社会

ABEMA TIMES

2026年3月20日 12:15

“核のごみ”受け入れる?白羽の矢が立った地元村議「多分、小笠原でしかできない」「原子力行政の反対意見を持つ方と歩み寄るのは難しい

“核のごみ”受け入れる?白羽の矢が立った地元村議「多分、小笠原でしかできない」「原子力行政の反対意見を持つ方と歩み寄るのは難しい
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 先日、小笠原村で行われたのは、「核のごみ」の最終処分地の選定をめぐる住民説明会。経済産業省は3日、原子力発電所の稼働に伴い発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の候補地として小笠原村の父島から東南東に約1300キロの位置にある南鳥島での文献調査の実施を申し入れた。

【映像】白羽の矢が立った南鳥島(実際の映像)

 「文献調査」とは、過去の文献や資料から、その土地の地盤や地質が最終処分場に適しているか調査するもので、最終処分場の場所を選定する3つの手順の第一段階に当たる。今回、父島で行われた説明会には住民147人が参加し、国の資源エネルギー庁やNUMO(=原子力発電環境整備機構)の担当者から文献調査の概要などが伝えられた。

 説明会に参加した住民からは「距離感の問題で、あまり当事者意識になりきれていない。電気の恩恵を受けているわけだから、前向きに考えなくちゃいけない」「『この土地を選ぶのはどうなのか』と言っている村民の方が多かった」などの声が上がった。

 そんな中、小笠原村の渋谷村長は「説明会が終わって以降のプロセスも含めて、自分なりに考えてみたい」と、21日にも母島での説明会を予定しており、その後、住民や村議会の意見を踏まえながら受け入れるか否かの判断を行うという。

 一方で、今回注目されたのは「国からの申し入れ」だったこと。核のゴミの最終処分場の選定がなかなか進まない中、国が主導で動くことで何が変わるのか。全国の原発にある

使用済み核燃料の貯蔵容量があと数年でいっぱいになるといわれる中、最終処分場の選定を進めるために何が必要なのか。『ABEMA Prime』では、国の申し入れを受けた小笠原村の村議とともに考えた。

■「自分事」として捉えるまでの葛藤

平野悠介氏

 小笠原村の村議、平野悠介氏は受け入れに賛成だが、当初は否定的な考えを持っていた。「一番最初に説明を受けたとき、なかなか受け入れられないと思った。しかし、この1カ月、情報を調べ、自分事として考えたときに、多分、小笠原でしかできないのではないか。小笠原の発展に繋がる形にしていかなきゃいけないと思うようになった」

 地元の空気感については、「自分事じゃない感が結構ある。小笠原ではあるが、近い島ではないから、反対とも言いにくい。ただ、問題があることは事実なので目を背けることもできない。しっかり考えなきゃいけないという意味での賛成の方がいらっしゃる」と説明した。

■国の「本気度」と地質の適合性

小林史明衆議院議員

 自民党の小林史明衆議院議員は、国が主体となって申し入れを行った点について「今まで一度もやったことがなかった。今回、非常に踏み込んだ対応を国として行った。自治体の首長が責任を持って議論しきるのは難しいため、国が表に立って説明し、風評被害がないよう丁寧なコミュニケーションをやり続ける。非常に大きな一歩になる」と語る。

 なぜ小笠原の南鳥島なのか。「日本の離島は下に活断層が多いが、南鳥島には活断層がない。また、将来的に間違って掘り返さないよう、鉱物資源がない場所を選ぶ必要がある。その条件に合致している」と解説した。

■「『そこでもういいじゃないか』と追い詰められるようなプレッシャーになる」

 使用済み核燃料の貯蔵容量が数年で満杯になると言われる中、小林氏は「再稼働をしていかないと日本のエネルギー事情は非常に厳しい。最終処分地をきちっと持っておかないと推進も難しい」と現状の切迫を語った。

 最終処分場の選定に向けた調査には、文献調査、概要調査、精密調査と20年以上の歳月を要する。スピード感を上げることについては、「技術的に大丈夫だから早められるのかという議論と、地域の方々の合意形成の時間という両面があるため、そう簡単にはいかない。候補地が非常に少ないと、進めば進むほど『そこでもういいじゃないか』と追い詰められるようなプレッシャーになる実態がある。より多くの候補地を明らかにし、みんなで議論を進めていくことが重要だ」と述べた。

 今後について、平野氏は、「原子力行政に対する強い反対意見を持つ方と歩み寄るのは難しい。しかし、目の前にある核のごみは避けて通れない。自分の子供の世代にこれを持ち越してはいけない」と強調した。

(『ABEMA Prime』より)

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