去年12月、オーストラリアが世界で初めて、16歳未満のSNSの利用を禁止する法律を施行した。政府当局は先月、施行後1カ月で16歳未満のアカウント、約470万件を削除したと発表。
法律施行から2カ月たった今、オーストラリアの子どもたちは何を感じているのか。『ABEMA Prime』では、SNSが規制された日常を当事者に話を聞いた。
■子ども SNS禁止…どんな暮らし?

オーストラリア出身で日本在住の英語教師、アシュリー氏は「日本に住んでいるので、初めて聞いた時は本当に驚いた。15歳の妹は大丈夫かな…と心配した」と語る。実際に妹の様子については、「友達と連絡するのが難しくなった。特にスナップチャットでしか繋がっていない友達と連絡が取れなくなったのは残念がっていた」という。
しかし、変化もあった。「本を読んだり、家族と一緒に過ごす時間が増えた。それはすごく嬉しい」。
一方、オーストラリアで3児を育てるアップルビー沙織氏は、この規制を歓迎している。「うちの子たちはYouTube漬けになっていたので、全面禁止と知った時は『日本に帰りたい、ずるい』となっていた」。
また、「うちはアカウントを作らせてはいなかったので、YouTubeだったら私のアカウントにログインして見ていた。他のSNSのアカウントも持っていなかった」と述べた。
■ 学校教育と家庭での向き合い方

SNSの危険性について、現地ではどのような教育が行われているのか。アシュリー氏は「学校ではサイバーボーリング(いじめ)についてよく話されている。知らない人に声をかけないで、といったネット上での注意もよく言われている」。その上で、「お父さんやお母さんもそれを言ってくれているおかげで、妹たちは友達同士だけで連絡を取り合っており、不審者はいない」と現状を説明した。
一方、規制そのものへの評価については、「正直、反対だ。結局、他のアプリを使い始めたりして、どうしても抜け穴がある。友達と連絡ができないのは本当に面倒くさいことだ」と語った。実際に、父親の身分証明書や顔認証を利用して制限を潜り抜けようとする動きもあるという。
これに対し、沙織氏は「私はこの禁止は良かったと思っている。そのきっかけがなければ、あの子がやっているから自分も作りたいと、ズルズルと拡大していただろう」。
■ 「命には変えられない」 親が抱く切実な願い

SNSがなくなった時間を、子供たちはどう補っているのか。沙織氏の家庭では、言語学習アプリ『Duolingo』の活用が拡大し、音楽やチェスを学んだり、ピアノの練習に励んだりする時間が増えたという。「YouTubeで不特定多数とチャットし、オンラインゲームのキャラを盗まれたといったトラブルが起きていた時期だったので、今はそういうトラブルもなくなった」。
思春期で解放された時に失敗が大きくなる心配はないのか。「基本的には失敗は子どもたちにさせるべきだと思っている。試行錯誤して育ってほしいが、SNSに関しては加害者・被害者になるのが綱渡り。たった一回の失敗で我が子が命を落としてしまうぐらいなら、私は事前に止めたい」と答えた。
(『ABEMA Prime』より)