmだと、200〜300mの追尾距離を測って、『この車は速度を間違いなく出している』という状況になってから違反と認定する。実際に白バイに乗っている時に、間違いなく速度が速い車の追尾の距離が表示できず、ちょっと悔しい思いというか、本当に危ない違反者を手続きできなかったことがある」(矢久保氏)

 40数年にわたり交通取り締まりの問題を取材してきた交通ジャーナリストの今井亮一氏は、「もともとはこの追尾式取り締まりの測定値(距離)というのは、恣意的に作れるものだ」として、警察内では常識になっていたと指摘する。

「短い追尾や、ちゃんと追尾していないのに、『これぐらいのスピードならよかろう』と、報告書には正しい距離、長い距離を書くことが、普通に行われていたはずだ。それは警察官からも聞いている。今回の報道を見て、全国の交通警察官が、『どうしてこんなことが大事になるんだ』と、みんなびっくりしているのではないか」(今井氏)

 では、なぜそのような不正が常態化していたのか。今井氏によると、「誰も文句を言わない。ほとんど争わない。『宣誓をして拝命した警察官が、見も知らない運転者を罪に陥れるために、偽証罪のリスクまで犯すはずがない。だから信用できる』。この論法でみんな負ける。裁判官がそれなので、安心して追尾式は続けてこられた」という。

 神奈川県警の不祥事に「やっぱりなという思いがあった。本当に怒りしかない」と明かすのはにしたんクリニックやイモトのWi-Fiなどを経営するエクスコムグローバルの西村誠司社長だ。例え不利な裁判をしてでも戦いたいという。「わずか9000円でも数百万円使って訴訟までやる人間がいる、ということをやらないと抑止力にならない」。

 一体何があったのか。西村社長の体験はこうだった。違反とされた現場となったのは、東京・青山通りに出る交差点。2025年5月のことだった。助手席には妻も乗っていた。「そこが警察の狩り場みたいになっていた。『今日もやっているな』みたいな道だった」。

 西村社長は、青山通りに出ようと横断歩道に進入する前、歩行者を確認したため一時停止。同時に白バイも確認したため、歩行者が完全に途切れたのを入念に確認したのち、車を発進したという。

 そして、「どうやってもこんな文句の言いようがないだろう、という注意を払いながら、歩行者が横断していて、一時停止で止まって、『これは絶対文句ないだろう』と前に出たら……」。白バイ隊員から停止を求められ、「歩行者優先義務違反ですよ」と、反則切符を切られた(違反点数2)。

 西村社長はその場で反論した。「今回彼らが一貫して僕に言ってきたのは、『自分たち警察官が目で見て、2人の警官が現認している。それが全てだ』と。実は僕のドライブレコーダーに残っていたので、ドライブレコーダーを示しながら、『どこにいるんですか?』と言ってやった」という。

 その後は「すると『ドライブレコーダーというものにも死角があるから』と言ってくる。僕も妻も目が2個ずつあって、4個の目で僕らも現認している。あなたも同じ人間で、あなただって見間違いがあるんだから。僕のドライブレコーダーもある。あなたもここ(頭部)にカメラが付いている」とやりとりした。

「今の世の中、スポーツのサッカーだろうが相撲だろうが、全てリプレーしながらそれを見る世の中で、『自分たちが目で見たものが100%正しい。それが証拠になる』という、今の法律なり、この仕組みが僕は絶対的に間違っているなと思う。だから僕は法律改正も含めて、絶対変えなきゃいけないなと思う」

 そして、「それがきっかけで、いろいろ調べてみると、僕以外にも『やってもいないスピード違反をやった』ということを言われた人もいる。これは自分1人の問題じゃないなと思った」のだそうだ。

 以来、西村社長は定期的に警察の不審な取り締りについて、動画をアップしている。今回の反則金は9000円だが、例え訴訟費用で割に合わなくても、徹底的に戦うつもりだという。「こんな形で彼らは国民をなめているから、こんな押し切ったところで、『こいつらなんてやれることなんてほとんどない』という上から目線なところがある。中には僕みたいな人間がいて、わずか9000円でも、数百万円使って訴訟までやる人間がいるということをやらないと抑止力にならない。しっかりやっていきたいなと思う」。

 矢久保氏は「ほとんどの警察官は一生懸命やっていると思う。文句も言われることもあるし、それでも悲惨な事故も多く発生している中で、現場を知っている上で『絶対こうなってほしくない』という思いを持ってやっている警察官というのが、僕はほとんどだと信じている。取り締まり活動をしていくというのは、白バイの目的だと思っている」と話した。

 元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は、「絶対にあってはならない不正だ。2700件は多すぎる。これは国民を裏切る警察の信頼失墜の行為だ。そもそも交通取り締まりの目標は、交通死亡事故を1件でもなくすこと。やはり『褒めてもらうため』や『自分個人の成績を上げるため』に、今回のようなことをしては絶対にならない」との見方を示した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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