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2026年2月27日 15:58

ルフィ事件、指示役からの手紙 番組Dへ便箋11枚 闇バイトは「無くならない」

ルフィ事件、指示役からの手紙 番組Dへ便箋11枚 闇バイトは「無くならない」
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 全国で相次いだルフィグループによる強盗事件で指示役の1人だった藤田聖也被告に先週、無期懲役の判決が言い渡されました。藤田被告は事件後、番組ディレクターと手紙のやり取りをして反省の念をつづっていました。

「本当に自分の愚かさが呪わしい」

 16日に東京地裁で行われた判決公判。藤田被告はスーツ姿で正面を見つめ、緊張のためか、顔を赤らめていました。

裁判長
「被告人の刑事責任は非常に重いというほかなく、本件の重大性、被告人の役割の重要性等に照らすと、被告人に対しては無期懲役を持って臨むほかない」

 判決が読み上げられた際、じっと正面を見て座っていた藤田被告。

 東京地裁は藤田被告を「実行役を束ねて犯罪を実現させた」指示役と認定。「金品獲得に執着して人命を軽視し、厳しい非難が妥当」として、無期懲役の判決を言い渡しました。

 事件から3年を経て、言い渡された判決。発生当時から取材を続けてきた中村怜子ディレクターには、ずっと解消されない疑問がありました。「本人の言葉で事件の真相を知りたい」と手紙を送ると、藤田被告から返事が届きました。

「本当に自分の愚かさが呪わしい」とも
「本当に自分の愚かさが呪わしい」とも
「自分を守ること、生きることに捕らわれ、限りない袋小路に近い道を歩いていたことに気付くことすら出来ず、本当に自分の愚かさが呪わしいです」
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収容所内で「立場の違い」

 フィリピンに渡航し、特殊詐欺のグループに参加。現地当局に摘発されビクタン収容所に入れられたことで、一連の広域強盗事件にかかわるようになった藤田被告。

 ディレクターのもとに届いた手紙は11ページ。中身は「フィリピンの拠点で、どう生活していたか」から書き始められていました。

フィリピンの拠点では…
フィリピンの拠点では…
「ビクタン収容所では、みなそれぞれに違った生活スタイルで過ごしていまし。食事は、基本的に私が料理し、小島さん以外の3人はそれを食べていました。誰かの誕生日や正月などは材料を買ってすき焼きをやったり、ケーキを買ったり、おせちを外から入れたりして4人で集まって食事することもありました」

 拠点となった収容所で、ボスと呼ばれていた渡辺優樹被告(41)、犯行時ルフィを名乗っていた今村磨人被告(41)と、リクルーターを務めた小島智信被告(48)。そして藤田被告(41)の4人の関係性についても書かれています。

4人の関係性について
4人の関係性について
「渡辺は収容所内でもビッグボスのままで、他の外国人や職員からも日本人の本当のボスは渡辺だと認識されていました。ビクタンという閉鎖された逃げることの出来ない状況では、より一層力関係がはっきりしていきました」
「日本にいた頃は渡辺とは友達同士で、仕事の上でもパートナーとして仲良くしていましたが、フィリピンに来てからは、彼はすでに多くのスタッフを抱える組織のボスだったことから、私も渡辺のことをボスと呼ぶようになり、明確な立場の違いが出来ていました」
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なぜ命を奪った?

 ディレクターがずっと解消できなかった疑問。それは「金目当ての強盗で、なぜ被害者の命を奪うことになったのか」。

 東京・狛江市では、強盗に入った際に90歳の女性がバールで殴られて、死亡しています。

 実際に住宅に侵入し犯行に及んだ、実行役の永田陸人受刑者(24)が証人として出廷した際には。

実行役の永田陸人受刑者
実行役の永田陸人受刑者
「藤田被告から狛江事件の後、『次は殺さないで下さいね』と言われた」
「犯行中は(藤田被告と)通話中で、すべてを把握していたはず」

 藤田被告の裁判での最大の争点。それは、実行役へ「暴行を指示したのかどうか」でした。

 藤田被告は、この時の永田受刑者とのやり取りについて「実行役とつないでいた携帯電話の電波状況が悪かった」「現場で何が起きているか把握できなかった」などとして、裁判では女性に対する暴行などへの関与を否定しています。

中村ディレクターが送った手紙
「実行役が指示役から『一発喝を入れてきて下さい』と言われて顔を殴ったと証言しています。当時、どのような意図で犯行を指示されたのでしょうか」
藤田被告の手紙から(原文のまま)
「『一発喝を入れてきて下さい』と言った憶えもなく、他の誰かが言っていたのも聞いていませんので、その点については答えかねます」
中村ディレクターが送った手紙
「被害に遭った女性が亡くなる可能性は認識していたのでしょうか」
暴行の指示について否定し…
暴行の指示について否定し…
藤田被告の手紙から(原文のまま)
「被害者の方が亡くなる可能性については考えていませんでした。実行犯に、格闘技経験者を訊いたり、ケンカの経験を訊いていたのは、経験者であれば力加減がわかり、亡くなるほどの暴力をふるうことはないだろうという事」

 手紙でも暴行の指示について否定。亡くなる可能性については「考えていなかった」と答えました。

 判決では「実行役に対し積極的に暴行するよう指示している」「実行役が持参した道具を凶器として使用することは当然予測しえたこと」として、「被告人にとっても起こるべくして起こった結果」だったと結論付けました。

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「生活基盤を崩された」

 手紙では、後悔の気持ちも記されています。

「犯行当時から渡辺(被告)と話す時には『やりたくない』『次でやめよう』という会話がありましたが、どうして『次で』だったのか、『次』が起こる前にどうして止まることが出来なかったのか、とても悔しく思います」

 藤田被告の裁判では、広島市で起きた強盗傷害事件で、重傷を負った被害男性(50代)の妹のコメントが読み上げられました。

「生活基盤を崩された」
「生活基盤を崩された」
「兄は左半側空間無視の状態で、後遺症に苦しんでいます。(※右脳へのダメージにより視力があっても左空間を認識できない高次機能障害)一人で外出、行動することができません。父親は高齢になりましたが兄の介護を必死にやっています。生活基盤を崩された悔しさは計り知れません。断じて許すことは出来ません。私たち家族の人生を大きく狂わせた被告に最も厳しい処罰を望みます」
藤田被告の手紙から
「私が当時、どんな状況にいて、どのような理由があったにせよ、いくつもの場面で自らの行動を決めてきたのは自分自身ですし、この様な罪を犯してしまい、いかなる言葉をもってしても許しを請うことなどできないと思っています。生きている限り永遠に続く反省と、こんなはずではなかったのに、という後悔と無念しかありません。限りない袋小路に近い道を歩いていたことに気付くことすら出来ず、本当に自分の愚かさが呪わしいです」

 一連のルフィ事件をきっかけに、世に広く知れ渡るようになった闇バイト。手紙の最後に、藤田被告は、こう語っています。

「闇バイトは無くなることはない」
「闇バイトは無くなることはない」
「闇バイトは無くなることはないだろうと思っています。ほとんどの闇バイト応募者は金に『困って』といいますが、家族の薬代や治療費に困って、とか体を悪くして働けず金に困ってという人はまず、いません」
「SNSが悪いとは言えませんが、闇バイトに参加する人は、SNSの中の世界に憧れて、SNSで稼げる仕事を探し、SNSを通じて集まり参加し、破綻に向かう、一つのパターンの様なものがあると思います。根本的な問題を解決していかなければ、またイタチごっこで終わってしまうのではないかと思います」

(2026年2月27日放送分より)

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