東京都内の家賃が高すぎるという理由で、新宿でデモが行われた。東京23区のマンション平均家賃(単身者向け)は2月時点で約11万円と、6年前から2万円近くもアップ。カップル向けや家族向けも、それぞれ高騰している。
それでも人口が増え続ける東京。『ABEMA Prime』では、東京暮らしを諦めた当事者や、専門家とともに、「東京で暮らすこと」について考えた。
■年々高騰する都内のマンション

都心中古マンションの高騰が続いている。2月の東京23区中古マンション価格(70平方メートルあたり)は1億2349万円と、22カ月連続上昇となった。前月比から1.9%増で、前年同月比からも35.2%となっている(「東京カンテイ」調べ)。
家賃更新をめぐるトラブルは、都内消費生活センター受付分で2022年度は212件、2023年度は314件、2024年度は517件(うち4〜12月分が351件)、2025年度が738件(速報値)と右肩上がりだ。東京都消費生活センターに寄せられた相談例としては、賃貸マンションに家族と同居する30代男性からの「『2カ月後の更新時から家賃を2万円値上げする』との書面が管理会社から届いた。どうしたらいいか?」といったものがある。
不動産会社「ないけんぼーいず」の中島翔代表は、「中古マンションの価格が上がると、大家が金融機関に返済する金額も増えるため、家賃も上がる」と説明する。「都内で予算が厳しければ、東急田園都市線で渋谷に出やすい神奈川に住む選択肢も増えている」。
賃貸物件には、期限が来ても借主(住人)の希望があれば更新可能な「普通借家」と、期限が来たら原則退去となる「定期借家」があるが、「普通借家では借りている方が優位で、家賃が上げづらいため、定期借家は増えている。僕が今住んでいる家もそうだ」と明かす。
クリエイターユニット・午前0時のプリンセスの大内アイミは、「福島から去年くらいに東京に越してきた。それまで家賃が気になって、福島から通ってきていたが、東京に引っ越した方がチャンスは増えると感じた。そういう人は多いだろう」と語る。
同じく午前0時のプリンセス・momohahaは、「中学生時代から、神奈川から1時間半かけて通っていたが、移動だけで精神的に疲れた。朝6時からの撮影だと、始発でも間に合わず、前乗りしないといけない。都内に引っ越してから精神的にも楽になった」という。
■東京を離れて地元へUターン「家賃は上がるのに住環境は低下した」

4人家族のりーりさんは、東京に住んだものの「嫌い」になった。2022年12月に京都から東京へ移住したが、2024年に再び京都へと移住している。東京生活の嫌な点として、「子どもが風邪をひいてもすぐに医者にかかれない」「病院の予約もコンサートのチケットをとるみたいな感じ」「この値段でこのご飯?みたいなサービスの低さ」を挙げる。
東京時代を「生活の質がすごく下がった。家賃は上がっても、病院や役所が遠くなり、子どもが遊べる場所も少ないなど、住環境が低下した。家そのものの設備も下がり、飲食店もおいしくなくても客が入るため、サービスが向上しない店ばかりだ」と振り返る。
2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、「子どもを考えると『家が広い方がいい』と東京の住みづらさを感じるが、反対に東京は徒歩圏が広い。京都もそうだが、地方は車社会だ。飲み会に行くために運転代行を借りるなど、余計に高くなることもある。1人暮らしなら、東京の方が給料も高く、安く済むこともあるのでは」とする。
りーりさんは、「1人暮らしをするには、東京はすごくいい。1人で仕事をして、帰りにエンタメを消費したり、食事したり、買い物したりするには便利な街だ。ただファミリーには、ちょっと住みにくい」と話す。
東京での実感として「沈みゆく船のような『行けば食べていける』感じの人が多いのではと思った。満足して暮らせる人もいるだろうが、とりあえず行っている印象がある。どれだけ夢を持っている人はいるのか」といい、「ここで子育てをするのはどうなのかと思い、京都に帰った」と話す。
「東京は好きではなかったが、引っ越す時は『首都だし、きっと楽しいことがある』と、希望を持っていった。しかし本当に何もない。もし自分が小さな島に住んでいれば比べようもないが、比べられる場所からの転居だったため、さらに嫌になった。私がド田舎の島にある数百人しかいない集落に住んでいたなら、『東京は便利で、新しいこともモノもたくさんある』と楽しんでいたかもしれない」。
中島氏は「単身で収入を上げるために、通勤時間の短い都内に住むのは有効的だ。高い家賃を払っても、軽減されるストレスはある。ただ一方で、広さが必要になるフェーズもある。優先度に合わせた家選びができれば、東京嫌いにはならなかったのでは」と問う。
そして、「地方は『家』に住み、東京は『街』に住む」との持論を語る。地方に住む場合は、その場所から移動しないという意思表示に近く、「家(住環境)」を重視する。東京に住む場合は、一口に東京と言っても地域ごとの文化は異なるため、自分が何をしたいか「街」を重視する。重要なのは「人生のフェーズ」で、住む場所は手段であって目的ではない、といった考えだ。
「東京ほど、駅ごとに特徴が違う街はない。渋谷から原宿の1駅でも違う。代々木へ行くと静かになり、また新宿でうるさくなる。住んでいる街が、自分自身のブランディングになっている部分もある」。
東京に住む上での心構えとして、「地域の良さをフェーズごとに考えられれば、『合わなければ次』となり、嫌いにはならない。ちゃんと見直すことが重要で、僕も年1回は必ず見直している」とアドバイスしつつ、りーりさんには「京都に戻って幸せなら、それはそれで良い」とした。 (『ABEMA Prime』より)