社会

ABEMA TIMES

2026年4月19日 11:00

滑舌が悪い人に「キ族だね」と揶揄も「知識」の発音が「キシキ」に…どうすれば治る?言語聴覚士が助言

滑舌が悪い人に「キ族だね」と揶揄も「知識」の発音が「キシキ」に…どうすれば治る?言語聴覚士が助言
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 特定の発音が苦手であることで、日常生活やビジネスシーンにおいて人知れず苦悩を抱える人々がいる。近年、ネット上ではこうした滑舌の不安定さを揶揄する「キ族」という言葉も生まれており、当事者をさらに追い詰める要因となっている。「ABEMA Prime」では、滑舌に悩む当事者と言語聴覚士を招き、その実態と改善の可能性について議論が行われた。

【映像】滑舌に悩む人の発声(実際の様子)

■ネットの揶揄「キ族」と当事者の苦悩

ぽにょんさんの滑舌

 最近のSNSなどでは、「キ」をはじめ「チ」や「リ」などのイの段の発音が苦手な人を揶揄する「キ族」というネットスラングが散見されるようになっている。理科の解説を行うYouTubeチャンネルを運営しているぽにょん氏は、自身の動画に対し「キ族なんですね」というコメントが寄せられた際、「めちゃくちゃからかわれている、悪口言われたなと思って、その時はへこんだ」と吐露。「ラリルレロが入っている言葉が発音しにくい。理科の用語も話しにくい。『ろ過』『コイル』『電流』などがそうだ。授業で出てくる言葉は、違う言葉に言い換えられない名称もあるので、言う時には少し身構える」とストレスを明かした。

 会社員のマサキさんは、自身の「チ」の発音が「キ」に近い音になってしまうことに悩んでいる。例えば「知識」という言葉が相手には「きしき」と聞こえてしまう。「高校時代の授業でも3回聞き返されて、結局通じなかった」経験を持つ。

 マサキさんは社会人として「第一印象で幼く見られ、発言の説得力が弱まる」という悩みもある。「特に固有名詞や店名など、文脈で補完できない言葉を伝える際には、完全に通じない状態になる」。そのため、普段の生活では苦手な発音を避けるための「言い換え」をしている。

 なぜ、特定の発音が苦手な人が存在するのか。言語聴覚士として「ことばの相談室ことり」を主宰する寺田奈々氏は、そのメカニズムを解説する。

 寺田氏によると、イの段が歪んで聞こえる現象は医学的に「側音化構音(そくおんかこうおん)」と呼ばれ、成人の相談者にも多い悩みであるという。「『キ』という音は、ベロを持ち上げて下ろして話す。舌の動きの過程で少し横にずれて発音をしてしまうという現象。舌の動かし方の癖みたいなもので、例えばお箸の持ち方が人と違うまま覚えてしまった状況に近い」。

 またラ行が苦手な場合であれば「舌の先端を持ち上げて弾く。これをスローモーションで少しずつ動きを練習していくと、だんだんスピードを上げて言えるようになる」とも述べた。

■「個性」か「修正すべき点」か

滑舌の仕組み

 この悩みをどう捉えるべきか。2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は、過度に深刻視する必要はないと述べる。「大阪弁の人で、標準語が全然喋れないし、アクセントが全然違う人もいる」とした上で、「僕は語彙が少ないから、中学生レベルで話せるような単語しか使わない。物を知っていてもその漢字も書けないし、難しい言葉も使えない。結果として分かりやすい言葉を喋っている」と、自身の発言が伝わりやすい理由を分析した。

 一方で、実業家・岸谷蘭丸氏は当事者の心理に理解を示す。自身が留学した際に「『world』が3カ月間くらい言えなくて、5回ぐらい聞かれた。「word」と聞かれることがあって、たくさん練習した」と振り返る。

 また進行を務めたテレビ朝日・平石直之アナウンサーは、プロの視点から「ラ行が巻き舌になっていると、一発で注意される。アナウンサーになると、全部イチから叩き直す。ゴルフやテニスと一緒で、フォームが崩れたままだと、いくら練習しても崩れたものが定着する。全部やり直して作り直す期間がある。そうやって鍛えられた」と経験を語った。

 これには寺田氏も同意し「スポーツのフォームの矯正に近い。大人になってから直そうとすると少し苦労する。大人は我慢強いので、ある程度のところまで(矯正は)すぐ進むが、気にせず無意識にできるようになるまでが大変。苦労はするが、できるだけ子どものころに治してあげてほしい」と呼びかけた。 (『ABEMA Prime』より)

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