ニュースを見ていて気になること、いろいろとありますよね。なんでいつもこの映像なんだろうとか、なんでこんな言い回し?など疑問に思うことがたくさんあると思います。そこで今回はニュースの疑問、あるいはその裏側を解説してまいります。
渋滞の長さはどう調べている?
ゴールデンウィークになると必ず放送されるニュースが、渋滞です。東名高速〇〇付近で40キロ、なんてよく聞きますよね。時には実際に渋滞に巻き込まれながらレポートをしているケースもあります。果たしてこの渋滞の長さ、どのように調べているのでしょうか。実は、東名や名神などNEXCO3社管轄の高速道路の場合、主に路面に車両感知器が2キロおきに設置されていて、1分間に通過した車両台数や速度で計測しています。
首都高速は数百メートルおきに感知器が設置されていて、同じように計測しているそうです。幹線道路など一部の一般道路にも感知器は設置されていて、カーナビなどに出てくる渋滞情報もこうした計測情報がベースとなっています。
ちなみに東北自動車道などを管轄するNEXCO東日本には「渋滞予報士」という人がいて、過去のデータをもとに渋滞の予測を出しているそうです。事前に渋滞の予測がニュースで流れる裏にはこんな人たちがいるんですね。
ここで一つ疑問が生まれませんか?そもそも何をもって渋滞と呼ぶのでしょうか。あくまで高速道路の場合ですが、NEXCO3社によりますと、「時速40キロ以下で低速走行」「停止発信を繰り返す車列が1キロ以上かつ15分以上継続した状態」これに当てはまる場合を「渋滞」と呼んでいるそうです。
また、首都高速でよくみる赤やオレンジで渋滞の状況を示す標識、ありますよね。
赤とオレンジ、どんな差があるのか気になるかと思います。赤は渋滞、オレンジは混雑を示しています。車の走るスピードで使い分けているんです。
観光地の人出はどう調べてる?
ゴールデンウィークは観光地の混雑のニュースも必ずと言っていいほど報じられますね。遊園地やテーマパークの人数はすぐわかりそうですが、鳥取砂丘や京都など、特にチケットも入り口もない場所の人数はどうやって調べているのでしょうか。
昔は主催者発表や警察の発表が報じられることがほとんどでした。でも今は違います。実は皆さんがみんな持っている、携帯電話の電波で調べているんです。携帯電話は数百メートルから数キロメートルごとに設置されている基地局によって電波がつながりやすくなるようになっています。特定の携帯電話がいつどこにどう移動したか、はどの基地局の電波を拾っているかを調べればだいたいわかるというわけです。
個人がどこに移動したか、という情報はもちろん公開はされていませんが、どのくらいの人数がどこに集まっているか、ということは個人情報が特定されない「ビッグデータ」として利用され、人出を調べているわけです。ちなみにこれはあくまでどこの基地局が電波を拾っているか、というものなので「位置情報」をONにしているかOFFにしているかは関係ありません。電源が入って電波がつながっている段階でおおよその場所は特定されている、というわけです。ちなみにこうしたデータは企業のマーケティング戦略の分析にも使われています。
総理に声掛けしている人は誰!?
総理官邸に大臣が入るときや総理大臣が入るときの映像、よく見ますよね。いつも同じ場所、同じような画角で撮影しているな、と思いませんか?実は、官邸の中では撮影できる場所は限られています。
官邸入り口で撮影する場合、カメラは床にある白線から出てはダメ、そんな厳しい決まりがあるんです。記者は自由に大臣に近づいて話しかけることができますが、カメラは位置が決められているんです。ちなみに総理大臣には警備の事情もあり記者が自由に近づくことはできません。そして「おはようございます」と声をかけているのは主に撮影しているカメラマンです。記者ではないんですね。
ちなみにこんな映像もよく見ますよね。広い部屋でコの字型に内閣のメンバーがソファに座っているものです。
これは何の映像かわかりますか?じつはこれ、撮影のためだけに集まっているんです。この後奥の部屋で内閣の会議、「閣議」が開かれるんですが、その前に撮影用にこの部屋に集まっているんです。閣議で決定される内容はよくニュースになります。閣議自体は非公開のためこのような形でニュース用の映像を撮影しているんですね。
ちなみにこのように会議の冒頭だけを撮影するものを業界で「頭撮り」と呼んでいます。これは日米首脳会談などでも行われます。会議そのものは非公開ですが、必ず大きなニュースとなるために座っている様子だけは撮影できるのです。この撮影の間、出席者は挨拶など簡単な会話をしているケースが多いですね。
一方でこの「頭撮り」をパフォーマンスの機会ととらえて、あえて長く発言する指導者もいます。例えばアメリカのトランプ大統領ですね。去年2月のウクライナのゼレンスキー大統領との会談の時には丁々発止のやり取りを繰り広げたことが大きなニュースになりました。ちなみにその後の話し合いも決裂し、記者会見も行われませんでした。
ニュースの疑問、裏側を解説してまいりました。ニュース自体にももちろん注目していただきたいですが、その裏側も知ると、より面白くニュースを見ていけると思います。是非今後は裏側にも注目していただけたらと思います。
(池上彰のニュースそうだったのか!!5月2日OAより)
もっとたくさんのニュースの裏側を知りたい方はTVerへ!!











