社会

ABEMA TIMES

2026年3月29日 15:15

「Noと言ったら落ちる」オワハラの実態…就活エージェントも影響?当事者「『うちに来るよね?』前提で始まった」「フィーの高い方への誘導も」

「Noと言ったら落ちる」オワハラの実態…就活エージェントも影響?当事者「『うちに来るよね?』前提で始まった」「フィーの高い方への誘導も」
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 3月に入り、本格化する学生たちの「就職活動」。厚生労働省によると、この春、卒業予定の大学生の就職内定率は 92%で、調査を開始した1999年度以降、過去3番目の高さとなった。その就活をめぐり先週、立教大学や中央大学がある注意喚起をした。それが「オワハラ」。

【映像「うちに来るよね!?と言われ…」4社内定の男性が実際にあったオワハラ被害(詳細)

 オワハラとは「就活を終わらせるよう強要するハラスメント」のことで、一部の就職エージェントから「内定を辞退するなら、これまで費やした採用コストや研修費を要求する」「他社の選考を続けるなら、内定を白紙にする」「いまこの場で他社に辞退の電話をかけろ」と詰め寄られるケースが発生している。

 内閣府によると、「オワハラを受けた経験がある」と回答した割合は2024年度で9.4%とおよそ10人に1人の学生が被害に遭っていることに。一方で、売り手市場を背景に、企業側が困惑する事態も起きているようで、就職活動で必要以上に多くの企業から内定を取り、内定式や入社式のギリギリまで辞退を伝えないこともあるという。

 学生と企業の双方にとっていい就活とは何なのか。『ABEMA Prime』で考えた。

■「Noと言ったら落ちる」オワハラの実態…就活エージェントも影響?

亀村悠人氏

 4社から内定をもらった亀村悠人氏は、オワハラ経験がある。「最終面接前から『うちに来るよね?』みたいな前提で始まって、1on1でのランチの頻度も増えていった。これNoと言ったら落ちるやつだと思って、『行きます』みたいな形で答えていた」。その後、辞退するも会社から「なんでそっちに?」と強めに聞かれたという。

 こうした中で就活開始から内定獲得までサポートする「就活エージェント」もオワハラへの影響が取りざたされている。エージェントは学生の内定が成立した時点で企業側から成功報酬を受け取る仕組みとなっているが、企業支援を行うMomentor代表の坂井風太氏は、「入社が確定した際、学生の年収の30〜35%程度、例えば年収400万円の学生であれば120万円ほどがエージェントに入る」と説明する。

 そして、「この強い金銭的インセンティブが、エージェントによる強引な囲い込みや、他社の選考を辞めさせるオワハラを誘発する一因となっている。数字を上げる道具として学生を見てしまうのは、企業倫理として危うい」と述べた。

 亀村氏は、転職エージェントの利用経験を振り返り、「エージェントからするとフィーが高い方に行かせたいのではないか。『こっちは押してくる』『こっちはけなしてくる』という誘導があった」との見方を示した。

■「情報を遮断することも重要」

坂井風太氏

 一方で、学生側にも歪みが生じている。SNSで「内定を10社持っている」といった情報を発信し、承認欲求を満たそうとする「内定コレクター」の存在だ。 亀村氏は「Xで早く内定を取りましたという情報を出し、『いいね』したら情報を渡すといった形で動いている学生もいる」と語る。

 坂井氏は、こうした風潮に対し「内定の数が多いことが大事なのではなく、10年後を振り返ったときに、最初に入って良かったと思えることが本質。情報戦とは、単に情報を仕入れることではなく、何の情報を遮断するかも重要であるはずだ」と警鐘を鳴らした。

■「長期インターンは大事な制度」

 就活のテクニックがあふれる現代、坂井氏は「学生が思っているほど差別化は図れていない。むしろ、TOEICの点数や役職といった『見えやすいもの』ばかりを競うのではなく、企業はもっと『見えにくいもの』を見ようとしている」と指摘。

 また、採用面接官としての経験を交え、「面接には限界がある。最初からどういう働き方をする人なのかを見なければいけない。長期インターンをするメリットは、企業を知れる以上に、企業側としても『うちに合うね』と分かったりする、大事な制度だ」と主張する。

 続けて「自分には何もないと劣等感を持つ必要はない。誠実であることや裏切らないことの方が、10年先を考えれば重要であり、そこを堂々とアピールすべきだ」とした。

(『ABEMA Prime』より)

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