社会

ABEMA TIMES

2026年3月29日 13:45

「オイルショックを超えている」イランめぐる“石油危機”…日本の備蓄って大丈夫?自粛すべき?専門家が解説

「オイルショックを超えている」イランめぐる“石油危機”…日本の備蓄って大丈夫?自粛すべき?専門家が解説
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 国際エネルギー機関(IEA)が在宅勤務の推奨など石油消費に対する10項目の節約対策を提案する中、日本のエネルギー政策の現状について、『ABEMA Prime』で、エネルギー経済社会研究所代表の松尾豪氏に話を聞いた。

【映像】日本の石油備蓄量(詳細)

■現在の状況

松尾豪氏

 現在の日本の状況について、松尾氏は「どのタイミングで節約モードに変えていくかという話だ」とした上で、「私自身は、今この瞬間に必ずしも節約モードに行くべきだとは思っていない」と話す。

 現在はスタグフレーションのリスクが叫ばれる中で通常通り経済を回していくという政府の方針を理解できるとし、「今はまだ直ちに節約モードにする状況ではないというのが国の見解だろう」と分析した。

 しかし、将来的なリスクは看過できない。「輸入する原油の代替調達が確保できなければ備蓄量は減っていく。どこかのタイミングでは節約モードに変えなければならない。中東の油田が止まった場合の再稼働には1カ月以上、輸送を含めると最低2カ月のリードタイムが必要になる」。

 さらにLNG(液化天然ガス)については、「ガスを液体にする装置を冷やすのに3カ月かかる」と供給途絶時の対応の難しさを強調した。

■「第1次、第2次オイルショックを超えている」

 過去の危機との比較について、「供給の減り方で申し上げると、第1次、第2次オイルショックを超えているのが実態だ。ロシアによるウクライナ侵攻後、欧州へのガス供給停止を含め、量としては過去の危機を上回る規模のエネルギーが出なくなっている」という。

 家庭への影響については、「今この瞬間の燃料代が非常に上がっているので、値上がりはほぼ避けられない。ご家庭でできる節約術はやっていただきたい」といい、2022年にサハリン2からの供給停止が懸念された際、ガスの使用制限令が取り沙汰されたことに触れ、「産業全体を止めて省エネモードに持っていくことを考えなければならないタイミングが来るかもしれない」との見解を示した。

■今後は?

 今後のエネルギー自給率向上については、「原子力の重要性が高まっている」と指摘する。特定重大事故等対処施設の設置期限による原子炉停止ルールについて、「ルールを柔軟にできるのではないかという話も出ている。安全性を大前提としつつ、どのレベルまで審査を合理化し、稼働中に対策を進めていくかについては慎重な議論が必要だ」と述べた。

 現状の不安に対しては「政府は『節約をしないでください』と言っているわけではない」。一方で、最悪のケースについては「最後、物がなければ移動ができなくなる。物流を優先するために自家用車の移動自粛を求めるような、計画経済的な発想にならざるを得ないことも起きるかもしれない」とした。

(『ABEMA Prime』より)

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