社会

ABEMA TIMES

2026年5月3日 12:00

“男系男子”なぜ?「皇室典範」見直し議論“愛子天皇”を待望する小林よしのり氏「女性の時代にならないと日本は滅ぶ」

“男系男子”なぜ?「皇室典範」見直し議論“愛子天皇”を待望する小林よしのり氏「女性の時代にならないと日本は滅ぶ」
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 国会で「皇室典範」の見直しが議論されている。自民・維新の与党は、第1優先として「養子縁組」を提案。戦後、皇室から離れた旧宮家の男系男子、つまり父方が天皇の血を引いている男性を、養子として皇族に迎えるという案だ。これに対して野党も共産・社民の2党以外は、おおむね賛成している。

【映像】女性天皇、賛成?反対?(世論調査結果)

 しかしながら、2024年4月の世論調査(共同通信)では、女性天皇に90%が「賛成」、女系天皇に計84%が「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた。そこで『ABEMA Prime』では、女性天皇を待望する漫画家の小林よしのり氏とともに考えた。

■世論調査では「女性天皇」「女系天皇」賛成が多数派

皇族と皇位継承者

 皇位継承の資格は現在、父方に天皇の血を引く「男系男子」に限られ、秋篠宮さま(60)、悠仁さま(19)、常陸宮さま(90)の3人だけ。次世代の担い手は悠仁さまのみだ。

 皇室典範とは「天皇の即位」や「皇位継承の順位」「皇族の範囲」などを定めたものだ。第一条では「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めており、第二条では、継承順として「一 皇長子 二 皇長孫 三 その他の皇長子の子孫 四 皇次子及びその子孫 五 その他の皇子孫 六 皇兄弟及びその子孫 七 皇伯叔父及びその子孫」と規定されている。

 過去には8人(10代)の女性天皇がいる。推古天皇(33代)、元明天皇(43代)、明正天皇(109代)、後桜町天皇(117代)などだが、いずれも父が皇族の「男系」女性天皇だった。

 一方で小林氏は「愛子さまは恐るべき存在だ。あれだけすごい天皇候補は、歴史上、今後も現れないかもしれない。語学も歴史の知識もあり、どこの国に出しても恥ずかしくない所作を持っている。天皇・皇后両陛下はすごい逸材を育てられた」と語る。

 また「天皇は『男系』だけというウソっぱちは、古代史学者なら絶対に言わない。それに今後は、女性の時代にならないと、日本は滅ぶと思っている」と力説する。「女性に結婚を強い、家事を任せ、子どもを産ませ、子育てさせる。そして親の老後まで面倒見させる。これらの因習を改めないと、女性は子どもを産まない」。

 加えて、「女性は賢いのは当たり前で、近代化が身に付いた今では、『親のように苦労したくない』と合理的な判断を下す。だが男尊女卑は女性にも染み付いていて、高市政権の『養子案で男系を持続する』というのは女性の時代に反している」とも話す。

 歴史を振り返っても、「女性の前方後円墳は50%近い。それほど古代は、女性のリーダーが多かった。しかも遺骨には妊娠痕があり、結婚して子どもを産んでいたことになる。そこへ日本の天皇制も復古すればいい。明治に『男系男子』が決められたのは、男を尊び、女を卑しむのを是とする考えが、日本人の脳髄に染み渡っていたからだ」と主張する。

 弁護士で元衆院議員の山尾志桜里氏は「共産党は『女性・女系賛成』だが、本来は天皇制自体にむしろ反対の政党だ。それでも全体会議に出て発言しているということは、『日本に天皇制は必要だ』との世論は、割と一致しているのだろう」と見る。

 一方で「国民は7〜8割が『女性や女系天皇に賛成』と答えているのに、国会では逆転している。一般国民としては、これを疑問に思わないといけない。元政治家からすると、『男系男子と言わないと、保守だと思われずに落選運動される』。不健全な国会に、国民統合の象徴の問題を託しているのはどうなのか」と、課題も示した。

 「皇室が大事だ」と言う政治家については、「皇室に嫁ぐ女性が、体や心を病む。そして今後も、『男を産まないと断絶だ』という家に嫁ぐ人はいるのか。これをどこまで続けるのかと、素朴に感じる」とした。

■天皇・皇室とはどうあるべきか

男系天皇・女性天皇・女系天皇

 哲学研究者の森脇透青氏は「憲法1条から8条をどうするかの問題がある。僕はそもそも天皇を憲法上に明記する必要性に疑問があるが、消すことは現状でコンセンサスが取れないとも思う。気になるのが1文目の『天皇は日本国民統合の象徴』が、よくわからない。自民党の改憲案では、確か『元首』となっており、それも良くない」と主張する。。

 そして「『象徴』の言葉を使ったのは戦後だ。“憲法押しつけ論”と同様に、象徴天皇制も押しつけられたものだと思う。これまで天皇家が存続してきたことと、憲法上の象徴天皇制は別だ。『象徴天皇制の廃止』は天皇家の廃絶を言っているのではなく、どう法に書くか。日本の文化的、歴史的感覚の中心にいたとして、それが『国事行為に関わるか』『“統合の象徴”という言葉がいいのか』には疑問がある」と続ける。

 論壇誌「情況」第6期編集長の塩野谷恭輔氏は、「天皇を憲法に書く必要はない。女系・女性の継承問題も、皇室の自己決定権を広げた方がいい。数年前に眞子さんと小室圭さんの結婚で世論が分かれたが、最終的には結婚を支持する人が多かった。『制度で規定されているから尊い』ではなく、『伝統や国民精神に裏打ちされているから』だ。自己決定権を拡大し、自分たちで作る方にした方が繁栄するのでは」と考えている。

 小林氏は「『人権が制約されるため、天皇制を廃止した方が良い』という人もいる。ただ、憲法から天皇の規定をなくしてしまうと大変なことになり、“天皇教”が民間でできてしまう。これは巨大なものになる」と語る。。「天皇は憲法を守るために、自分たちの意思を出さない。戦時中でも、ずっと憲法を守ろうとしていた。今の憲法なら平和主義を守ろうとし、憲法が変われば、新たな憲法を守ろうとする」。

 研究者の山内萌氏は「上皇さまが全国行脚して、被災地などで祈ることで、救われている人は絶対にいる。急に『天皇制は人権がないからやめよう』ではなく、現実な運用を考える第一歩として、皇室典範を変える動きは必要なのでは」と話す。

 小林氏は「愛子さまの人気が高まると、政治家は国民をバカにし始めて、『世論はポピュリズム。自分たちは伝統を守るべきだ』と言い始める」と批判する。「だが男系は、そもそも伝統ではなく、であれば国民が望むならそれでいいという話だ。尊敬できるし、小さな時から成長を見守っていていれば、『愛子さまがなるのは自然だ』と思うのは仕方ない」とした。  (『ABEMA Prime』より)

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