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2026年5月8日 20:06

学校側とバス事業者で“食い違う主張” 運転手は過去に“陸上部の監督”も

学校側とバス事業者で“食い違う主張” 運転手は過去に“陸上部の監督”も
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 高校生ら21人が死傷した事故。現在もバス会社の家宅捜索が続いています。容疑者の男は、過去に高校の陸上部で監督を務めていたことが分かりました。

【時系列まとめ】事故発生からこれまで

バス会社の家宅捜索 8時間超

 これは2004年、アテネオリンピックの前、新潟県内の短距離選手の恩師として取材を受けた、若山容疑者の映像。地元・新潟では、陸上部の監督としてたびたび取材を受けていました。

陸上部 監督時代の若山哲夫容疑者
「彼が持っているものは、何十年かに一人の逸材だから、簡単に諦めず縁があれば、いい環境を見つけてできるところまで頑張らせたい」

 この時から、20数年。マイクロバスを運転し、過失運転致死傷の疑いで逮捕されることになる若山哲夫容疑者(68)。生徒を指導していた当時からマイクロバスを運転していたそうです。

新潟県五泉市
新潟県五泉市

 警察は8日、バス会社の家宅捜索を実施。本格的な捜査が始まりましたが、事故が発生するまでの経緯を巡り、バス会社と高校側の主張が真っ向から食い違っています。

蒲原鉄道 茂野一弘社長
蒲原鉄道 茂野一弘社長
蒲原鉄道 茂野一弘社長
「(Q.きのう学校側はバス会社の真逆のことを?)それに関しては、捜索を受けている中で(警察に)話もしたりしてるところなので。細かいことは今後、話をすることはできないと思うので、今、控えさせていただきます」
「(Q.営業担当への状況確認は?)しようと思っているが、今、警察が来ている状態なので、営業担当と会話ができていない」
「(Q.主張の違いについて)捜索をしている中で、私もいろいろと話しさせてもらっていますので、その関係もございまして、控えさせていただきます」
「(Q.会見以降、学校とやりとりは?)していない」
「(Q.バス会社としてボランティアという認識?)ボランティアということは、私から言った話ではないが、いろいろしている中でお手伝いをしてきた一つだと思う」
「(Q.金銭のやり取りは発生していないという認識?)はい、今のところはまだ考えております」
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“食い違う主張”

 一体、何が起きているのか?

 事故が起きたのは6日。福島県の磐越自動車道でマイクロバスが、ガードレールなどに衝突し、バスに乗っていた新潟県北越高校の生徒ら21人が死傷しました。

搬送先の病院から出てきた容疑者
搬送先の病院から出てきた容疑者

 白いシャツを着てマスクをあごにずらしている男。これは、事故後、搬送先の病院から出てきた若山容疑者を捉えた写真です。

若山容疑者(警察によると)
「交通事故を起こしたことは間違いない。速度の見極めが甘かった」

 若山容疑者は容疑を認めていて、事故当時「90〜100キロ出していた」と供述しているそうです。

 速度を落とさず、事故を起こしたとみられる若山容疑者。ただ、マイクロバスについては長年、運転していたようで…。

若山容疑者を知る人
「(容疑者は)陸上部の、顧問・指導者だった。胎内市役所に勤めて、市役所関係のイベント、その他のドライバーを務めていた。二十数人乗りのマイクロ(バス)にも乗っていたかもしれない」
去年3月まで臨時職員だった
去年3月まで臨時職員だった

 胎内市によると、去年3月まで、臨時職員としてマイクロバスを運転していたといいます。

若山容疑者を知る人
「ここ1年くらい特に、体全体弱くなっていたんでしょうね。特に歩き方とかも、とぼとぼと、うつろげというか、そんな感じで歩いているのをうちの近くで何回も見ています。だいぶ調子悪いなと思っていた」

 そもそも、若山容疑者は今回、マイクロバスを手配したバス会社の社員ではありません。

茂野社長
「今回は貸し切りバスを使わずに、レンタカーを使って送迎をしたいという話をいただいた」
バス会社側の説明
バス会社側の説明

 バス会社の説明によれば、高校から依頼を受けた営業担当者がレンタカーとして、マイクロバスを手配。その運転を「知人の知人」である若山容疑者に依頼したというのです。

蒲原鉄道 営業担当 金子賢二さん
「予算があるので“緑ナンバー”を使うと高くつくので(高校側が)『安いものを探してよ』と。それでレンタカーにたどりつく」
事故を起こしたマイクロバス
事故を起こしたマイクロバス

 事故を起こしたマイクロバスは、バスなど事業用の「緑ナンバー」ではなく、自家用としての利用に限られる「白ナンバー」でした。警察によると、若山容疑者は客を乗せて運転できる「二種免許」を持っていなかったそうです。

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賠償されない可能性を指摘

 問題点を弁護士に聞きました。

問題点は
問題点は
元検事 亀井正貴弁護士
「運転手が報酬をもらう約束をしていたかどうかによる。有償であれば違法になる。道路運送法違反で“白バス・白タク行為”となる」
「(Q.責任の所在?)一番(責任が)重要なのは“白バス・白タク行為”を行った運転者。あとは学校・バス会社は、加担したことにより幇助(ほうじょ)犯が成立する可能性がある」
「(Q.金銭のやりとりがない場合)道路運送法違反という話にはなってこない。普通に(人を)乗せていただけという話に」

 その金銭を巡っては、バス会社と高校側の主張が、食い違っています。

茂野社長
「ドライバーの手配をしたから手数料をくださいとか話はしていない。手数料の謝礼を求めたこともない」
金子営業担当
「今までの長年のお付き合いの中で、収益はなくても、次うちのバス使っていただける状況にもっていければいい」

 高校との今後の付き合いも見据え、レンタカーやドライバーの手配を、いわば“ボランティア”で行ったとするバス会社。

 一方、7日の夜に会見を開いた高校側は…。

北越高校 灰野正宏校長
「男子ソフトテニス部顧問は、営業担当者に人数・発着時間、行き先などを伝えたうえで、遠征全体が終了した後で全体の旅程に対して、蒲原鉄道に後日代金を支払うこととしていた」

 主張の食い違いは、他にも。バス会社は今回、高校側にレンタカーでの送迎を依頼されたとしていますが、高校側は。

「『バス』の手配を以前からお願いしており、具体的に“レンタカーを手配してもらいたい”とか学校のほうから“運転者を紹介してもらいたい”と伝えていない」
矛盾する両者の主張
矛盾する両者の主張

 金銭やレンタカーが手配されるまでの経緯を巡り、矛盾する両者の主張。そして、亀井弁護士はあるバス会社の説明について、被害者に対し、賠償が行われない可能性があると指摘します。

 亀井弁護士が問題視するのは、バス会社が運転する若山容疑者のものではなく、営業担当者の免許を提示しマイクロバスを借りていたという点です。

「賠償が行われない可能性」
「賠償が行われない可能性」
亀井弁護士
「(レンタカーを)運転する人は、借り受けする人か運転すると申告した人を前提。それ以外の人が運転すると想定していない。レンタカーの契約違反になる。(免許を提示していない)人が運転して事故を起こした場合、保険適用がなくなる可能性。(被害者に)賠償が行われない可能性がある」

(2026年5月8日放送分より)

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