発生から4日目。いまだ鎮圧のメドが立たない、大槌町の山林火災。なぜ、消火活動が難航しているのか。現地取材で、いくつかの要因が見えてきました。(4月25日OA「サタデーステーション」)
大槌町長「長丁場になる」 精神ケアも課題
「午後8時すぎです。この辺り煙が充満しまして、視界も悪くなっています。山肌に赤い炎が確認できます」
発生から4日目となった25日も、火の手は、山を燃やし続けています。午後6時に会見を開いた大槌町長は、「長丁場になる」との見解を示しました。
「やはり避難をされている方の精神的なケアも必要ではないかなと思っております。長丁場になるということもありますので、関係者の心身の健康をどうするかという部分も、やはりこれからの大きな課題かなとは思います」
「上空から赤い炎の線が確認できます」
「午後7時ごろの大槌町・吉里吉里地区です。あちらの山、見ていただくと、かなり燃えているのが分かります。そして周辺には煙も多く出ています」
火の手は、山の下の方にまで迫ってきている場所もありました。
懸命な消防活動続く 他県からの応援も続々と
「救急車両のサイレンの音が鳴り響いています。我々の車の前後も救急車両で、あちらは柏崎市の消防署の救急車両が到着しています」
「街の交流センターの駐車場には多くの消防車両が並んでいます。東京からも来ていますし、それから仙台からも消防車両が来ています」
県外の消防隊が続々と大槌町に集結。地元消防団とともに消火活動にあたりました。
「きのう消火された場所ですが、再燃して、いま消火に当たっています」
山の斜面に膝をつきながら消火活動にあたります。総務省消防庁によると12都道県、1225人の消防隊員が、地元消防団とともに活動にあたっていますが…
「いま山肌にオレンジ色の炎が2か所上がっているのが見えます。先ほどは全く見えていなかった。白い煙しか見えていなかったのが、いまオレンジ色の炎が山の谷間のあたりに2か所、立ち上っているのが確認できます」
火の手はおさまることなく、次々と山の木々に燃え広がっていきます。いまだに鎮圧のメドはたっておらず、火の手は住宅地に迫っています。これまでに焼失面積は小鎚、吉里吉里とあわせて約730ヘクタールとされています。
「赤い火柱があがっています。かなりの高さまであがっているのが確認できます。どんどん燃えている場所が上の方へ移動しているように感じます。火柱が立っています」
その様子を心配そうに見つめる住民たちの姿がありました。町の人口の3割にあたる、1541世帯、3233人に避難指示が出ています。(25日午後5時時点)
住民苦しめる“煙” 空から降灰も
町を襲うのは炎だけではありません。
「あちらの山、見て分かる通り、大量の煙が発生しています」
その煙の先にある、大槌町・浪板地区。
「このあたりも非常に焦げ臭いです。息をしていても喉がヒリヒリと痛むような空気となっています」
煙が山を下り、町に充満していました。取材をしていると…
「うわ、まさにこれ…灰ですね」
「灰ですね。初めてです」
「結構大きめの灰が降ってきている」
空から降ってきたのは、灰。
「きのうまではこんなに無かった。風向きかな。火の量も今こっちが盛んだから。喉は痛いですね」
岩手県は大気汚染物質PM2.5の濃度が上昇しているとして、屋外での長時間の激しい運動を避けるなど注意を呼びかけています。
「くしゃみが出たりっていうのはありますよ。くしゃみとか咳き込んだりとか」
消火難航なぜ?厳しい気象条件
発生から4日目となっても衰えない火の勢い。現地調査を続ける専門家が強く感じているというのが「極端な乾燥」と「風の変化」です。
「今回の事例については、風も確かに強かったですし、乾燥は相対湿度9%ということで、めったにないくらいの極端な乾燥だった」
火災が起きた22日の映像では、風が激しい音を立てて吹く中、山にはライン状の赤い炎が。当時、大槌町には乾燥注意報と強風注意報が出されていました。さらに延焼拡大を加速させているというのが…。
「一番変化が大きいのは、風向きと風の強さだとは思います」
25日の風の様子を見ても、風向きが大きく変化していました。朝は北寄りだった風が日中弱まりながら南寄りの風に。
「風向きの変化、風の強さの変化で、燃えている領域が都度変化してきたという風に思いますし、(変化によって)ご自身がお住まいの場所が突然危険になる可能性もある」
風向きの変化は、消火活動も翻弄しています。
「風にあおられる、消したと思ってもまた付く、空から見れば一目瞭然ですが、同時多発的に燃えているので、消防団も追いつかない、ヘリもあっちこっちみたいな話になっている。我々最前線にいるので、きょう終わってほしい、きょう終わってほしいというのが現実ですよね」