飼いきれなくなった高齢者が、ペットを手放すことが、社会課題として取りざたされている。
【映像】130匹の猫と4匹の犬が共同生活する様子(実際の映像)
保護団体「ねこひげハウス」には、新しい受け入れ先を待つトイプードルをはじめ、130匹もの猫と4匹の犬が暮らしている。保護犬ボランティアは「動物主体で動かされるのではなく、人間主体で動きを決める。そういう生活にしないと、関係性は作れない」と語る。
動物たちのためにシェルターを建て、ほとんどがボランティアであるスタッフは、日々のお世話に精いっぱいだ。「かまって欲しい子には、積極的になでたり、抱っこしたりするが、1分ずつでも130分かかる」。
運営自体も寄付により成り立っており、中でもかかるのが医療費だ。1週間ほど前にやってきた野良猫のメメちゃんは、「目が見えなくなった」と近隣住民から連絡があり、保護することになった。調べると心臓に重い病気もあり、施設で処置をしている。
他にも、ねこひげハウスでは、手足が不自由な猫などを積極的に受け入れている。「行き場を失う子たちは、本当に困っている子たちだ。たくさんは保護できないが、1匹でも救ってあげたい」。こうした保護団体の努力により、ここ20年で殺処分された犬と猫は減少している。
しかし、それにも限界はある。「(猫1匹育てるのに)どんなに安くても200万円くらいかかる。10匹だと2000万円。自分が借金するつもりで、覚悟して保護している。『何かあったら愛護団体が簡単に引き取ってくれる』と思う人は多いが、全然そんなことはない」。
善意の上で成り立つ活動の一方、それでも捨てられてしまう命もある。『ABEMA Prime』では、犬や猫などの保護活動について考えた。
■「ねこひげハウス」の活動

ねこひげハウスの石川砂美子代表は、「私も猫を飼っているただの動物好きだったが、動物病院でたくさんの猫を連れている男性に出会った。その人の家を訪れたら、200匹近くの猫が詰め込まれていて、あまり世話せず囲い込むだけの“アニマルホーダー”と言われる存在を知った。ただ当時は、行政や愛護団体に相談しても解決策がなく、『私にできることはないか』と愛護団体を立ち上げた」と説明する。
運営資金については「SNSやウェブで募っている。団体や企業、クラウドファンディングの力を借り、『命を助けたい』という一般の人々に支えられながら、何とか頑張っている状況だ」とする。
もし、ボランティア体制に何かあった場合は、どうするのか。「保護した以上は、最後まで責任を取らないといけないが、確実な解決策はない状態だ。後継者もなかなか見つからない。同じことをしている人は全国でも多くないため、危機感を強く感じている。私が倒れても回るように考えているが、不安はたくさんある」。
■「基本的には譲渡につなげたい」

多頭飼育や虐待など、動物保護に関する事案を多数手がけている細川敦史弁護士によると、「2012年の法改正までは、保健所が何でも引き取らなければならなかった。業者に加えて、『ちょっと飼ってみたが飼えなくなった』『ペット禁止で怒られた』なども引き取っていたが、いい加減な理由は拒めるようになったため、殺処分数も減ってきた」という。「手をかけて、慣らしてから譲渡できるようになったが、そのしわ寄せが民間団体に来ている」。
石川代表は「基本的には譲渡につなげたいが、うちが保護している子は、シニアや疾患があることが多い。そういう子は譲渡の申し込みが少なく、生涯を施設で終えることが多い。『そんな子だからこそ』と手を挙げる人が増えるといいが、現実的には難しい」と吐露する。
資金面でも「前期は赤字で、いつもギリギリの状態だ。施設で保護するにも、健康診断などに費用がかかる。動物は保険がきかないため、治療費もかさむ。飼育費は支援物資を送ってもらえて、だいぶ抑えられてはいるが、治療費はかなりかかってしまう」と明かす。
■「保証人がいないとダメではないか」「ペット税をつけるべき」

ギャルタレントのあおちゃんぺは、「国も動物に回すお金はあまりないはずだ。国民からの同意が得られない場合もあるだろうが、『支援できないならペットショップはなくす』か、『ペットショップを継続するなら支援する』のどちらかに絞るべきだ」と考えている。
また、ペットを飼うにあたっては「家を借りる時のように、保証人を付けた方がいいのでは。年齢にかかわらず、いつ病気になったり、命を失ったりするかわからない。もし本人が亡くなっても、『この人が絶対に育てる』という保証人がいないとダメではないか」と提案する。
そして、「動物好きな人から“ペット税”を取るのはどうか。飼うハードルが上がり、税金を保護団体に渡して、役立ててもらえるため、あまり反対意見は出ないのではないか」とのアイデアを出した。
(『ABEMA Prime』より)