2022年11月に岡山県倉敷市で行方不明になった、当時中学3年生の梶谷恭暉(かじたに・みつき、17)さんについて、新たな目撃情報が寄せられた。情報を提供したのは、中国地方にある店の関係者だ。
ABEMA的ニュースショーの取材班と元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は、情報提供者と接触する前、恭暉さんの姿が最後に確認された広島県三原港へ再度向かった。新たな手がかりをつかみたかったためだ。
三原市は恭暉さんの自宅から約90キロの位置にあり、母親によれば、土地勘もないはずだという。もしかすると、恭暉さんは三原港には来たものの船には乗っていないのではといった可能性すらも検証した。
行方不明になった翌日、三原港から船で約30分の生口島の橋の上で、恭暉さんのスマホと漫画が発見された。海上保安庁の捜索の結果、橋から転落した可能性は極めて低い、と母親は伝えられた。橋の欄干には足跡らしきものが残されていたが、秋山氏が調べたところ、恭暉さんが履いていたサンダルの靴底の模様とは違っていた。
地元の漁師もこう証言する。秋山氏の「過去に橋から飛び降りたことはあるか?」との問いに、「あるよ、助けたことがある。ケガというか打ち身ぐらい」と答えた。漁師によれば、橋から飛び込んだ人は、必ずと言っていいほど発見されているという。
秋山氏は「車で拉致されて、そのときに『やばい』と思って、SOSで(スマホを)捨てたのではないか。事件のにおいがするな」と推理していた。
何か手がかりはないのか。秋山氏が三原港を調査すると、実は桟橋を映す防犯カメラがあった。これまでわかっていたのは、恭暉さんが三原港の入口付近の防犯カメラに映っていたこと。しかし、本当に船に乗ったかどうかまでは、わかっていなかった。別の防犯カメラの映像では、確かに船に乗るための桟橋を映し出しており、船に乗った確認はできそうだ。
このカメラの件を母親に伝えると、倉敷警察署に確認してくれた。その結果について、母親は「行ったり来たりしている、桟橋を。船に入っていくとこが映っている」と明かした。恭暉さんが、傘を持ったまま船に乗り込んだ可能性が高いことが分かった。
なぜ恭暉さんは、倉敷から90キロも離れた、土地勘もない三原に行き、なぜ船に乗り換えてまで生口島に渡り、そこから姿を消したのか。鍵を握るのは、橋の上で見つかった恭暉さんのスマホだが、事件としての扱いをされなかったため、警察から通信会社に開示請求はされず、また返却されたスマホはパスワードがわからず、たとえ親であっても情報の開示はできないと通信会社から伝えられた。
わらにもすがる思いでスマホの情報を探ろうとしたが、「暗証番号を誕生日とか思い当たるものを全部入れたけど、結局開かなくて、探す方法とか何か手がかりが欲しくて、リセットしてしまった。リセットしたときに消えてしまっているものがほとんど」だという。
2025年12月、『ABEMA的ニュースショー』が恭暉さんの状況を報じたところ、Xで2000万以上が閲覧された。そして倉敷警察署から「スマホをもう一度、解析したい」と、母親の元に連絡が入った。
しかし母親は「(携帯)会社が持っているデータは、(過去)1年しかデータがないそうだ。令状を取って開示請求をしても残っていない。LINEも入れない状態」だと明かす。
行方不明になる前日、恭暉さんがXでコメントを送っていた投稿者に、事情を知らないか連絡をしてみたが、返信はなかった。
そんな中、番組で追っていることを知った人から、秋山氏の元にDMが寄せられた。「恭暉さんに似た人物が店に来ました。その映像もあります」。情報提供は中国地方の、とある店の関係者からだった。
情報提供者によると、似ているという男性が来店したのは2024年4月。行方がわからなくなって1年5カ月後のことだ。当時からずっと気になっていたといい、何かの力になれれば、と情報を寄せてくれた。
防犯カメラ映像を見ると、時間は昼の12時40分ごろ。その男性は1人で店内を訪れた。黒縁の眼鏡をかけ、マスク姿。年齢も10代半ば、高校生に見えなくもない。軽く会釈をして、受付で何かを記入している様子も映っていた。文字を書く手は右手で、情報提供者によると、髪型も目も似ていたという。
男性が店内にいた時間は35秒。その防犯カメラ映像を恭暉さんの母親に確認してもらうと、「似てなくはない。店員に頭下げるところも、似てるっちゃ似てる。動作も似てるっちゃ似てる。文字書く時もこんな感じで書く」とのことだった。
当時の状況を確認するため、情報提供者と電話をつないだ。提供者は「来られた時にマスクをしているからわからないが、マスクから上は『本人じゃないかな。より近いな』と。私が何か言っても、声は出さずに相づち。おとなしい感じはした」と振り返る。母親が「髪の毛がかたい。黒くて毛量も多い」と特徴を語ると、提供者は「そんな感じ。身長170cmぐらいだった」と話す。恭暉さんも身長は170cmで、確かに多くの部分で似ている。
母親は「いろいろな目撃情報の防犯カメラより、こっちの方がきれいに映っている」といい、今までの情報より「(恭暉さんに)似ていると思う」と話す。今後、警察にもこの情報を届け、詳しく調べてもらう方針だ。
「恭暉を見かけた人から情報提供を求めるしか、方法はないんだなと思っている。待つしかないかな。もう手がかりが何もないので」(母親)
秋山氏が調査の詳細を説明する。「情報提供者は、その男性が店を出た後に(出入口付近を)メジャーで測っている。そうしたら170cmくらいで恭暉さんと同じくらいの身長だった」。
また男性は店でペンを触っていたが、指紋は採取できるのか。「情報提供者はすぐにそのペンをビニール袋に入れてくれて現在保管中だ。指紋は平らな面だと特定しやすいが、ボールペンは丸みがある。一部しか取れない可能性がある。また他のお客さんも多数触っているので、混在している可能性はある。ただビニール袋に保管されている状態なので、ひょっとすれば汗なんかのDNAがとれる可能性があるのかなという状況だ」。
筆跡の鑑定については「非常に本人特定の可能性は高い。恭暉さんの自宅には直筆のメモなどが多数あるので、これで筆跡鑑定をすれば本人確定できると思う。もし似ていれば警察に提供して筆跡鑑定すれば白黒はつくと思う」。
男性が来店したのは2024年だった。「情報提供者はそっくりだなと警察に届け出ようとしたが、そのころ情報提供者がストーカー的な被害にあって、警察に相談に行っていたがあまり解決できなかったので、そのままになったかなという状況だった」。
情報提供 倉敷警察署(086-426-0110)
(『ABEMA的ニュースショー』より)