社会

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2026年3月20日 11:00

審査員は小学生 日本一の語り手は?紙芝居グランプリ “紙芝居師アイドル”に密着 

審査員は小学生 日本一の語り手は?紙芝居グランプリ “紙芝居師アイドル”に密着 
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 絵を1枚1枚抜いて場面を展開していくことで、一つの物語を表現する紙芝居。番組では、その語り手の日本一を決める大会を取材した。知られざる紙芝居の魅力とは?

汗だくになるまで練習

 日本一面白い紙芝居の語り手を決める大会が、15日に大阪市で開かれた。

 その中で、異彩を放っていたのが、にぎやかに歌い踊る紙芝居師・おきゃんさん。

 「紙芝居の楽しさを知ってもらいたい」と、地元の公園などで活動してきた。自宅を訪ねると。

息子 ひなたくん(8)
「ひなたくん8歳です」
おきゃんさん
「老若男女に愛される紙芝居界のアイドル、おきゃんです」
「(Q.年齢は?)聞かないでください!」

 そんなおきゃんさんと紙芝居の出会いは、約5年前。2人目の出産とコロナ禍の外出自粛で、気がめいっていたおきゃんさん。子どもと楽しめる習い事を探し、紙芝居のワークショップを見つけたという。

前回、前々回は準優勝
前回、前々回は準優勝
「紙芝居をきっかけにいろいろな輪が広がっていくからすごく楽しいし、やっていくうち難しさもすごく感じていて。紙芝居グランプリに毎年出ているけれど、どこが悪かった?」

 前回、前々回は準優勝と、悔しい思いをしたおきゃんさん。今年こそは優勝を目指し、前日練習から気合十分!

「この紙芝居、2人が驚いてくれるまでこの紙芝居終わらへんからね。取材終わっても帰さへんで!」

 おきゃんさんの紙芝居は、観客を巻き込むスタイルだ。練習に協力する息子のひなたくんも、実は小学2年生にして大会に出場する紙芝居師の1人だ。

息子のひなたくんも…
息子のひなたくんも…
「ひなたくん8歳、紙芝居はじまりはじまり〜」

 汗だくになるまで練習に力を入れる紙芝居の魅力とは?

「初めて会った人といきなり仲良くなるのはすごく難しいけれど、紙芝居というツールを使ったら、終わったころには仲良くなれるから、それがすごく紙芝居、魅力的だなと思いますね」
ひなたくん
「ママが楽しいから、周りのみんなも僕も楽しくなる」
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「ベストパフォーマンス」

 迎えた本番当日。今大会最大の特徴は、審査員が全員小学生。参加者19人がプライドをかけ競い合う。おきゃんさんが初戦に選んだ演目は、オリジナルのホラー作品。

観客参加型の演出
観客参加型の演出

 絵をくり抜いて自身の顔を使い、観客参加型の演出で大いに会場を沸かせた。

来場者
「変顔がおもしろかった」
「おきゃんの紙芝居、私もめっちゃ大好きで。もうちょっと肩の力抜いてほしかったな」

 そして。判定は…。

「おきゃ〜ん!」

 親しみやすい変顔が評価され、準決勝へコマを進めた。

 一方、ひなたくんは、会場は盛り上がったものの、健闘むなしく初戦で敗退。

おきゃんさん  
「めっちゃよかったで!めっちゃがんばってたやん!盛り上がってたで!」

 おきゃんさんは、ひなたくんの思いも背負い準決勝へ。しかし…。

「464点!」
「2点差で、おとじろうさんが勝ちあがりました」
2点差で敗れるも…
2点差で敗れるも…
おきゃんさん
「今までのベストパフォーマンスは出せたので、やり切った感はあるんですけれど、またブラッシュアップして、来年に向けて頑張ろうと思います」
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知られざる紙芝居の歴史

 紙芝居の歴史について詳しくみていく。

紙芝居の歴史
紙芝居の歴史

 昭和5年1930年ごろ、飴などを売ることで商売をする街頭紙芝居から歴史は始まる。中でも人気作は日本初のスーパーヒーロー「黄金バット」。全国に広がっていったという。この時代、世界恐慌の影響で失業者が増えていたこともあり、東京だけでも約2000人の街頭紙芝居師がいたそうだ。

戦時中にはプロパガンダにも
戦時中にはプロパガンダにも

 紙芝居は戦時中、プロパガンダにも利用された。戦時下の日本では戦意高揚のための国策紙芝居が盛んに作られ、学校や地域の集まりなどで演じられたそうだ。

 また、国外の占領地などでも、文字に頼らないメディアという特徴を生かして、現地での宣伝・協力喚起の手段として利用され、当時そうした文化がなかったアメリカもメディアとしての重要性に注目。GHQにより検閲が行われたという。

 戦後再び子どもたちの娯楽として人気となったが、1950年代後半からはテレビなどの娯楽に押され下火になった。1967年には小学校の備品からも外され、需要が激減してしまった。

 しかし、そんな紙芝居は今「世界のKAMISHIBAI」として広がりを見せている。

海外へと普及
海外へと普及

 1990年代以降、ベトナムやラオスなど海外へと普及。「紙芝居文化の会」によると、現在では58の国と地域で親しまれているそうだ。

 絵を中心とした表現のため、識字率が低い国や地域でも大勢の子どもたちが一緒に楽しんでいる。

 世界に広がった紙芝居の魅力について「紙芝居文化の会」の野坂悦子さんはこのように話していた。

「絵本の場合は、自分という『個』の感性を通して、作品世界を楽しみ、自分のものにする。一方紙芝居は『共感』の感性を通して、作品世界を自分のものできるのが最大の魅力。『一緒にいるのって楽しいね』という感覚を育み生きている喜びを分かち合ってほしい」

(2026年3月19日放送分より)

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