社会

ABEMA TIMES

2026年3月12日 12:15

廃棄されるクマ肉を“くまギスカン”に…現役ハンターが目指す「狩猟を“業”に」

廃棄されるクマ肉を“くまギスカン”に…現役ハンターが目指す「狩猟を“業”に」
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 去年、全国でクマの捕獲頭数は1万2000頭を超え、過去最多を記録した。駆除されたクマはそのほとんどが山に埋める形で処分されているというが、クマの命を無駄にしない取り組みがある。

【映像】現役ハンターが作る「くまギスカン」(実際の映像)

 安倍晋三元総理のモノマネで知られる芸人・ビスケッティ佐竹が訪れたのは、君津市にある「猟師工房ドライブイン」。猟師工房の名の通り、鹿肉や猪肉などのジビエ料理が楽しめるレストランだ。

 店内には猪のはくせいが展示されており、猪のフランクフルトや鹿のチョリソーなどのお土産物も充実。中には、千葉県で大量発生しているキョンのジャーキーも販売されていた。

 ちなみに、こちらのレストランは1人3000円(子ども1500円)からのビュッフェスタイルだ。提供されている料理を見てみると、鹿のチョリソー、鹿のハンバーグ、鹿肉を使った麻婆豆腐、そして鹿肉を使ったジビエグラタンなどがあった。

 そして、今回の目当てはジンギスカンならぬ「くまギスカン」。富山県でとれたクマの肉を使用し、甘辛く味付けされている。冬眠が明ける前のこの時期のクマ肉は入手が難しいため「お持ち帰り用」のみの販売だ。

 今回は特別に店内で調理していただくことに。佐竹は「柔らかいです。めちゃくちゃ美味しい。牛肉の方が近いと思いますけど、すごく食べやすい」と感想。味付けはデミグラス風味でニンニクの香りがほのかに香る。

 株式会社TSJ代表取締役の仲村篤志氏は「冬眠前は脂が乗っていて、クマ肉って脂を食べるもので脂が美味しい。(この時期のクマ肉は)筋肉が多いので商品価値的に少ない。やっぱり硬いので、それをタレ付けすることによって筋繊維を崩して誰でも簡単に食べやすく加工している」と明かす。

 自身もハンターである仲村氏によれば、冬眠から目覚め、春から夏にかけてとれたクマ肉は今まで商品価値がなくほとんど廃棄されてきたそうで、これでは猟師たちの実入りも少なく新たな担い手も生まれない。

 そこで仲村氏は、これまで商品価値がないとされたこの時期のクマ肉をあえて買い付け、シーズンに関わらずスライス方法や味付けに工夫を凝らし商品化することでクマ肉の新たな流通経路を確立しようと奮闘している。そのひとつがこの「くまギスカン」というわけだ。

 仲村氏は「いい時期の肉は飛ぶように売れるが、夏の時期だったり、これからの春先の時期にとれるクマは脂がない。それをできるだけ加工品とかにしたりして、僕たちが売るというところを担いたい」と語る。

 そこでこんなビジネスモデルを構築していた。「ぶら下がっているのが千葉で問題になっている特定外来生物のキョンだ」と説明する仲村氏。ジビエ肉の加工も、自社で経営。こちらの工場ではキョンや鹿、猪など猟師たちから直接仕入れ加工し、道の駅などの店舗に卸している。

 つまり仲村氏の行うビジネスモデルは、これまで猟師が担ってきた狩猟・解体・小売のうち解体と小売を切り離すことで猟師は狩猟に専念できる。そして適正な価格で仕入れることで猟師の収入も安定化し、職業として成り立つことを目標としているのだ。

 加工工場でも雇用が生まれ、仲村氏は若い人たちが参入できるよう心がけ、積極的に採用しているそうだ。目標はジビエによって、猟師から売り手まで収益が確立された職業になることだ。

 仲村氏は「銃を所持されている方々って非常に苦労されてリスクも背負いながら駆除されていると思う。そういった方々のステータスが上がっていかないと持続可能な担い手がいなくなる。林業というし漁業という。でも狩猟は業がつかない。つまり『業』としてみなされていない」と指摘する。

 さらに「ジビエが発展していけば、駆除する方々の労力が軽減される。そういった業として確立していくことが今後の課題」と述べた。

 ちなみに、くまギスカンとご飯を一緒に食べた佐竹は「非常にクマ肉の美味しさと、お米がマッチして非常にアジノミクス感じる次第であります。この連立は非常に安定性を感じさせますので長期政権になるのではないかと思っております」と感想を述べた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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