いま、日本の落語に世界が注目しています。
落語が新たな時代に突入しています。
女性の落語家や、外国人の落語家が活躍し、落語のアニメも始まっています。
■女性の噺家も躍進『落語の世界』扇子と手ぬぐいで多彩表現
落語家の春風亭一花(しゅんぷうてい・いちはな)さんについてです。
一花さんは、落語協会に所属し現在の階級は『二ツ目』です。
1987年、東京・台東区生まれ、春風亭一朝さんに弟子入りしました。
2025年10月に東西の若手落語家日本一を決めるNHK新人落語大賞で優勝、女性としては2人目で、2021年の桂二葉(かつら・によう)さん以来です。
一花さんは、2026年?の秋、最高位である『真打』への昇進が決まっています。
女性の落語家は増えています。
東京には落語家が所属する4つの団体があり、一花さんが所属する『落語協会』では、1993年に初の女性真打が誕生。
『落語芸術協会』では、2000年に初の女性真打が誕生しました。
最高位である『真打』は、現在約400人、そのうち女性は18人です。
「女性初の真打誕生で『女性でも落語家になれる』と知り、多くの女性が落語家を目指した」
落語家の階級についてです。
東京の落語家の階級には、『前座』、『二ツ目』、『真打』の3階級があります。
『前座』は、師匠方の着付けの手伝いや楽屋でのお茶出しなど、楽屋勤めをしながら修行して、師匠の許しが出れば、高座に上がれるようになります。
入門から3年から5年ほどで、師匠や所属団体などの判断で、『二ツ目』に昇進となります。
師匠の身の回りの世話から解放され、紋付きの着物や羽織を着ることができます。
『二ツ目』になってから10年ほどで、師匠や所属団体などの判断で、最高位である『真打』に昇進します。
『真打』になると師匠と呼ばれ、弟子を持つことができます。
落語協会に所属する春風亭一花さんの場合です。
2013年、26歳で『見習い』となり、翌年『前座』に。
2018年、31歳で『二ツ目』に昇進し、2026年の秋『真打』への昇進が決まっています。
そもそも、落語とは、江戸時代に盛んになった伝統的な話芸で、最後に『オチ』がつくのが特徴です。
落語という名も、もともと『オチがある噺(はなし)』という意味の『落とし噺(おとしばなし)』が由来と言われています。
落語には、古典落語、新作落語があり、滑稽話、人情話など庶民の日常を描いた話が多くあります。
落語は通常、『マクラ』と呼ばれる身近な世間話などで、観客の気持ちを引き寄せて本題に入ります。
落語の独自の世界、1つ目です。
落語家が使用する小道具は扇子と手ぬぐいだけで、演目の中に出てくる物を表現します。
扇子で、箸や、たばこのキセル、筆、手ぬぐいで、手紙や、本、財布などを表現します。
落語の独自の世界、2つ目です。
落語家は1人で、複数人を演じ分けます。
■女性落語家への道 弟子入りOKで「号泣」その時 師匠は…
春風亭一花さんは、どうやって落語家になったのでしょうか。
一花さんと落語との出会いです。
大学時代に落語好きな先輩に連れられ、落語を初めて観ます。
感銘を受けた一花さんは『落語家になろう』と家族に相談しますが、父親が『ダメだ!」と猛反対して、落語家を一旦諦めます。
その後、3年ぶりに寄席に行きました。
「匂いや出演者や演目が変わらないこと。同じことを同じ場所でずっと続けていることに妙に感動した。もう一度落語家を目指すことを決めた」
落語家になるには師匠へ弟子入りするしかありません。
では、どうやって弟子入りするのか。
弟子入りしたい師匠を出待ちします。
2回目の出待ちで喫茶店へ行くことになりました。
「断るために、『寄席はこんなところで嫌なところ』『だからよした方がいい』」と最初は弟子入りを断り続けました。
「真剣さが伝わってきた。生やさしい覚悟で来たわけではないと思って、(弟子に)とりましょうと言ったら泣き出しちゃった」ということです。
「うれしくて号泣してしまった。周りから見たら『若い女性を泣かせたおじさん』という状況になってしまい、師匠は気まずくなって帰ってしまった」
■若手落語家 お金事情は?“独特”ルールも 厳しい前座修行
落語家は、弟子入りした後が大変です。
弟子入り後に大変だったこと1つ目です。
一花さんが所属する落語協会の場合です。
前座時代は365日休みがなく、バイトも禁止。
高座に出ても給料はなく、寄席の手伝いなどが収入源だということです。
「先輩方がご飯に連れて行ってくれるので、食べるものには困らない」
弟子入りした後に大変だったこと2つ目です。
一花さんが体験した食事のルールです。
・基本、師匠と同じものを注文。
・師匠より先に食べ始めてはいけない。
・師匠が食べ終わるころに自分も食べ終える。
「師匠方は早飯で量が多い時は大変」
一花さんの稽古方法です。
声に出して歩きながら稽古する、というものです。
ある日、地元での稽古中、その姿を友人が目撃しました。
「なんかブツブツ言って歩いていたから、声を掛けられなかった」と言われてしまったということです。
■女性落語家描く人気漫画『あかね噺』アニメ化 制作の裏側
女性の活躍の舞台は、漫画にも広がっています。
『あかね噺』です。
週刊少年ジャンプで2022年2月から連載中です。
単行本は現在、21巻まで発売されていて、累計発行部数は350万部です。
どんな話なのでしょうか。
主人公は桜咲朱音(おうさき・あかね)という負けん気の強い女子高校生です。
幼いころから噺家の父の背中を見て落語に魅了されていた朱音が、落語家の最高峰“真打”を目指して突き進む、本格落語ものがたりになっています。
アニメにもなっています。
4月4日、土曜日の夜11時30分から放送が始まりました。
春風亭一花さんのおすすめポイントです。
「朱音がふすまから父の練習する姿を見て『魔法みたい』と感じたところ」ということです。
「『魔法みたい』と私も同じことを思った。弟子入りすると、客席から見てはいけないルールがあり『袖から学べ』と言われてきた。朱音も同じように学んでおり、『すでに落語家修行をしているな』と感じた」ということです。
アニメ制作の裏側です。
落語シーンに強くこだわり、声優は1年間、落語の稽古を行ったと言います。
さらに、スタジオに落語家を呼んで実演会を開き、その実演会の映像を元に作画を行っています。
一花さんがゲスト出演する回もあります。
4月25日放送予定の第4話にゲスト出演します。
収録時には、一花さん自ら、朱音役の声優さんに対して、古典落語『子ほめ』のイントネーションなどアドバイスを行ったと言います。
■世界で人気 外国人の落語家も活躍 『日本文化』を発信
外国人の落語家も活躍しています。
4月2日、アメリカ・ニューヨークで『あかね噺』の世界初上演イベントが開かれ、作中に登場する落語の実演も行われました。
実演を行ったのはカナダ出身の上方落語家、桂三輝(かつら・さんしゃいん)さん、56歳です。
桂三輝さんと落語との出会いです。
三輝さんが来日してから5年経ったころ、行きつけの焼き鳥店で店主から、
「今度、落語会がある。日本の文化が好きなら気に入るよ」と誘われ、軽い気持ちで初めて落語を見に行きました。
実際に落語を見ると、
「このために生まれてきた」と感銘を受けたと言います。
「身一つで、『マクラ』で自分のネタをやって人を笑わせ、スッと落語に入る姿に魅了され、絶対に落語家になりたいと思った」と話しています。
「落語は万国共通。400年前の日本のあるあるは、世界中のあるあると一緒。だから落語は海外でもうける。落語の素晴らしさ、日本の素晴らしさを1人でも多く伝えたい」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年4月6日放送分より)















