社会

ABEMA TIMES

2026年3月22日 12:45

「1本400億円超かかる」ヒット保証が絶対条件、“ハリウッド映画の裏側”を専門家が解説

「1本400億円超かかる」ヒット保証が絶対条件、“ハリウッド映画の裏側”を専門家が解説
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 今年もアカデミー賞の授賞式が行われた。作品の多様性や、セレブの政治的メッセージで注目される映画業界だが、その裏側はいったいどうなっているのだろう。『ABEMA Prime』では、アメリカのメディア・エンタメビジネスに詳しい専門家が説明した。

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■1本400億円超、ヒットが前提の「大作主義」

 ソニーアメリカの筆頭副社長やワーナーミュージック会長などを歴任した、金沢工業大学・虎ノ門大学院教授の北谷賢司氏は、「メジャースタジオでは、大きな作品を作ると、1本200億〜300億円かかる。北米での劇場公開に、さらに200億円の宣伝費をかける。北米だけでも400億円で、グローバルだともっとかかる」と説明する。

 そして、「だから彼らは、『アベンジャーズ』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』のような、ヒットが保証されている作品に絞り込む。ハリウッドのメジャースタジオによる作品は、どんどん減っている。ソニーピクチャーズでは私がいた頃、年20本程度作っていたが、いまは少ないところで8〜10本。他のプロデューサーの作品も扱うため、数十本も配給しているように見えるが、実際の制作数はかなり少ない」と明かす。

■独立系作品とハリウッドメジャーの役割分担

 制作体制の違いもある。北谷氏は、「とがっていたり、メッセージが強かったりする作品は、独立系のフィルムだ。制作費は10億円以下、もしくは最大20〜30億円で作られる。インディーズフィルムのカテゴリから、登竜門である映画祭にエントリーして、そこで高く評価されると、メジャースタジオが配給契約をしてくれる。一方でハリウッドメジャーは、大作の本数を減らし、必ずもうかる仕組みでやる」。

 業界の現状として、「ほぼ当たるものしか作らない。経営上のリスクが大きく、200億〜300億円マイナスで、回収できなければ大変なことになる。ハリウッドのエグゼクティブは、みんなボーナス制のため、皆が興味あるのは経済的な成功だ」と語る。

 つまりは「逃したくない」が優先される世界になっている。「かつて主流だったポートフォリオ・マネジメントでは、10本制作したうち、2本が大当たりすると、残り8本のロスをカバーできるうえに、もうかった。しかし毎年、制作費が高騰して、俳優のギャラも上がると、絞らざるを得なくなった」。

(『ABEMA Prime』より)

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