この謎の光景の正体は?石積みの穴からなぜか冷風が吹き出す、そんな小部屋がいくつも。意外な使い道にびっくり。また、都内には線路がないのに電車の遮断機があり、使われているところを見たことがないという声も…いわば開かずの踏切ならぬ「開きっぱなしの踏切」!?そして、逗子の山中には期間限定のコロッセオのような神秘的光景がありました。
岩で囲まれた“謎の空間”
大自然に囲まれ、日本の原風景を残す群馬県下仁田町。
駅から車で30分ほどの山奥を歩いていると、久保田直子アナウンサーが異変を感じます。
サーモカメラで見てみると、道沿いの岩は30℃近くありますが、石垣は青色で表示され、5℃前後の冷たさです。
石垣の向こうはどうなっているのか。上から見てみると、岩で囲まれた“部屋のような空間”がありました。この土地ならではの知恵から生まれていました。
深さはおよそ4.5メートル。長さ10メートルほどの箱型の空間。特別に許可をもらい、中に入ってみると…。
一体、何の空間なのでしょうか。
「中に氷が残っています。この穴から冷風を感じますね」
線香を近づけてみると、確かに岩の隙間から冷風が吹き出しています。その結果、中が冷やされて、温度は0℃前後まで下がっています。
外気との温度差が激しいと、冷気が霧のようになり、幻想的な光景が生まれます。いわば、天然の冷蔵庫になっていました。
世界遺産に カイコの卵を保存
どんな仕組みなのか専門家に聞きました。
「冬はマイナス10℃くらいの低い温度になる。(山頂に)氷と岩の層ができて冷たい風を生み出す」
この場所は風穴と呼ばれ、山の上で冬の時期にできた氷が春になると溶け出し、冷気が下って岩の隙間から出てきているのだそうです。
では、この空間、何に使われていたのでしょうか。
「(下仁田町は)“ネギのまち”だから立派なネギの貯蔵庫?」
取材中、たまたま出会った竜洋昆虫自然観察公園の柳澤静磨副館長は、はるばる静岡から見学に来たそうです。
昆虫と冷風、どんな関係が?
江戸時代、カイコは年に一度、春に孵化(ふか)して繭(まゆ)になり、絹糸をとることができました。
しかし、明治時代にこの天然の冷蔵庫、荒船風穴を利用し、孵化の時期を調整し年に複数回、絹糸をとることができるようになったのです。
その絹の一部は、群馬が誇る日本有数の絹糸工場、富岡製糸場でも使用され、日本最大の天然貯蔵施設として2014年には世界遺産に登録されました。
交差点に“謎の遮断機”
続いては東京・大田区。交通量の多い環状八号線に不思議な光景が…。
「あれかな?普通の道路と思われるところに遮断機がある。不思議ですよね。道路になぜ?」
黄色と黒の遮断棒に…上下の赤い警報灯。しかし、周囲に線路はありません。一体、なぜ交差点に遮断機が?
「昔の名残じゃないですか?そのまま残っているとかね」
「元々電車が通っていた?」
「(Q.あの遮断機が閉じているところを見かけたことは?)見たことないですね」
“開かずの踏切”ならぬ“開きっぱなしの踏切”!?追跡すると、なくてはならない意外な理由にたどり着きました。
「あ、電車が通っている、あそこに!」
“謎の遮断機”から100メートルほど離れた場所に線路を発見。
見つけたのは、京急空港線の線路。
以前、環状8号線に沿って線路が通っていて、「遮断機はその名残」だったのか?
「この線路は私がここに来てからずっとあって、駅もこの位置にずっとあって」
「あの線路は昔からここの位置ですか?」
約60年在住 地元住民
「そう、ずっと。60年いるけど、ずっとここ」
京急電鉄に確認すると…。
1902年に開通してから、線路を移動させたことはなく“謎の遮断機”とは、関係がないと言います。
遮断機は何のため?
果たして、遮断機は何のためにあるのか?張り込みしました。
日付が変わると、通行する車は減りますが、遮断機に変化はありません。
午前3時になると…作業員が横断歩道に三角コーンを並べました。すると、ゆっくりと降りる遮断棒。その奥には、高速道路の入り口。“謎の遮断機”の正体は…。
「事故やメンテナンスで料金所の入り口が通行できない時に進入してしまうと、バックでしか戻れなくなってしまうため遮断機を設置しています」
遮断機がないと、閉鎖に気づかず車が進入し立ち往生するといいます。さらに、閉鎖の際、一般的な遮断棒は赤と白ですが…。
「鉄道用の踏切が最も認知度が高く、入ってはいけないと一目で判断できることから採用しました」
崖に穴…“期間限定のエリア”
続いては…。
「神奈川県逗子にやってきました」
東京から電車で1時間ほどの逗子。湘南のビーチリゾートと言われるこの地に不思議な光景がありました。
「こういった光景は山の中で見られない。神秘的」
「年に2回入ることができる。そういう貴重な所なので来ました。期間限定です」
鎌倉市との境にあるハイキングコースに期間限定で入る事が出来るエリアがあるのですが…。
「あっ!すごい!たくさんの穴が空いてる。穴の前が広い。こういう壁が広いスペースを囲んでいたっていうのは、イタリアのコロッセオに似ていなくもない」
崖には、いくつもの四角い穴のようなものが…期間限定で公開される謎の広場を追跡しました。
“謎の広場”正体とは
下に降りると、さらなる不思議が…。
「マンションでもあるのが、真上じゃなくて段々になっている。テラスもあって日も降り注いでっていう造りになっているんですよね。高級マンションの走り?」
「昔の人が住んでいた住居?」
観光客
「崖を利用して水の流れを止めるダム?」
許可をもらい穴に近づくと…中に石を積んで作られた塔が置かれています。
「上の階に身分が高い人のお墓があったとか?」
さらに…。
「穴の特に角あたりかな?奥の角。あそこに岩をひっかいたような、けずったような痕があるんですよね」
人工的に作られた穴は、その多くがおよそ2メートル四方に掘られています。
地元の歴史に詳しい専門家に聞いてみると…。
「この穴っていうのは、何のための穴なんでしょうか?」
鎌倉考古学研究所 古田土俊一さん
「鎌倉時代〜室町時代にかけてのお墓、または、供養のためのお堂に使われていたんだろうという風に考えられております」
謎の穴はお墓のような意味合いがあり、中の石積みは五輪塔と呼ばれ、供養のために建てられているのだそうです。
ではなぜ、切り立った崖にわざわざお墓を作ったのでしょうか。
「鎌倉は、三方を山に囲まれて南を海に囲まれている。使える土地が限られている。崖があるんだったらそこに横穴を掘ってスペースを作ってしまおうというふうな状況が考えられています」
お墓の前の広場のような空間には供養塔やお堂などが建っていたと考えられ、「まんだら堂やぐら群」と呼ばれています。
保存管理の都合上、初夏と秋、それぞれ2カ月間のみ公開される、めったに見られない貴重な場所でした。
(2026年5月1日放送分より)

















