原発から出る“核のごみ”の最終処分場の候補地選びで、政府は太平洋に浮かぶ南鳥島の調査を始めたい考えです。この週末、東京都小笠原村で住民説明会が開かれ、村民からは不安や懸念の声が相次ぎました。
人口2000人の離島が揺れる
東京から南に、およそ1000キロ。太平洋に浮かぶ小笠原諸島の父島は、東京都の一部でありながら亜熱帯の気候で、エメラルドブルーの海にはウミガメやクジラが姿を見せます。
独自の生態系を持ち、世界自然遺産にも登録された漁業や観光業が盛んな島です。ところが…。
「ほんとに『え?』って、突然だったからね」
「観光にも漁業にも、影響が出ないとは言えない」
同じ小笠原村に所属する南鳥島が、いわゆる“核のごみ”の最終処分場に適しているかどうか、政府が「文献調査」を申し入れました。
急浮上した事態に、人口2000人の離島が揺れています。
説明会 住民不安
経済産業省は今月3日、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の候補地として南鳥島での文献調査の実施を申し入れました。
これまで国は、自治体が名乗り出るのを待っていましたが、今回は国から指名した初のケースです。
文献調査に応じると、自治体には最大20億円が国から交付されます。年間予算67億円の小笠原村にとって、大きな金額です。
「20億円で保育園ちゃんとしてくださいよ。手術ができる病院、お産ができる病院つくりましょう」
14日、住民への説明会が初めて開催されました。そこでは、こんな意見が出ました。
「距離が遠いですよね。どこにあるか知ってます?」
南鳥島は、父島のさらに南東1200キロ。面積は1.5平方キロで、皇居と同じぐらいの広さです。
最終処分場には、大きな地上施設が必要で地下300メートル以上の深さまで掘ることになります。
「南鳥島に行ったことがある。標高の低い平たい島なので、高波とか津波とかの時にちゃんと(安全が)担保できるのか」
「工事するのも大変、運ぶのも大変。あまり現実的じゃない」
掘り出した土をどうするのかという問題もあります。国の担当者は…。
「調査を通じて明らかにしていく。“文献調査”地区を拡大していくことは必要」
小笠原村で確定させるというわけではなく、まずは文献調査の対象を増やすといいます。
判断を迫られる、小笠原村の村長は次のように話します。
「(説明会が)始まったばかり、今の段階でお答えできない」
(2026年3月16日放送分より)







