日本の玄関口・成田空港では、増加するインバウンド客に対応するため、新たな滑走路の建設を進めています。しかし、用地の取得が難航しているため、運営会社は土地を強制的に取得する「強制収用」を検討していると発表しました。地元からは賛否の声が上がっています。
34万→50万回 発着枠増加へ
国際競争力の強化のため、滑走路の延伸と増設を目指している成田空港。現在はA滑走路とB滑走路の2本で運用されていますが、B滑走路を延伸、さらに新しくC滑走路の建設を進めています。これによって年間の発着枠の上限34万回が50万回に引き上げられる予定です。
当初の計画では、2028年度内に2本の滑走路の運用を同時に始める方針でした。しかし、主にC滑走路に必要な用地のおよそ1割をいまだ取得できておらず、運用開始は大幅に延期される見込みです。
先週、金子恭之国土交通大臣と面会した、成田空港の運営会社・成田国際空港会社の藤井直樹社長はこう話しました。
「土地収用制度」とは、公共事業のためにどうしても土地を取得しなければならない場合に、土地収用法によって権利者の意思に関わりなく、強制的に用地の取得を可能にするものです。
1960年代から空港建設を巡って起きた「成田闘争」。当時、国や新東京国際空港公団は地元の意見を十分に聞かないまま建設計画を進めたとされ、開港前に激しい反対運動が起き、多くの死傷者が出ました。建設用地の買収を拒む農家に相次ぎ強制収用が行われるなど、1978年の開港までに地元に深い傷を残しました。
今回、C滑走路の建設予定地となっている千葉県芝山町の住民説明会では、このような声が上がりました。
「この町は過去の反対闘争のような思いをするのはもうたくさんだ」
「空港間の競争が激しくなるから住民は我慢しろと言っているのと同じだ。結局なし崩し的に行われてしまう」
旧反対派も「完成に力貸す」
番組は、成田空港開港の際は建設反対派として活動したという、空港と共存共栄を目指す会の石井新二さんに話を聞くことができました。
「自分たちの地元を良くするために、何としても空港を完成させると。力を貸すしかないなと思って動いています」
土地収用制度の実施について、金子国土交通大臣は次のように話しました。
(2026年4月8日放送分より)




