長野県松本市で複数の巨大な岩が崩落して斜面を転げ落ち、住宅が壊れたり道路が陥没したりする被害が出ました。現場を取材すると、付近の山林は松くい虫の被害で枯れた松を伐採してあったため、山肌が広く露出していました。
住宅の塀やガレージを破壊
午前0時前、住宅に設置された防犯カメラの映像を見ると、けたたましい音とともに突如、ガレージの屋根が崩れ落ちます。
別の場所に設置されたカメラには、巨大な岩が猛スピードで転げ落ちていく様子が映っていました。
長野県松本市で、7日の深夜に起きた落石。3つの岩が落ちてきましたが、人的被害はありませんでした。
12日になっても、現場には岩がありました。通過したアスファルトはへこみ、直撃した住宅の塀は粉々に砕け散っていました。
岩が落ちてきたのは住宅の裏手にある山です。山の所有者(70代)に話を聞きました。
「(Q.最終的にあそこに?)そうそう、あそこに入った」
「私の物心ついてからは、大きな石が落ちてきたことはない。初めて。本当に怖い」
松くい虫被害で山林伐採
番組は許可を得て、山に入ることができました。岩があったと思われる場所までは、かなり急な斜面を登っていきます。
現場には、人工的に切り倒された木が並んでいました。下から見ると、大量のアカマツが伐採されている場所が複数あることが分かります。
「私の山だが、県が管理している。木を切ってもいいとか悪いとか。松枯れで枯れたのを県で切った」
松くい虫による松枯れの被害が出たため、1年ほど前に県が被害拡大を防ぐ目的で伐採したのです。
松くい虫といっても、実際にそのような名前の虫は存在しません。松が枯れる原因は、マツノマダラカミキリが運んでくる1ミリにも満たない線虫が、木の中で増殖したことによるものです。
この病気になると、松は根から水を吸い上げられなくなり、枯れてしまいます。
林野庁によると、松くい虫被害は国内最大の森林病虫害です。
近年は減少傾向にありましたが、2023年度は12年ぶりに増加し、2024年度も増えていることが分かります。
近隣住民の間からは、アカマツの伐採が落石につながったのではという声が聞かれました。
「ひと塊の岩があったので、あれは今に落ちてくると言っていた」
長野県は因果関係を否定
しかし、長野県は因果関係を否定しています。
百瀬直孝課長
「落石というのは予見・予知が難しい。誘因となるものが地震などいろんな要素があるが、今回、松くい虫による森林整備と落石の因果関係はないと思っております」
被害を受けた住宅の補償も予定していないといいます。
現場の山には、落石の可能性がある岩が今も複数残っています。県はどのような対策を考えているのでしょうか。
(2026年5月13日放送分より)






