昨年竣工したばかりの新宿区のマンションでオートロック機器が盗まれる事態が発生した。一体何が目的だったのか。
現場マンションは、去年6月に建てられたばかり。オートロックの設置にかかった費用はおよそ95万円。それが持ち去られてしまったため、現在も自由に出入りできる状態になってしまっている。
改めて浮上する謎。一体なぜオートロック機器を盗んだのか。1つ目の仮説は「犯罪の準備」だ。元警視庁刑事の吉川祐二氏は「このような形で破壊することによって、一切オートロックがきかない状態になる。犯罪の準備であることも十分考えられる」と語る。
オーナーによると、現在マンションは共用部分までは自由に出入りできる状態だという。今回の窃盗は、あくまで準備に過ぎず、今後、更なる被害に遭う可能性を指摘する。
2つ目の仮説は「転売目的」だ。吉川氏は「パネルなどを含めて転売する目的。これがもしも転売目的であるならば、売り先はある程度特定している」と述べる。
転売目的といえば、エアコンの室外機や水道の蛇口などが盗まれるケースが相次いでいる。背景にあるのは、銅やスズ、真鍮など金属価格の高騰が指摘されている。
そもそも、オートロック機器の市場価格はどれくらいなのか。設置業者が匿名を条件に取材に応じてくれた。
オートロック設置業者のA氏は「大体30万円から50万円ぐらい。大きい方になると100万円まではいかないが、そのぐらい」と語る。あくまでこれは新品で購入した場合の価格だ。
さらに、「たまにネットで見ると、“親機”を売っている。『集合インターホン』『中古品』で調べると、メーカーと型番とか出てくる」と述べる。
A氏がいう「親機」とは、まさに今回盗まれたマンションの玄関に設置されている機器だ。オートロックは通常、この「親機」と部屋にある「子機」、この2つが揃わないと使用できないためセットで販売されるが、中古品で「親機だけ」を売っているケースもあるという。
実際にフリマサイトを見てみると、オートロックマンション用玄関機が2万円前後、中には1万円台のものもあった。親機と子機のセットは14万円ほどだったが、親機単体だとかなり安価に取引されていた。
ではなぜ、セットでなければ使えない“親機”だけが売られているのか。A氏は「例えば30室とか(のマンション)で親機だけ壊れちゃったっていうケース。その時に全部入れ替えるのは大変なので、探す方はネットで買えれば本当安上がり」と明かす。
さらに、A氏はもう1つの可能性「スパイ目的」を指摘する。「例えば他のメーカーの機械って開発側からするとバラして触りたいというのは絶対にある。調べたい」。
A氏によると、今回盗まれた機器がもしも最新のものや海外製の珍しいタイプのものなら競合他社が解体して調べるために盗んだ可能性もあるという。しかし、「犯罪してまで物を手に入れなくても。ちゃんとどこかのルートで物は入るから、あえてとる必要はない」と述べる。
マンションのオーナーによると、防犯カメラの男に見覚えはなく、警察署に相談はしているが、その後、まだ進展はないという。付け替えの手配はしているが、まだ工事はできておらず、住人たちは不安な日々を過ごしている。
(『ABEMA的ニュースショー』より)